- ピルのメジャーによる平均(レコード数による平均)
- 売上の発生した月数による平均
- 取引継続月数による平均
などの作り方を見てきました。
「Tableauにおける「平均」のすべて(その2)」では、欠損値があった場合の移動平均を求めるテクニックを紹介しました。
(その3)となるこの記事では、最もベーシックな「計算フィールド」による平均についてお話します。
データソースの割り算の指標は利用しない
以下のような非常に小さなデータで動作を確認しましょう。「表示回数」、「クリック数」、そして、クリック数を表示回数で割った「クリック率」が指標としてあります。
そのデータにTableauから接続し、クロスタブ表を作成しました。
全く問題ありませんね。
一方、このデータ全体の「平均」を取り出すために総計行を表示させてみると、うまくいっていないことが分かります。クリック率の「総計」が15%ではおかしいです。
表示回数、クリック数は良いとしても、クリック率が「合計」で表示されていることに気が付きます。「平均」にしてみたらどうなるでしょう?
7.0%となるはずべきであるところ、7.5%となっており、やはり適切に表示されていないことが分かります。
という訳で、Tableauでは、元データにある「率の指標」は基本的には使わない方が良いです。
割り算の指標を利用した平均の取り出し
データソースに元々存在する割り算の指標は使わない方が良いということを理解したので、次は、以下のデータソースをTableauに読み込んでみます。
クリック率(CTR)は以下の式を計算フィールドに記述して作成しました。
クロスタブ表を作って検算します。
上記の通り、ディメンションを「キーワード」にすると一見うまく行っていますが、以下のように総計を表示したり、ディメンションを「カテゴリ」にしたりするととんでもない結果になります。
Tableauで平均を適切に取り出す
では、どうしたら良いでしょうか?結論としては、以下の計算フィールドの通り、表示回数、クリック数を合計(SUM)したもの同士を割り算します。
結果は以下の通りになりました。総計欄が正しく計算されていることが確認出来ます。
カテゴリ別の平均CTRも正しく計算されていることが分かります。
Tableauで正しく平均を求める方法として、分母、分子ともSUMでくくってあげる必要があることがご理解いただけたかと思います。
Tableauでは、最初の例のようなSUMでくくらない計算には「行レベル計算」今見たSUMでくくった計算には「集計計算」とそれぞれ名前がついています。
まとめ
以下に、行レベル計算で起きたこと、集計計算で起きたことを模式図としてまとめてみました。
行レベル計算で起きたことは以下です。
一方、集計計算で起きたことは以下です。
ウェブマーケティングの指標には割り算の指標が多数存在します。そうした場合には基本的にはすべて集計計算を利用してください。
対象となる計算指標は以下のようなものがありえます。
【Web解析系指標】
- 平均ページ滞在時間
- 直帰率
- 新規セッション率
- 平均ページ/セッション
- 平均セッション時間
- コンバージョン率
- 平均単価
【広告系指標】
- CTR
- CPC
- CVR
- CPA
- ROAS
一方、リスティング広告系、もしくはGoogle Search Consoleから取得できる「平均掲載順位」はすでに平均された指標ですので、取扱時にはご注意ください。
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