被リンクを多く獲得することで、ウェブサイト全体のSEO評価が高め、検索結果でより上位表示されやすくなります。

しかしながら、「被リンクを獲得するメリットは理解しているものの、何をすれば獲得できるかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、被リンクを獲得する方法と、具体的な20の施策をご紹介します。

被リンクとは

被リンク(バックリンク)とは別ドメインの外部サイトに設置された自社サイトのリンクのことを指します。被リンクは検索エンジンにとって重要な指標となり、被リンクの質や数によってサイト全体の評価(ドメイン評価)に影響を与えます。

ウェブページが外部サイトから多く引用されると、ユーザーに役に立つ有益なページであると検索エンジンに判断され、そのページのSEO評価が高くなり、検索結果で上位表示されやすくなります。

そのようなSEO評価が高いページがウェブサイトに多く存在すると、サイト全体の評価も高くなります。そのため、「被リンクの量と質」はSEOにおいて重要な指標の1つです。

被リンクのイメージ
被リンクのイメージ

質の高い被リンクとは|ナチュラルリンク

被リンクが多ければ多いほど良いですが、質が低いリンクばかりだと意味がありません。

質が高い被リンクというのは、以下の2つの特徴があります。

  • 自社サイトとの関連性が高い外部サイトからのリンク
  • 信頼性や権威性の高い外部サイトからのリンク

例えば自社サイトで独自のSEO研究データをサイトに載せると、他の競合SEOコンサル会社のサイトからデータを引用されると同時にリンクも設置されると、関連性が高くとても質が高い被リンクと言えます。

ウェブサイトの信頼性や権威性の高さの判断基準は、かつてGoogle公式から出した指標「PageRankスコア」が存在し、ページごとにPR0からPR10が割り当てられます。

以前はGoogle検索のツールバーからスコアを確認できましたが、2016年にツールバーが廃止となりPageRankスコアを確認できなくなりました。しかしPageRankアルゴリズムは依然として重要です。

現在SEO業界では、PageRankスコアの代わりに、SemrushやAhrefsなどのSEO分析ツールで、「Authority Score(権威性のスコア)」や「Domain Rating(DR)」といった指標を参考にします。スコアが高ければ高いほど、質の高い被リンクと言えます。

参考①:Google 検索ランキング システムのご紹介 | Google 検索セントラル | Google for Developers
参考②:Google PageRank in 2024: What Google Search Leak Reveals

SEOツールに頼らずもっと直感的な判断基準としては、誰でも知っているような大手企業のサイトや、○○と言えば○○とブランドの知名度が高いサイトは信頼性が高く、個人が運営しているブログは比較的低いという簡易な判断軸があります。

質の低い被リンクとは|スパムリンク

質の低い被リンクとは、不自然な手法やスパム的な方法で獲得したリンクを指します。不自然な手法とはたとえば、以下のようなものが該当します。

  • 関連性が極めて低いページからのリンク
  • 低品質のウェブサイトからのリンク

スパムリンクとは、たとえば以下のようなものが該当します。

  • リンクファームや自動生成ツールを利用して作成されたリンク
  • 有料で購入したリンクにもかかわらず、検索エンジンにお知らせしない(nofollow属性・sponsored属性をリンク付与しない)←詳しくは「被リンクを獲得する上での注意点」で説明。

スパムリンクだと判断される場合、ペナルティ対象となるため、単一のページだけではなく、サイト全体に悪影響をもたらし、上位表示が難しくなります。

質が低い被リンクはSEO評価の低下に繋がり、検索エンジンからペナルティを受けるリスクがありますので、リンクの質を定期的に確認し、不要な被リンクを否認するなどの管理が必要です。

参考:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル

被リンクで得られるSEO効果

被リンクによって得られるSEO効果は、サイト全体の評価(ドメイン評価)が向上することです。サイト全体の評価が上がると、検索結果で上位表示されやすくなり、自然検索による流入が期待できます。

