Tableau Story Tellingとは
公開されている現実のデータ(オープンデータ)をTableauで視覚的に分析し、「何が置きているか?」だけでなく「どうしたらよいか?」の提言までを「ストーリー」として提示するシリーズもののブログです。
以下のルールで運用して行きます。
- ・一般に公開されているオープンデータを分析対象とします。
- ・「何が起きているか?」だけでなく「どうしたらよいか?」までを提示します。
- ・分析、及び、提言は、本格的な調査の結果として提示するのではなく、あくまでも、与えられたデータのみから言えること。を対象とします。
- ・2時間以内で完成させます。深く分析する、よりは、短時間で全体の状況をつかむことを主眼に置きます。
第一回の記事では「北海道への訪日外国人宿泊客」のデータを取り上げましたが、第二回の本記事では内閣人事局が公開している、平成13年内閣人事局が担当して行った、平成13年民間企業退職金実態調査のデータを分析します。一つの企業に長期間勤務した結果もらえる退職金は、勤続年数によって、企業規模によって、退職理由によって、どのように変わるのでしょうか?
データ
「平成13年民間企業退職金実態調査」の調査結果は、こちらのWebページにある「PDF」のボタンをクリックで入手できます。様々なデータが掲載されていますが、本分析ではp.16~p.19の企業規模別、勤続年数別、退職理由別のデータを利用しています。
本記事は2018年2月に執筆していますので、調査年である平成13年(2001年)はかなり古いデータであることにはご注意ください。(ただ、データの公表は2014年9月25日です。こういった資料はもっと早く公開して欲しいですね。)
また、退職者が少ないセグメントがあります。(例えば、企業規模が100-299人、勤続47年で定年退職した対象者は6人です。)その場合、誤差が大きくなるので注意してください。(元のPDFファイルの調査結果利用上の注意(7)にもその旨の記述があります。)
Tableauでの視覚的分析
ビジュアル分析の結果は、以下をご確認ください(Tableauパブリックにジャンプします)
https://public.tableau.com/profile/kazkida#!/vizhome/_19100/sheet0
Youtube
ビジュアル分析の過程は、以下の動画でご覧いただけます。
まとめ
退職金をたくさんもらって、経済的に豊かな老後を迎えるのが望ましい。という前提に立って提言をまとめてみました。
- 提言1 :勤続年数が長いほど退職金が増える。という関係が見て取れます。まだ、データが勤続20年から始まっており、それ以前はデータがないです。それより短い期間しか1つの企業で勤務しなかった場合は、(人によってそれぞれだとは思いますが、例えば1000万円を一つの基準とした場合)インパクトのある額の退職金を貰うことは難しい。ということを意味していると考えられます。
「会社をやめたら退職金いくらでのかな?」と考えるのは勤続年数20年を超えることを前提とした方が良いかもしれません。
また、65歳定年制の企業に、45歳以上で転職した場合には、勤続年数は20年未満になりますので、インパクトのある金額の退職金は貰えないと考えておいた方が良いでしょう。 - 提言2: 退職理由を問わず、企業規模5000人以上の企業の退職金金額が高いです。「退職金が高いから大企業を志望する」のは、どこか違うと思いますが、退職金の面から考えると大企業が有利です。特に会社都合の退職の場合には、大企業の退職金の突出ぶりが目立っています。会社都合退職の理由は主に、倒産やリストラですから、働く側としては途方にくれると思いますが、その点、比較的多額の退職金が貰えるという意味で、大企業の方が安心と言えます。
- 提言3: 退職金の金額では、いろいろ不利な面がある100-299人企業ですが、自己都合による退職金を、20年勤続のときにもらえる退職金からのその後の勤続年数における伸び率で見た場合、一番高くなっています。20年勤続の場合の退職金額がそもそも低いからという面はありますが、100-299人企業で20年勤続した方は、そこからの退職金伸び率が高いことを踏まえ、転職などの自己都合退職を考えた方が良いかもしれません。
※個別の企業における退職金は、勤務規定等で定められており、現実には支払い方法について年金との組み合わせがあったり、早期退職優遇、功労者への加算金などがある場合があります。本分析はあくまでも、与えられたデータから言える一般的な傾向であることにご留意ください。
本ブログで取り上げて欲しいオープンデータがありましたら、info@principle-c.comまでご連絡ください。