本記事で触れているGoogleアナリティクスは、ユニバーサルアナリティクス(UA)を前提としています。
GA4を対象とした記事ではございませんので、ご注意ください。

当記事では、ウェブ経由でGoogle Analyticsのデータ操作を行うサービスである”Google Analytics API “(以下GA-API)の調べ方について解説していきます。

Google Analytics API(GA-API)とは

Google Analytics API(以下GA-API)は、Googleが提供しているGoogle Analyticsのデータ操作を行うサービスです。
APIを利用することで、エクセルなどのツールへアクセス結果のデータを取り込んだり、JavaScriptをカスタマイズして特殊なデータを保存しておいたりすることもできます。

GA-APIをオフィシャルサイトで調べる

GA-APIオフィシャルサイトの概要

GA-APIでなにか調べたいことがあれば、公式の情報であるオフィシャルサイトを使うことになるでしょう。
Google アナリティクス | Google Developers
https://developers.google.com/analytics/
公式サイトですので正しい情報が得られますし、情報も多く整備されています。
ただ情報量が多すぎて、「どこをどう調べればよいか分からない」ということにもなりやすいので、まずGA-APIの大まかな構成を頭に入れるのがよいでしょう。
それでは、GA-APIの主要な構成要素を解説します。

Google Analyticsのコンポーネント

Google Analyticsをシステムとして考えると、基盤として4つのコンポーネントで組織されています。

160203_img1
図1 GAコンポーネント

各コンポーネントの概要は下記になります。

Collection

ユーザーのインタラクション(操作)データを収集します。

Configuration

収集したデータをどう処理(加工)するかを設定します。

Processing

収集したデータをConfigurationの設定を元に処理(加工)します。

Reporting

処理(加工)した全てのデータへのアクセスを提供します。

各APIの説明

GA-APIとGoogle Analytics技術基盤コンポーネントとの関係を以下に示します。

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図2 GA-APIとコンポーネントの関係

GA-APIはこのようにコンポーネントの中で他のUIやライブラリーと連携しながら、開発者に対しデータを操作する方法を提供します。
API(赤括弧の部分)それぞれの概要を説明します。

analytics.js (Web Tracking)

サイトに analytics.js を追加する | ウェブ向けアナリティクス(analytics.js) | Google Developers
https://developers.google.com/analytics/devguides/collection/analyticsjs/
WEBサイトやWEBアプリでユーザーのインタラクション(操作)データを収集します。

Management API

Management API – 概要 | アナリティクス Management API | Google Developers
https://developers.google.com/analytics/devguides/config/mgmt/v3/
Google Analyticsのあらゆる設定データにアクセスします。例えばアカウントやフィルター・目標・カスタムデータの設定などです。

Core Reporting API

Core Reporting API – 概要 | アナリティクス Core Reporting API | Google Developers
https://developers.google.com/analytics/devguides/reporting/core/v3/
カスタムレポートを生成するために、ディメンションや指標を指定するクエリー集です。

MCF API

Multi-Channel Funnels Reporting API について – 概要 | アナリティクス Multi-Channel Funnels Reporting API | Google Developers
https://developers.google.com/analytics/devguides/reporting/mcf/v3/
コンバージョンに至った経路を請求するクエリー集です。

GA-APIのオフィシャル以外のウェブ情報

ウェブ上ではGA-APIを実際に使ってみたという方が、その内容をブログや情報共有サイトで展開していたりします。
APIを用いて解決したい内容があれば、そのまま参考になるでしょう。
いくつかピックアップしてご紹介します。
初心者でも分かる!なGoogle Analytics APIの使い方
https://syncer.jp/google-analytics-api-tutorial
少し長めの記事ですが、GoogleAPI利用のための登録など、こまかいところまで丁寧に解説してあります。
Node.jsからGoogle Analytics APIにアクセスし、GA情報を表示させよう | 株式会社LIG
http://liginc.co.jp/web/programming/node-js/123492
レポーティングAPIを用いて簡単に面白くデータをビジュアライズする、という内容です。まずはGA-APIを利用してみたい!といった方にちょうどよいエッセンス的な記事です。
GoogleAnalytics – Google Analytics Real Time Reporting API 事始め – Qiita
http://qiita.com/gfx/items/5d8478461d801f3a8baa
こちらもリアルタイムのレポーティングAPIを用いた基本的な実践内容です。

GA-APIの情報を人から得る

APIに関する情報源として重要なものに「人から」があります。
GA-APIに詳しい人が集まるコミュニティに属することによって広く、効率的に情報を得られます。
人から情報を収集するためのいくつかの方法をご紹介します。

GAヘルプフォーラム

Google アナリティクス ヘルプ フォーラム – Google プロダクト フォーラム
https://productforums.google.com/forum/?hl=ja#!forum/analytics-ja
GoogleAnalyticsに関する、いわゆるQAサイトです。
比較的活発にやりとりがされており、APIに関わる投稿も多いです。
投稿をする際のマナー、エチケットとしては下記を守りましょう。
・スクリーンショットや参考URLなど、自分が解決したい課題を具体的に載せる
・解決したらお礼を言って「ベストアンサー」をつける
上記を守っているような節度ある質問者は歓迎されます。
積極的に活用しましょう。

Google グループ(英語)

google-analytics-data-export-api – Google グループ https://groups.google.com/forum/?hl=ja#!forum/google-analytics-data-export-api
Google グループでGA-APIを専門に取り扱っているグループがあります。
GA-APIを現場で利用している世界中のマスターたちが日々情報交換をしています。
英語ですので敷居が高いですが、それを超えればここから得られる情報は大きいです。
Googleアカウントでこちらのグループに登録しておくことで、日々の投稿がメールで送られてきます。

アクセス解析関連のイベントに参加する

アナリティクス アソシエーション (a2i.jp) – アクセス解析の協議会
http://a2i.jp/
アクセス解析を専門とする、おそらく日本最大のコミュニティです。
無料の会員制度もあります。
GoogleAnalyticsのセミナーも多く開催されています。

その他

自分で試す

実際にはウェブを探しても、人に聞いても、解決しない問題もあります。
そのような場合は自分で検証するのが近道です。
自分用のウェブサイトに(無い場合は準備して)自分用のGAアカウントを作成し、実際にカスタマイズを試してみた内容などがどうなるか。
ChromeのDev ToolsやGoogle Tag Managerのデバッグ機能などを用いて確認します。

まとめ

GA-APIの全体的な構成要素を説明しました。
また、GA-APIの調べ方について、情報を得る経路としては大きく2つになるかと思います。
・ウェブから
・人から
それぞれ、特色やレベルがあります。
今回の記事を参考に自分の解決したい課題を調べていただければと思います。

ワンモアポイント

基本的な情報源はオフィシャルサイトになりますが、やはり人から得る情報は膨大です。
筆者自身、自分で調べていたときより、GAを取り扱う企業やチームに参画した後は得られる情報が数倍に膨れあがった感覚があります。
自分がアンテナを向けていない方向の情報が得られたり、独自の情報源や経験値に基づく知識を得られたりします。
よりレベルの高い情報を、効率的に得たいのであれば、積極的にGA-API関連の専門性や関心を持っている人と交流することをおすすめします。

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西潤史郎

九州大学大学院システム情報科学府卒。データ解析エンジニア。ウェブ解析アプリの開発実績あり。

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