または、自社サイトへのリンクがいろいろな外部サイトやSNSに設置されていると、自然に露出が増え、新規顧客の獲得にも繋がります。

被リンクを増やすための具体的な方法20選

被リンクを増やすための具体的な方法を、「ユーザー向け」「企業様向け」「新規コンテンツの作成」「自社内運用」の4つの対象別に分けて、20個の施策をご紹介します。

ユーザー向け

①運用中のSNSとの連携

施策内容:
運用中のすべての公式SNSアカウントに、公式サイトのURLを記載するようにし、反対に公式サイトのフッターなどに運用中のすべての公式SNSを網羅して記載します。

SNSで獲得するリンクはnofollow属性・sponsored属性・ugc属性が付与されているため、評価はリンク先のページに渡らないことになっています。←詳しくは「被リンクを獲得する上での注意点」で説明。

SNSとの連携は、SEO評価に直接効果が出るわけではなく、ネット上のサイテーション(言及)が多く獲得することによって、SEO評価においてもプラスに働くため、間接的に効果が期待できます。

弊社もこちらの施策を実施しています。

弊社公式サイトのフッター
弊社公式サイトのフッター

弊社公式YouTubeチャンネルのプロフィール欄
弊社公式YouTubeチャンネルのプロフィール欄

②ogタグ

施策内容:
ウェブページのHTMLにogタグを設置し、タイトル、ディスクリプション、サムネ画像を設定します。

ogタグというのは、SNSなどでURLがシェアされた際に、どのように表示されるかを指定するためのHTMLメタタグです。ogタグを使用すると、ページのタイトル、ディスクリプション、サムネ画像などをカスタマイズでき、SNS上での見栄えを整えることができます。

こちらの施策も直接被リンクによるSEO評価にならないですが、ページが目立ちやすくなり、クリック率(CTR)の向上や、情報拡散に役に立つため、間接的なSEO効果が期待できます。

ページごとにユニークな内容を設定することが望ましいです。例えば弊社のブログの「ChatGPT Canvasを解説:ライティングとコーディングをスムーズに」という記事のogタグが以下のように設定されています。

ogタグの設定内容

<meta property="og:site_name" content="株式会社プリンシプル" />
<meta property="og:title" content="ChatGPT Canvasを解説:ライティングとコーディングをスムーズに | 株式会社プリンシプル" />
<meta property="og:description" content="ChatGPT Canvasで効率的なライティングやコーディングを実現するための特徴や使い方、活用方法について解説します。" />
<meta property="og:url" content="https://www.principle-c.com/column/seo/chatgpt-canvas-for-writing-and-coading/" />
<meta property="og:image" content="https://www.principle-c.com/wp_cp/wp-content/uploads/2024/12/Shutterstock_2258188655.jpg" />

こちらの記事がSNSなどでシェアされた際には、URLのみだけではなく、画像や説明文も表示されるため、一瞬でどのようなコンテンツなのかが伝わります。

URLがSNSでシェアされた際に表示される内容
URLがSNSでシェアされた際に表示される内容

③シェアボタンを設置する

施策内容:
シェアボタンをウェブページに設置します。冒頭や末尾、目立つ位置に配置するのが効果的です。

シェアボタンを設置することで、訪問者が簡単にSNSでコンテンツを共有できるようになり、コンテンツが多くの人に拡散されやすくなります。間接的に被リンク獲得の機会やサイテーションによるSEO効果が期待できます。

弊社ブログに設置されているシェアボタン
弊社ブログに設置されているシェアボタン

④無料ウェブサイトを運用しリンクを掲載

施策内容:
notewantedlyAmebaブログクラウドワークス などの無料ウェブサイトを運用し、自社公式ウェブサイトのリンクを掲載します。

運営しているのは自社ですが、ドメインが異なるため外部サイトとして扱われます。無料で利用でき、コストもかからないため自社内ですぐに対応できる被リンク施策の1つとなります。

noteからの被リンク
noteからの被リンク

wantedlyからの被リンク
wantedlyからの被リンク

⑤プレスリリースサービスを運用(有料)

施策内容:
PR TIMESValuePress などのプレスリリース配信サービスを利用し、ニュースリリース内に自社サイトのURLを掲載します。

プレスリリースとは、企業が新しい情報をメディアや広範な公衆に向けて発信する公式文書のことを指します。主に新商品・新サービスの発表、イベント開催、重要な業績報告などを知らせる目的で配信され、ニュース記事や特集記事として取り上げられる可能性を高めます。

