本記事で触れているGoogleアナリティクスは、ユニバーサルアナリティクス(UA)を前提としています。
GA4を対象とした記事ではございませんので、ご注意ください。

サンキーダイアグラムとは

サンキーダイアグラムについては、Wikipediaのサンキーダイアグラムの項をご参照ください。

ビジュアル表現の一つで、左側にインプットを、右側にそのインプットがどのように分配されてゆくのか?という形で可視化を行います。「工程感の流量を表現する図表」、「特にエネルギーや物資、経費等の変位を表すために使われる」とされています。

Wikipediaから引用した以下の図は、「蒸気機関の例」とされています。その道の専門家ではないので詳細不明ですが、それでも、取り出したエネルギー(Ein)が全部動力(Eout)になるのではなく、friction(摩擦)で使われなかったり、condensor(復水器)に向かったりしている様子がビジュアルに可視化されています。

この図の名前のもととなったサンキーさん(アイルランド人。M.H.Sankey)よりも前に、以下の図が描かれたとされており、それがサンキーダイアグラム的な表現の嚆矢とされているようです。

作者は、シャルル・ミナール、1869年作。1812年のナポレオン軍のロシア遠征の時の兵隊の数、動き、気温などが可視化されています。ベージュがモスクワへの「往路」、モスクワからの「復路」。線の太さが人数です。大規模な軍隊(行軍前には422,000人と左端にあります)が徐々に数を減らし、モスクワに到達した際には10万人。コヴノ(リトアニアのカウナス)まで戻れたのはわずか10,000人という情報が分かります。
チャートの下部には気温が同時に示されています。

Google アナリティクスのデータをTableauで読み込む

今回、Tableauでサンキーダイアグラムを作成するにあたって参考にさせていただいた記事はTableau communityのこちらの記事です。非常に丁寧に書かれた記事であり、とても勉強になりました。

今回は、データソースとしてGoogle アナリティクスを使います。Tableauでサンキーダイアグラムを作成する記事自体はいくつかありますが、データソースとしてGoogle アナリティクスを利用したものは、意外と無いように思ったからです。

取得したディメンションとメジャーは以下の通りです。

ディメンション

  • ・CV有無(お申込みが発生したセッションかどうか?ブーリアン型)
  • ・ユーザータイプ(New Visitorか、Returning Visitorか)
  • ・ランディングページ(セッションが始まったページ)
  • ・2ページ目(セッション中に2番目に閲覧したページ)

 

ランディングページから2ページ目の遷移を可視化すると、ユーザーがランディングした次にはどこのページを閲覧したのかが分かります。

メジャー

  • ・セッション

 

ランディングページも2ページ目もディメンションメンバー(一つのディメンションにおける値の種類数)が多いので、以下のような計算フィールドを作成してグルーピングしなおしています。ランディングページをまとめて「LP分類」としています。

また、2ページ目をまとめて「2ページ目分類」としました。ここで気を付けることは、直帰のセッションについては2ページ目がNULLになることです。そこで、1行目の

if isnull([2 ページ目]) then “直帰”

の式でNULLを”直帰”に読み替えています。

TableauでのGoogle アナリティクスデータのサンキーダイアグラム作成

サンキーダイアグラムの作り方自体はTableau Communityの TOMOHIRO IWAHASHIさんの記事が、一言の追加も不要なくらいにきっちり説明してくれているので、作成した結果だけを共有します。

新規ユーザーに絞り込み、直帰がどこで起きているのか?を表しました。ランディングページとしてブログ記事がたくさん利用されていますが、その分、直帰も非常に多くなっています。ランディングページ(主に、セミナー告知用に作成したページ)の直帰率も相当高いのが分かります。

以下は、リピートユーザーで、かつ、直帰を除きました。

2ページ目の会社紹介のページ(複数ページあります)には、主に、トップページ、もしくは、同じ会社紹介のページから来ていることが分かります。

以下は、CVを起こしたセッションとそうでないセッションに分けてサンキーダイアグラムを描き分けています。左側がCVしていないセッション、右側がCVしたセッションです。

上図では、ただ単純にサンキーダイアグラムを描くのではなく、ユーザータイプや、CV有無といったディメンションを適用しています。すると、セグメントによる違いが分かり、改善ヒント(今回は、サンキーダイアグラムをTableauで描くのが主体で、改善を目的としていませんが)に関する知見を得やすいです。

Tableau Public上のVizはこちらです。
https://public.tableau.com/profile/kazkida#!/vizhome/Sankey_Diagram_based_on_GA/GA

まとめ

今回、サンキーダイアグラムについて書いてみたいと思ったのは、プリンシプルに3月に入社したばかりの新入社員、アラカワくんに「木田さん、Makeover Mondayで僕、こんな素敵なVizを作りましたよ。」と自慢されたからです。(^ ^)

それまでは、サンキーダイアグラムって「元データを加工しなければいけないから、イマイチクールではないな」、「スペースを使う割には情報量が少ないな」と思っていて避けてきましたが、ま、食わず嫌いはやめてやってみよう。と。

アラカワくん、ありがとう。

プリンシプルでは、Google アナリティクスのカスタマイズ、Tableauによるデータの可視化をサービスとして提供しています。ご興味を持たれた方はinfo@principle-c.comからお気軽にお問い合わせください。

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木田和廣

早稲田大学政治経済学部卒。取締役副社長。カスタマーサクセス室室長。チーフ・エバンジェリスト。

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