サイトリニューアルの目的

自社のウェブサイトをリニューアルする上で、大切なことは何でしょうか。

  • サイトを利用するユーザーにとってわかりやすい・使いやすいサイトにする
  • これまでよりも売上貢献をしてくれるサイトにする
  • デザイン・システムが老朽化してきたので最先端のデザイン・機能を取り入れたサイトにする

など目的は各企業により様々と考えます。

もちろんこれらは全て大切な目的です。ただし、サイトリニューアルの準備を行う中で、システム開発やデザイン開発などの「つくること」に集中し過ぎていることはありませんか。

これまで数多くのウェブサイトの分析・解析運用業務をご支援させていただいた経験の中で、サイトをリニューアルして全ての課題がクリアされた、もしくは目標を達成したということはほとんどありません。もちろん、大きな課題をクリアすることは多くありますが、大抵の場合その後の運用で引き続き日々のPDCA運用により徐々に改善・成果を出していく、ということが確実に成果を向上していく唯一の方法であると考えます。

つまり、ウェブサイトリニューアルにおいて「つくること」ももちろん大切ですが、「運用すること」が「つくること」以上に大切であり、「運用すること」を意識した初期構築が大切なことであると考えます。また、「運用すること」は単にデザイン変更をおこなったり、ページを作成することだけを指しません。このデザインやページ制作を行う上での判断軸となる分析や解析業務を含めた運用が必要です。

これまでの分析や解析業務はExcelなどを使用し、解析ツールで得られるデータを元に、集計、週次や月次で定点観測という運用が多かったのではないでしょうか。ただし、これからはユーザーの態度変容や行動も複雑、かつ情報収集のみならず成約といった成果に直結する行動もオンライン上シフトしたりとビジネスにおけるウェブサイトを中心としたオンラインの果たすべき役割が重みを増していくことで、この分析や解析運用自体の見直しも必要になると考えます。

このような戦略性を持ち、かつ迅速な分析・解析業務遂行を実現してくれる一つの方法として、今回はBIツール Tableauを使用したファネル分析についてご紹介します。

皆様のリニューアル準備、もしくはリニューアル後の運用円滑化に少しでもお役に立てれば幸いです。

Tableauとファネル分析

Tableauとは

Tableauはデータからインサイト、次にとるべきアクション、意思決定を簡単かつスピーディーにデータから引き出せるBI(Business Intelligence)ツールです。また、定型レポートとアドホック分析間のサイクルがスムーズに回るようにサポートできます。 

ファネル分析とは

ファネルとは日本語で「漏斗」を意味します。「漏斗」は逆三角形のラッパのような形をしており細い先を瓶などの口に差し込み、上から液体を流しいれる用具の事です。

マーケティングでは、見込み客から受注へと絞り込まれる様子を例えて「セールスファネル」と表現されます。

ファネルと検索するだけ以下のものがでてきます。

ファネル分析はファネルの各ステップを見て、問題点を特定するための分析です。激しくくびれている所が「ボトルネック」になります。

さらに、様々な分析軸(例えば年齢、性別、デバイスなど)をファネルに適用することで、セグメントごとに比較、ボトルネックの原因を探るのは一般的です。

最後に、「ボトルネック」を解消するために「合理的なアクション」を取り、その結果をファネルにて評価し、PDCAを効率的に回します。

Tableauでファネル分析を行うには

必要なデータを取得する

ファネル分析を行う場合には各ステップごとのデータ(到達数)がなければ作成することは出来ません。

例えばECサイトであれば買い物完了までおおよそ以下の流れがあり、①~④の到達数をそれぞれ取得する必要があります。

①サイト訪問 → ②商品詳細ページ閲覧 → ③カート投入 → ④買い物完了

さらに、様々な分析軸でファネルを分析するため、分析軸ごとに到達数を測定する必要もあります。

例えばECサイトの場合、デバイスごと、流入元(チャネル)ごとにユーザーの行動が異なる可能性が高いため、「デバイス別」、「チャネル別」で到達数をトラッキングするのは一般的です。

ファネルを可視化する

データが蓄積後、Tableauを利用して人が読みやすい、深堀しやすい形にすることも大事です。

下記ダッシュボードは実際に過去お客様に納品したサンプルです。

ダッシュボードは以下の3つの部分で構成されています。

  • KPIの確認(ピンク):各ステップ到達数、購入完了率一覧
  • ファネルの確認(赤):視覚的にボトルネックを特定できる
  • 各ステップ到達率(黄):分析軸(全体、デバイス、チャネル)を切り替えて、各ステップの到達率を様々な分析軸で比較できる

また、分析軸の個別セグメント名(例えばモバイル)をクリックすると、残りの部分はそのセグメントにフィルターされますので、KPI枠とファネル枠と連動的に深堀を簡単に行えます。

KPI枠で概要を把握しつつ、ファネル枠でボトルネックを特定し、いろんな軸で深堀する流れでファネル分析を円滑に行えます。

Tableauサーバー使うと運用のサイクルがスムーズになる

Tableauオンライン(サーバー)を利用して、上記ダッシュボード(利用するデータ含めて)を社内に簡単に共有できます。

また、よりアドホック的に深堀したい場合も、共有されたデータを利用してスピーディーに行えますし、すぐにチームメンバーと共有できます。

こういった形で評価、問題発見、深堀、共有を繰り返して、リニューアル後の運用をより円滑に行えます。

まとめ

今回はサイトリニューアル後、サイトの解析と評価をしっかり行えるためのファネル分析について紹介しました。

この記事を読んだ方で「どうのように社内で導入していこうか」「こういうダッシュボードを作ってみたい」などございましたらお気軽にお問い合わせください。

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投埜健太郎

プリンシプルでのTableau専任インターンを経て入社。DXチームBIコンサルタントとして、大手企業のDX、データ活用・可視化支援を行う。Tableau Desktop Professional 保持。DATA Saber 保持。

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