SEOにおいて、プレスリリースサービスは有料サービスなので、リンクにnofollow属性やsponsored属性が付与され、評価はリンク先のページに渡らないことになっています。(有料リンクなのにこれらの属性が付与されない場合はポリシー違反となります。)←詳しくは「被リンクを獲得する上での注意点」で説明。

しかし、プレスリリース経由で他のメディア記事やブログなどからの被リンク獲得が期待でき、ウェブサイトの信頼性やSEO評価の向上につながります。

prtimesからの被リンク
prtimesからの被リンク

⑥フォーラムの質問へ回答し、自社サイトのリンクを貼る

施策内容:
Yahoo!知恵袋Quora などのQ&Aフォーラムで、自社製品やサービスに関する質問に回答し、自社サイトのリンクを記載します。

フォーラムからの被リンクは、SNSやプレスリリースと同じように、nofollow属性・sponsored属性・ugc属性が付与されるため、リンク先のページに評価が渡りません。←詳しくは「被リンクを獲得する上での注意点」で説明。

無意味にいろんなところにリンクを貼るのはスパム行為になる恐れがありますが、質問に対して有益な回答文とともに関連性が高いページへのリンクを貼ることで、検索エンジンに評価される可能性があります。

⑦コンテンツの質を高める

施策内容:
E-E-A-Tを重視したコンテンツを常に意識します。

こちらの施策が被リンク施策としてカウントされることに違和感を覚える方もいるではないでしょうか。

コンテンツの質を向上させることは、被リンク獲得において最も重要な要素の1つと言えます。高品質なコンテンツは、ユーザーにとって有益であると同時に、他のサイト運営者が信頼できる情報源として自発的にリンクを貼りたくなる理由になります。

特に、Googleが重視するE-E-A-T(専門性、権威性、信頼性、経験)を満たすコンテンツはユーザーにも検索エンジンにも求められます。具体的には、次のような要素を備えたコンテンツが効果的です。

  • 専門性: あるテーマに関して深い知識や見解を示す。
  • 独自性(経験): 他にはない情報、独自の調査データや視点を提供する。
  • 網羅性: ユーザーが求める情報を一つの記事で完結できるようにする。
  • 最新性: トレンドの変化に合わせて定期的に更新する。

コンテンツの質を高めることで、外部サイトからのリンクやSNSでの共有が増加し、結果としてSEOパフォーマンスが向上します。

⑧高質なインフォグラフィックを作成し引用を狙う

施策内容:
オリジナルで作成したインフォグラフィックを作成し、画像として引用されることで、被リンク獲得を図ります。

インフォグラフィックとは、情報やデータを視覚的にわかりやすく伝えるために作成された、図表、イラスト、アイコン、チャートなどを活用したコンテンツのことを指します。主に複雑な情報やデータを整理し、読者が直感的に理解できるように設計されます。

高品質なインフォグラフィックは、情報を視覚的に分かりやすく伝えられるため、外部サイトやメディアに引用されやすく、画像とともに自然な被リンクの獲得につながる可能性が高まります。

インフォグラフィックを作成する方法に関してはパワーポイントやGoogleスライドでも十分ですが、もっとデザイン性を出したい場合は、Canvaの有料プランを使用したり、デザイナーさんに依頼することも考えられます。

例えば、以下はSEOキーワード選定における3C分析の概念をインフォグラフィックとして表したものになります。(Googleスライドで作成)

インフォグラフィックの例
インフォグラフィックの例

⑨独自で調査した一次情報を提供する

施策内容:
市場調査結果、アンケート結果など、独自で行った調査結果をコンテンツとして提供します。

一次情報とは、競合他社にはない独自の調査データや分析結果など、自社が直接収集した情報を指します。このような情報は、外部サイトやメディアにとって参考価値が高く、引用されることが期待できます。

例えば、弊社で2024年3月に「デジタルマーケティング職の就業環境調査」という調査を行い、調査結果をサイト内に公開すると、多くのメディアから被リンクを獲得することができました。

