本記事で触れているGoogleアナリティクスは、ユニバーサルアナリティクス(UA)を前提としています。
GA4を対象とした記事ではございませんので、ご注意ください。

2018年4月、Tableau社はそれまでProject Maestroという名称でベータ展開してきた製品を正式版としてローンチしました。製品名称は、Tableau Prep(たぶろー ぷれっぷ)です。

Tableau Desktopはご存知の通り非常に強力なデータビジュアライゼーションケイパビリティを持つBIツールですが、そのケイパビリティは接続するデータがキレイであってこそ十分に発揮されます。Tableau Prepはデータプレパレーションツールとして、元データがTableau Desktopでビジュアライズしにくい形をしていた場合にキレイに整形してくれます。

本ブログとはそのTableau Prepの機能をすべて、実際に必要とされる場面のシチュエーションに合わせて動画で紹介します。

データプレパレーションツールとは

データプレパレーションツールとは、分析対象のデータを「結合」、「変形」、「整形」、「変換」し、Tableau DesktopのようなBIツールでのビジュアライズをより効率よく、より自由に行うことができるように準備するためのツールです。

一説には、データの分析者は80%以上の時間をデータの分析自体ではなく、分析するデータの準備に費やしているとも言われ、その部分の業務を担うツールという事もできます。

「結合」とは、分析対象のデータが複数のテーブルに分かれていた場合に一つに合体させる機能です。具体的にはJOINやUNIONといった方式で「結合」を行うことができます。

「変形」とは、例えば元データが「2017年売上額」、「2018年売上額」のように「売上額」という指標を「年」というディメンションが適用された形で、複数の列として持っていた場合、それを、「年」というディメンション列と「売上額」という指標列に分解してくれる機能です。具体的にはPIVOTがその役を担います。

「整形」とは、例えば列の名前を変更したり、NULLの行を除外したり、特定の値を除外したり、ある列の指標と別の列の指標を使った計算式を利用して新しい指標列を作成したりすることを指します。

「変換」は、元データがデータベース上のデータであった場合や、excelのファイルであった場合にファイル変換を行います。Tableau Prepの場合には、.hyperファイル(Tableau Desktop10.5以降のデータエンジン)、.tdeファイル、.csvファイルなどに変換してデータを取り出すことが出来ます。

データプレパレーション対象のデータ

どのような時にデータプレパレーションツールが必要となるのか?すぐには実感の沸かない読者の方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、実際に臨場感を持ってデータプレパレーションツールの必要性を感じ取っていただけるよう、ある状況を用意しました。

お題:Google アナリティクスに連携されたGoogle Search ConsoleのデータをエクスポートしてTableau Desktopで分析したい。

Webマーケターにとっては、すでにやったことのある仕事、もしくは、まだ手が付けられていないが是非やりたい仕事、つまり、現実味のある仕事だと思います。

元データは最終的に4つのエクセルファイルとしてダウンロードできたのですが、なぜ、4つのファイルに分かれてしまったのか?それぞれのファイルは、どのようなデータ構造をしているのか?について動画で説明しています。

もし、Google Search Consoleの提供するデータそのものや、それらデータをGoogle アナリティクスで連携した時に取り出せるデータの形に馴染みのない方は、まず、このデータからご覧ください。

Tableau Prepの機能

以下の動画では、Tableau Prepの持つ以下の機能を利用しているところを見て取れます。

  1. 分析に不要な列の削除(元データはいじらずTableau Prep上で利用しないため、非表示にすること)
  2. データインタプリタを利用した、ヘッダー項目空白列の処理
  3. ディメンションがNULLとなっている指標の合計行の削除
  4. ディメンションメンバー(*)についての別名の編集
  5. ディメンション名の変更
  6. データの結合(JOIN)
  7. データの結合(UNION)
  8. ブランチを使った、仮想テーブルのコピー
  9. Outputとして、.hyper形式でのデータのアウトプット

(*)ディメンションメンバー
あるディメンションに中に含まれている値。例えば、『「デバイス」というディメンションには、「desktop」、「mobile」、「tablet」の3種類のディメンションメンバーが存在する。』のように使います。ディメンション名とは異なりますのでご注意ください。

Tableau Prepがかなりパワフルな機能を持つことが理解いただけるかと思います。是非、以下の動画を確認してください。

「表示回数」、「クリック数」という指標を「国」、「デバイス」、「検索クエリ」というディメンション別に整形する動画

「平均掲載順位」という指標を「国」、「デバイス」、「検索クエリ」というディメンション別に整形する動画

Tableau Prepのさらなる機能「Aggregate」

以下の動画では、ディメンションとして「検索クエリ」と「日付」、指標として「表示回数」、「クリック数」、「クリック率」、「平均掲載順位」を持つデータについて、

  1. 日別のデータを月別に集計
  2. (日付データは使わず)ディメンションを検索クエリだけにして4指標を集計

という2つの集計をご覧いただけます。

“20180723”のような文字列をどのようにしたら、Date形式として取り扱うことができるのか?クリック率についてのデータがちょっと変(800回の表示回数、1回のクリックの場合、クリック率が0.0013でなく、0.13となっています。)な事象をどう回避しているのか?など、かなり実践的な課題を解決する様子をご覧いただけます。

この動画で紹介しているTableau Prepの機能は以下の通りです。

  1. 計算フィールド(DATEPARSE関数)
  2. 計算フィールド(四則演算)
  3. AGGREGATE(集計)

データプレパレーションツールTableau Prepの入手方法

Tableau Prepは、Tableau社が販売しているTableau Creatorに含まれています。

Tableau Creatorを構成する製品群

  1. Tableau Desktop(Professional Version)
  2. Tableau Prep
  3. Tableau Online、もしくはTableau Server(1アカウント)

料金は、サブスクリプション型で、1ユーザーあたり年間102,000円です。3製品が利用できてこの金額ですので、ガッツリとデータプレパレーション、データビジュアライゼーションに取り組む企業ユーザーには比較的お求めやすい金額といえるのではないでしょうか?

データを効率よく準備、可視化、シェアできた場合、リターンとしてのビジネスインパクトを考えると決して高いものではないと思います。

製品情報はこちらのTableau社公式サイトをご参照ください。

https://www.tableau.com/ja-jp/pricing/individual

まとめ

如何でしたでしょうか?Tableau Prepの強力なデータプレパレーション機能を楽しんでいただけましたでしょうか?

プリンシプルでは、Tableau Prepを使ったデータプレパレーション、Tableau Desktopによるデータの可視化をサービスとして提供しています。Tableauが好き、データが好きなコンサルタントが対応いたします。ご興味を持たれた方はinfo@principle-c.comからお気軽にお問い合わせください。

Tableau社の公式パートナーとしてTableau Creatorの販売も行っています。デモが見たいなどのご要望もお気軽にお寄せください。

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木田和廣

早稲田大学政治経済学部卒。取締役副社長。カスタマーサクセス室室長。チーフ・エバンジェリスト。

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