さる7月24日(水)から26日(金)の3日間、弊社恒例の夏の大型集合ウェビナーイベント「The Principle Week 2024」が行われました。
各セッションをご視聴いただいた皆様、大変ありがとうございました。過去最大規模での運営、社内メンバーも大変お疲れ様でした。
私も人材事業チームとして登壇しましたので、その際の内容や補完をテキストでまとめておきたいと思います。動画よりも文章で読む派の方に届けば幸いに存じます。
なぜプリンシプルが人材の話なのか
デジタルマーケの支援会社であるプリンシプルが、なぜデジタルマーケティング人材の不足について語るのか、という話をしました。挙げた理由は大きく2点です。
- デジタルマーケティングの遂行にあたり、(弊社のような支援会社を入れているにしても)そもそもの社員としての担当者不足がネックになるケースが増えている。
- 「難航する採用」という課題に対して、デジタルマーケティング人材についてであれば、現場にいる弊社であれば解決できると考えている。
社内の担当者不足を裏付けるデータとして、マーケメディアによる、経営層が感じるデジタルマーケティング人材の重要性と現状の不充足感を表す調査結果や、弊社の19社19名に対して実施したフィールドワークで得たデジタルマーケティング人材市場の枯渇感を表すコメントを紹介しました。
MARKETIMES(マーケタイムズ)国内企業のデジタルマーケティング実態調査2023年/2024年
また、人材供給側の会社へのヒアリングで得られた、提示される求人の条件が非現実的で探しようがないという声や、トレンドの変わりやすい業界ならではの必要な人材要件の変化の速さを嘆く声を提示しました。
弊社は、2011年の創業以来、弊社の人員自体がデジタルマーケティング人材であり、相対してきたお客様の大半がデジタルマーケティング人材です。
そのような経緯および経験を持つ弊社なら、デジタルマーケティング人材に関することであれば、上記のような(本当はそこまでのスペックは要らないかも知れない)求人条件を正しく直すことや、トレンドをキャッチアップすることにより人材要件を定義することで採用課題を解決することができる、という話をしました。
少しだけ脱線
時間の都合上カットした話題が、お客様からよく問われる「コンサルタントを『売る』プリンシプルが、社員の採用を促してしまって良いの?」という話です。これは、ビジネスとしての心配をくださっている観点と、スタンスを問うている観点とがあると思います。
前提として、弊社は外注を否定しているものではありません(本業がなくなってしまう)。また、先のマーケメディアの別の調査でも、デジタルマーケでは外注と内製はおよそ半々という結果が出ており、いずれかに大幅に偏るものでもないと考えています。
MARKETIMES(マーケタイムズ)国内企業のデジタルマーケティング実態調査2023年/2024年
そのうえで、我々は事業のコアを担う人材は社員であるべきと考えており、先の問いにもそのようにお答えしています。
逆に、それ以外はすべて外注でも良いのですが、事業の価値をもっとも把握し、誰にどのように売るべきかを把握している人物は外注ではままならないはずです(それでも短期的な不在を埋めるのが外注というケースもあります)。
採用がうまくいかない理由
次に、「採用ができない」という状態の解像度を上げるべく、なぜ採用がうまくいかないのかを細分化する話をしました。
人が転職するときの決め手は「仕事内容(が希望するものだった)」が首位です。よく考えると面白みのない結果ですが、「仕事内容」だとあまりに広いので、仮に私アカウントのChatGPTに細分化させると以下の通りでした。
これらは求人票のフォーマットにもよく記載欄がある項目です。つまり、これらの項目を適切に読み手に届ければ採用は成功する確率を上げられる、という主張がこのパートのメインです。ポイントとして以下2点を挙げました。
- 解像度
- ベネフィットの提示
それぞれに対して、仕事内容の提示がうまくいっていない2つの例を挙げました。
仕事内容の解像度の例
解像度が低い例として、求人内容としても非常に多い「広告運用経験」に関する例を挙げました。
Web広告と一言で言ってもプランニングと運用で随分と業務内容が異なります。
- 運用経験のあるプランナーが必要なのか、運用経験のないプランナーでも充足するのか
- 必ずしもプランニングの方が運用よりも重要性が高いわけではなく、運用者こそが必要なのか
このような解像度をあげないと採用がままならず、仮に採用できても高値づかみをしてしまうケースもあり、避けなければなりません。
この問題は、「マーケティング業務」という言葉のある種の曖昧さにも起因すると考えられます。マーケティング部門の中が実質営業部隊で構成されている、というケースは多く存在します。
仕事内容のベネフィット提示の例
もうひとつ、記載内容が、読み手のベネフィットにつながっていない例を挙げました。
必要なスキルや資格を羅列するだけではベネフィットの提示が不十分です。(Word・Excelまでとは言いませんが)スキルや経験を活かせる仕事環境を訴求するためには、「どの場面で、具体的に何をどのように活かせるのか」を求人情報に表現し、エージェントに言い含める必要があります。
解決策の提案
上記に挙げた求人票の羅列表現に対しては、解像度を上げて求職者の視点に立った表現に生まれ変わらせる必要があります。このことを、顧客を十分に理解して情報を提供するマーケティングになぞらえて説明しました。
弊社で調査したデジタルマーケティング職の就業環境調査 結果はこちら
事実、デジタルマーケティング職はまだ完全に定義されておらず、かつ専門職の色合いが強いため、企業によっては同職の採用一次受けを人事部門から切り離して事業部門で受け持っていることもあります。ですが、それはそれで事業部門に採用責任者を立てねばならず、運用の苦労が偲ばれます。
冒頭の通り、弊社はデジタルマーケティング人材のことは歴史上よく理解しています。その経験から、デジタルマーケティングの人材評価を8つの職務 × 各職能(実行能力+ツール習熟度)に分解する評価体系を用い、デジタルマーケ業務を細分化し解像度を上げることで、必要な人材要件の定義と求人票の作成を支援するサービスを開始しました。
求人票の作成支援を含め、採用成功報酬型です。ぜひ、採用の解像度を上げるために専門家を入れる、という選択肢を加えていただけると幸いです。
デジタルマーケティング人材採用支援・人材紹介 ページはこちら
■参考リンク
国内企業のデジタルマーケティング実態調査2023年/2024年
https://marketimes.jp/digital-marketing-research-2023-2024/
転職の決め手に関するアンケート調査
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2302/27/news111.html
転職先の決め手に関する意識調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000041309.html
IT人材の最新動向と将来推計に関する調査
https://www.mizuho-rt.co.jp/case/research/jinzai2016.html
求人サイト・求人票に関する調査
https://www.dodadsj.com/content/200212_job-board/
人事部門の課題・興味関心サービスに関するアンケート
https://www.manegy.com/news/detail/7288/