弊社独自で調査した一次情報のコンテンツ例
弊社独自で調査した一次情報のコンテンツ例

企業様向け

⑩関係企業様に相互リンクを提案

施策内容:
支援会社、協業会社、コンサル会社、取引先などの関係企業に対して、関連性の高いページでの相互リンクを提案します。

相互リンクを提案する際には、以下のポイントを意識することが重要です。

  • 相互リンクのメリットを明確に伝える:リンクによって、双方が得られるメリット(トラフィック増加、ページのSEO評価向上など)を具体的に説明する。
  • 関連性の高いページを選ぶ:関連性のないページ同士をリンクすると、不自然と見なされる場合があるため注意する。

例えば、弊社は支援事例を紹介するコンテンツを公式サイトで公開しておりますが、お客様にご支援させていただいた経緯や結果などを紹介すると同時に、お客様の公式サイトへのリンクを掲載しています。

場合によりますが、弊社サイトで公開した事例記事のリンクを、お客様のサイトにも掲載していただけると、被リンクの獲得になります。または、取引先一覧ページが存在する場合、ロゴとともに、画像リンクなどの設置も考えられます。

⑪被リンク営業

施策内容:
競合が獲得しているものの、自社では獲得できていない被リンクを洗い出し、その中から権威性の高いサイトをピックアップして、自社サイトへのリンク設置を提案します。

例えば、ベンチマークにおいている競合他社がそろって特定の業界メディアや専門ブログなどから被リンクを獲得している場合に、自社のリンクも設置するように依頼することで被リンクを増やすことができます。

詳しくは「被リンクを増やすための営業フロー」セッションで説明いたします。

⑫逆検索してリンク記載の依頼をする

施策内容:
自社サイトで公開されている画像やテキストをウェブ上で検索し、外部サイトに無断引用されていれば、自社サイトへのリンクを記載するよう依頼します。

この手法は、特に参考価値の高い独自の画像やインフォグラフィック、調査レポートなどに効果的です。参考や引用される可能性が高いであろう自社コンテンツに対して調査を行います。

具体的な調査方法として、画像の場合は「Google レンズで画像を検索」機能を、テキストの場合はコピペチェックツールを活用します。

Googleレンズ
Googleレンズ

参考や引用される可能性が高いであろう自社の画像をアップロードして検索
参考や引用される可能性が高いであろう自社の画像をアップロードして検索

コピペチェックツール「こぴらん」
コピペチェックツール「こぴらん

⑬スカイスクレイパーテクニックを活用する

施策内容:
被リンクを多く獲得している競合他社のページをピックアップし、まずそのページより優れたコンテンツを自社サイトで提供します。そして、多く被リンクを獲得しているページを参照しているリンク元のサイトに自社サイトを宣伝し、自社サイトのリンクに置き換えるまたは追加するように提案します。

スカイスクレイパーテクニック(Skyscraper Technique)は、著名なSEO専門家であり、SEO会社「Backlinko」の設立者であるブライアン・ディーン(Brian Dean)が2013年頃に提唱した手法です。実施後14日間で自然検索セッション数が+110%増加したとされ、当時のSEO対策において高い効果を発揮したと報告されています。

しかし、この手法は10年以上前の検索アルゴリズムを前提としたものであり、現在でも同様の効果が得られるかは定かではありません。

参考:Skyscraper Method: +110% Traffic in 14 days (Link Building Case Study)

「スカイスクレイパーテクニック」は「摩天楼(skyscraper)」に由来し、既存の高層ビルよりさらに高いビルを建てるように、競合のコンテンツを上回る内容を作成する手法です。競合するコンテンツを「超える」ことで、検索エンジンからの評価を向上させ、他サイトから被リンクを獲得することを目的としています。

具体的なやり方としては以下の3ステップです。

  • ステップ1. 被リンクを多く獲得している競合ページを調査:
    被リンクを多く獲得しているページを特定し、どのような情報が提供されているのかを把握します。
  • ステップ2. 競合ページを超えるコンテンツを作成:
    競合ページよりも詳細で網羅的な内容を提供します。例えば、追加データ、最新情報、一次情報、視覚的要素(インフォグラフィックや動画)を盛り込むと効果的です。
  • ステップ3. リンク元サイトへのアプローチ:
    競合ページにリンクしているサイトを特定し、自社の新しいコンテンツの方が優れていることを宣伝して、リンクの置き換えまたは追加を依頼します。

⑭リンク切れページのリプレイス

施策内容:
外部のウェブサイト(例:「〇〇ランキング」や「〇〇おすすめ〇選」などのコンテンツを発信しているサイト)で、自社の提供サービスや商品に関連する箇所のリンクがリンク切れとなっている場合、そのリンク先を自社の関連コンテンツに置き換えるように、外部サイトに提案します。

リンク切れはユーザー体験を損い、検索エンジンからも評価が下がってしまうため、外部ウェブサイト管理者にとっても改善の必要性が高い問題です。そのため、リンクの貼り換えを提案すると成功率が高いと思われます。

具体的には、以下の3ステップで行います。

  • ステップ1. 自社の提供サービスや商品に関連するキーワードでGoogle検索で検索し、上位ページ内のリンクを確認します。
  • ステップ2. リンク切れを見つけた場合は、Wayback Machine(インターネットアーカイブ) を使ってそのリンク切れとなったURLの過去のコンテンツを調査します。
  • ステップ3. リンク切れとなったページと同等またはそれ以上の価値を持つ自社サイトのページを提案します。

⑮外部サイトのウェブ記事を監修

施策内容:
外部サイトのウェブ記事を監修し、監修者プロフィール欄に自社サイトへのリンクを掲載してもらいます。

ウェブ記事を専門家に監修してもらうことで、専門性や権威性を高め、ページ全体の信頼性を向上させることができます。監修記事のプロフィール欄に専門家のリンクを設置することで、専門家側は被リンクを獲得でき、運営サイト側はE-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)の向上に繋がるため、両者にとってメリットがある「Win-Win」の施策といえます。

もし自社内に「専門家」と言える立場の方がいる場合、業界内で影響力のあるメディアやウェブサイトから依頼があれば、それを受けて監修を行います。依頼がない場合でも、自社から積極的に提案し、監修の機会を創出することが重要です。

⑯共催セミナーに参加

施策内容:
共催セミナーに登壇し、共催の他社様のウェブサイトに自社サイトのリンクの設置を依頼します。

セミナーの告知ページや参加者への配布資料に自社サイトのリンクを設置してもらうことで、被リンクを獲得できます。

共催セミナーへの参加は、自社のブランディングや認知度拡大、リード獲得を目的としていますが、それに加えて被リンクを得られるという付加的なメリットもあります。交渉段階で自社サイトのリンク掲載を提案することで、被リンク施策の1つになります。

新規コンテンツの作成

⑰権威性のあるメディアやサイトに寄稿する

施策内容:
業界内で影響力のあるメディアや専門サイトに寄稿し、寄稿した記事に自社サイトの関連ページへのリンクを設置することで、信頼性の高い被リンクを獲得できます。

業界で権威性のあるメディアや専門サイトに寄稿することは、SEOにおいて非常に効果的な施策です。寄稿を通じて被リンクを獲得できると同時に、専門知識を広く周知し、業界内での認知度を向上させることが期待されます。

特に、業界内で影響力のあるメディアに掲載されることで、長期間にわたり記事が多くのユーザーにアクセスされ続け、SEOに良い影響をもたらします。

⑱著名人や専門家のインタビュー記事を自社サイトに掲載する

施策内容:
著名人や専門家にインタビューを行い、その記事を自社サイトに掲載することで被リンク獲得を図ります。

インタビュー記事は、専門家や著名人との対話を通じて、信頼性や権威性のあるコンテンツであることをアピールする方法です。業界で影響力を持つ人物を取り上げることで、他のメディアやウェブサイトからのリンクが期待できます。

そのような著名人や専門家はインタビュー依頼すれば簡単に答えてくれるわけではないため、依頼する際には、相手にとってのメリットや誠意を伝えることが重要です。

自社内運用

⑲自社内で複数のドメインで複数のサイトを運用している場合、相互リンクを設置する

施策内容:
自社内で複数のドメインで複数のサイトを運用している場合、関連性が高いサイトやページ同士で適切な相互リンクを設置します。

複数のドメインを運用している場合、それらのサイト間で相互リンクを設置することで、サイト全体のSEO評価を向上させることができます。

例えば運営元が同じで似た性質を持つサイトであれば、フッターに網羅してリンク設置すると被リンクを獲得でき、さらにリンクを経由して別ドメインのサービスへ誘導することもできます。

ただし、過剰な相互リンクは不自然なリンクと見なされる可能性があるため、自然な形でのリンク設置が重要です。関連したサイト同士で適切なリンクを設置し、ユーザーが自然に行き来できる導線を整えることで、相互にトラフィックを増やすことができます。

⑳求人サイトに出稿すると同時に、自社サイトのリンク掲載も依頼する

施策内容:
求人サイトに自社の求人情報を掲載する際、自社サイトへのリンク設置を依頼します。

求人サイトへの出稿は、採用活動の一環として行われることが多いですが、同時に被リンクを獲得する機会としても活用できます。特に、求人サイトはドメインオーソリティが高いケースが多く、nofollow属性がついていることが多いですが、被リンク施策の1つでもあります。

被リンクを獲得する上での注意点

質の悪い被リンクを防ぐ

低品質な被リンクは、検索エンジンの評価を下げるリスクがあります。特に、リンクファームやスパムサイトからの被リンクは、SEOに悪影響を及ぼす可能性があるため、見つけたら否認したほうがいいです。

―リンクファームとは?

リンクファームとは、SEO目的で作られた不自然なリンクネットワークのことを指します。これらのサイトは互いに大量のリンクを貼ることで検索順位を不正に操作しようとしますが、Googleのアルゴリズムによってスパムと判断されることが多く、関与するとペナルティを受けるリスクがあります。

―スパムサイトとは?

スパムサイトは、ほとんど参考価値がない低品質なコンテンツや自動生成されたページで構成されており、ユーザーにとって価値のないサイトです。こうしたサイトからの被リンクは、サイトのSEO評価が下がる要因になるため、可能な限り排除するべきです。

―被リンクを否認する方法

Googleサーチコンソールで否認ツールを提供しています。以下の手順で否認することができます。

  • 手順1. 否認するサイトを特定する
  • 手順2. 否認リストを作成する
  • 手順3. 否認リストをアップロードする

■手順1. 否認するサイトを特定する

Googleサーチコンソールの管理画面の左側のメニューから「リンク」をクリックし、「上位のリンクされているページ」や「上位のリンク元サイト」の「詳細」をクリックすると、現在どのようなサイトから被リンクを獲得しているかを確認できます。

その中に怪しいサイトがあればピックアップします。

■手順2. 否認リストを作成する

怪しいサイトやページをピックアップしたら、テキストファイルで否認リストを作成します。

メモ帳でテキストファイルを保存することができます。

テキストファイルを作成する際のポイント

  • 1行に1つのURLを記載する
  • 特定のドメインやサブドメインからのすべての被リンクを否認する場合は、「domain:~~~」の形式で記載
  • ファイル名の末尾(拡張子)は .txt にする
  • ファイルの種類は「テキストドキュメント(*.txt)」にする
  • エンコードは「UTF-8」 または「 7-bit ASCII」にする

■手順3. 否認リストをアップロードする

Googleサーチコンソールが提供している否認ツールに、否認リストをアップロードします。

定期的に被リンクを監査し、SEOへの悪影響を防ぐことができます。

参考:サイトへのリンクを否認する – Search Console ヘルプ

評価を渡さないリンク属性かどうか知っておく

検索エンジンは通常、ウェブページ間のリンクを評価し、リンク元からリンク先のサイトへ評価を渡し検索ランキングに良い影響を与えます。しかし、特定のリンクには「評価を渡さない」ように指示することができます。これは、検索エンジンに対して、そのリンクがランキングの評価基準に含まれないようにするための設定です。

リンク属性とは、ウェブページにあるリンクに追加で情報をつけるためのもので、ウェブページを作るときに使われる言語「HTML」で設定します。

nofollow属性、sponsored属性、ugc属性が付与された被リンクは「評価を渡さない」リンクとして機能します。被リンクとしての価値が下がりますが、サイテーションが多ければ多いほどSEO上プラスに働くため、ないより良いとされています。

参考:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル | ドキュメント

Google検索セントラルの表現:

  • ランキング クレジットをブロック=評価を渡さない
  • ランキング クレジットを転送する=評価を渡す
リンク属性 コード 使用場面
nofollow属性 rel=”nofollow” リンク先をランキング評価対象とさせたくない場合に使用する。
sponsored属性 rel=”sponsored” リンクが広告やスポンサーシップによるもので、有料リンクであることを示す場合に使用する。
ugc属性 rel=”ugc” リンクがユーザーによるコンテンツから生じたもので、自動的に信頼性を制限したい場合に使用する。

 

nofollow属性

nofollow属性は、リンクに付与することで、検索エンジンに対して「このリンクを評価しないでほしい」と指示するためのHTML属性です。nofollowが付与されたリンクは、検索エンジンが評価対象としないため、リンク先のページのSEOに直接影響を与えません。

使用例として以下のようなところが考えられます。

  • コメント欄やフォーラムのユーザー投稿リンク
  • 広告やPR目的のリンク
  • 信頼性が不明な外部サイトへのリンク

自社の被リンク施策の中では不利なことになりますが、適切な場面でnofollow属性を活用することで、SEOの健全性を維持しつつ、不正なリンクが評価されるリスクを回避できます。

HTMLコード:

<a href="https://example.com" rel="nofollow">アンカーテキスト</a>

 

sponsored属性

Googleのスパムポリシーでは、有料リンクには必ずsponsored属性またはnofollow属性を付与し、ランキング クレジットをブロックする(評価を渡さないようにする)ことが求められています。

広告であるにもかかわらず、消費者にその事実を隠して販促・宣伝を行うことは「ステマ」(ステルスマーケティング)と呼ばれており、最近では消費者庁の「ステマ規制」により、そのような悪質な手法が減少しました。

SEOにおいても、そのような透明性が求められるようになり、有料なのに広告であることを検索エンジンに隠すことはGoogleスパムポリシー違反になります。

HTMLコード:

<a href="https://example.com" rel="sponsored">アンカーテキスト</a>

 

ugc属性

UGC(User Generated Content)属性は、ユーザーが作成したコンテンツ(例:ブログのコメント、フォーラムの投稿、レビューサイトの評価など)に付与することで、検索エンジンに対して「このリンクはサイト運営者が意図して設置したものではない」ことを伝えるためのHTML属性です。

使用例として以下のようなところが考えられます。

  • コメント欄やフォーラムの投稿
  • ユーザーが自由にリンクを投稿できるコンテンツプラットフォーム

HTMLコード:

<a href="https://example.com" rel="ugc">アンカーテキスト</a>

 

被リンクを確認できるツール

被リンク対策をするにあたって、今どれくらい被リンク数を獲得できているのか、どのようなサイトからの被リンクが多いのか、競合と比べて多いのか少ないのかなど「現状」を知る必要があります。また、施策を実行したら、被リンクが思う通りに増えたかどうかのモニタリングが必要です。ここでは被リンクを確認するためのツールをご紹介します。

Google Search Console(サーチコンソール)

Googleサーチコンソールの管理画面の左側のメニューから「リンク」をクリックすると、「外部リンク」と「内部リンク」をそれぞれ確認できます。被リンクは「外部リンク」になりますので、「外部リンク」のところから確認できます。

「外部リンク」内には「上位のリンクされているページ」「上位のリンク元サイト」「上位のリンク元テキスト」の3つのレポートがあります。

■上位のリンクされているページ

「上位のリンクされているページ」では、自社サイトのページがどのサイトからどれくらい被リンクを獲得できているかを確認できます。「ターゲットページ」は自社サイトのURLで、「参照リンク」は外部サイトのURL数、「リンクしているサイト」は外部サイトの数が表示されています。

ターゲットページをさらにクリックすると、「このページにリンクしている上位のサイト」の詳細が表示されます。

さらに、サイトをクリックすると、その外部サイトが自社の該当URLをリンクしているすべてのURLが表示されます。

■上位のリンク元サイト

「上位のリンク元サイト」では、外部サイトが自社のどのページにリンクを貼っているかを確認できます。サイトをクリックすると、そのサイトが自社サイトのどのページのリンクを貼っているのかを確認できます。

さらにターゲットページをクリックすると、その自社サイトのURLがその外部サイトのどのURLからリンクを貼られているのかを確認できます。

「上位のリンクされているページ」と「上位のリンク元サイト」の2つのレポートの違いは、主語の違いにあると考えていただければと思います。

「上位のリンクされているページ」→自社ページがどこから?
「上位のリンク元サイト」→外部から自社の何が?

■上位のリンク元テキスト

「上位のリンク元テキスト」では、どのようなアンカーテキストでリンクが張られているのかを確認できます。

アンカーテキストとは、テキスト形式のリンクの文言のことです。

例えば、

「株式会社プリンシプルのSEOコンサルティングについて詳しく知りたい方はこちら。」

この青くなっている「こちら」という文言がアンカーテキストになります。

Semrush(セムラッシュ)

SEO分析ツール「Semrush(セムラッシュ)」
SEO分析ツール「Semrush(セムラッシュ)

Semrushは有料のSEO分析ツールです。無料で利用可能なGoogleサーチコンソールとは異なり、自社サイトだけではなく、競合他社サイトの被リンク状況を調査することが可能です。

Ahrefs(エイチレフス)

AhrefsはSemrushと同じように、自社と競合他社サイトの被リンク状況を調査できます。

引用元:Ahrefs
引用元:Ahrefs

被リンクを増やすための営業フロー

被リンク営業の進め方としては以下の3ステップです。

ステップ1. 被リンク営業のターゲットサイトリストの作成

まずAhrefsやSEMRushなどのSEO分析ツールを使って、競合と自社の被リンクを取得します。そして、競合の獲得している被リンクのうち、自社が獲得できていないものを洗い出します。その中から、権威性が高いサイトや自社でも獲得する可能性が高いサイトをリストアップします。

ステップ2. 相手にとっての「WIN」を考える

被リンクを貼ってもらうことは、相手にとっても労力がかかります。相手の立場から考えて、懸念点を解消させたり、自社リンクを貼ることによって得られるメリットを伝えることで、協力してもらえる可能性が高まります。

ステップ3. 提案内容ごとのメッセージの作成しアプローチ

具体的な提案内容を提案書に作成できたら、メール、電話、問い合わせフォーム、SNSのDMなどで、アプローチします。

インタビュー記事提案

[ターゲットサイトの名前] のご担当者様

はじめまして。[自社名]の○○と申します。

貴サイトを拝見し、非常に有益な情報を発信されていると感じました。

弊社では、業界の専門家や企業の担当者にインタビューを行い、実践的な知見を共有するコンテンツを制作しております。貴社の専門知識をより多くの方に知っていただく機会として、ぜひインタビュー記事のご協力をお願いできればと考えております。

ご興味をお持ちいただけましたら、詳細をお伝えさせていただきますので、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

何卒よろしくお願いいたします。

相互リンク提案

[ターゲットサイトの名前] のご担当者様

はじめまして。[自社名]の○○と申します。

貴社のウェブサイト[相手のサイトURL]を拝見し、弊社サイト[自社サイトURL]と非常に親和性が高いと感じました。弊社サイトでは[対象コンテンツ]について情報発信をしており、貴サイトの読者様にも有益な情報をご提供できると考えております。

もし可能でしたら、相互にリンクを設置し、双方のSEO強化とユーザーへの価値提供を図る施策をご検討いただけますでしょうか?

ご興味がございましたら、詳細をご相談できればと思います。ご検討のほど、よろしくお願いいたします。

寄稿提案

[ターゲットサイトの名前] のご担当者様

はじめまして。[自社名]の○○と申します。

貴サイトの[対象カテゴリ・記事]を拝見し、大変参考になりました。弊社でも[関連分野]についての知見があり、貴サイトの読者様にとって有益な記事を寄稿できると考えております。

具体的には、[提案する記事タイトルや内容の簡単な概要]といった内容で執筆を検討しております。

もしご興味をお持ちいただけましたら、詳細を調整させていただければと思います。ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします。

まとめ

本記事では、被リンク施策20選をご紹介しました。各施策を自社サイトに活用しながら、自然で高品質な被リンクを獲得していきましょう。もし施策の実施にあたり不明点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

お気軽にご質問、ご相談ください

胡 必馨(コ ヒツケイ)

SEOコンサルタント。海外の大学院卒業後プリンシプルに入社。現在はコンテンツ領域を中心としたSEOコンサル支援を行う。

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