2024年5月28日に「【マーケター必見】明日から実践できる!マーケティング施策を改善するデータ活用の全体像とポイント」というテーマでウェビナーを開催しました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました!
この記事では、本ウェビナーの内容をまとめます。
〈こんな方にオススメ〉
- データ分析ツールを導入しているが、マーケティングに活かしきれていない方
- データ活用の必要性は感じるが、何をすれば良いか分からない方
本ウェビナーでは、データ活用のための全体像および、複数データを活用したマーケティングデータ可視化事例をご紹介しました。
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データ活⽤の重要性と全体像
まず、なぜデータ活用が重要であるかを考えてみましょう。大きな理由の1つが、自社のマーケティング施策において、⾃社の顧客を理解することが従来以上に求められるようになったことだと考えています。
3rd Party Cookie廃⽌の動き
近年、個⼈情報保護に関する話題は流れがあり、「3rd Party Cookie」廃⽌の動きは加速しつつあります。
従来の3rd Party Cookieを活⽤したリマーケティング施策では、マーケティング成果の悪化が⾒込まれています。そのため、⾃社データ(1st Party Data)を活⽤したマーケティング活動の⾒直しが求められます。
- 2017年〜:AppleブラウザのSafariでITP(Intelligent Tracking Prevention)を搭載し、ドメインを横断するトラッキングを防⽌
- 2020年3⽉:Safariにて3rd Party Cookieをデフォルト設定でブロック
- 2024年1⽉4⽇〜:Chromeのユーザー1%に対して、3rd Party Cookieの利⽤を無効にするテストを開始
※2024年4⽉23⽇、Googleは3度⽬の3rd Party Cookie廃⽌延期のお知らせを出したが、廃⽌の動きは進⾏
これらの動きにより、さらに本質的なマーケティング活動が必要となりました。
顧客を徹底的に理解した本質的な戦略/戦術が必要に
また、本質的なマーケティング戦略/戦術を⽴案するには、徹底した顧客理解が重要と考えます。
こちらに関して十分に考えきれていない企業も多いのではないかと思います。その背景には、日々のKPI達成のための活動が忙しい、必要なデータ・分析項目が整理しきれていない、分析に必要なデータが揃っていない、といった事情もよくお伺いします。
しかしながら、やはり実際のお客様を徹底的に理解し、売上拡⼤に繋がる戦略/戦術⽴案は欠かせないものです。
顧客理解の手法として、データを見る機会があるかと思います。
⾏動調査レポートを見ていると、お客様はさまざまな媒体で情報収集していることが分かります。しかし、そこから「⾃社のお客様は結局どうなのか?」を考えるには、情報がマクロすぎて落とし込むことが難しいのではないかと思います。
データ活⽤が顧客理解のヒントになるのではないか
そこで、⾃社のデータを活⽤することで、顧客理解のヒントとなる情報が⾒えてきます。
以下の図は、弊社で⽀援させていただいた、店舗、EC両⽅を展開されているお客様の解析プロジェクトの⼀部です。データ基盤から会員ごとの売上、購入単価、LTVを抽出しました。
ここでは初回購入場所がECサイトなのか、店舗なのか等の観点でそれぞれデータを見ていきました。その結果、初回店舗購入のお客様のLTVが高いということが分かりました。
このようなデータから、顧客理解のための仮説を作ることができます。
例:
- 初回店舗購⼊のお客様のLTVが⾼い背景は︖
- その中でもとくに購⼊いただいているお客様の特徴は︖
- LTVが⾼いお客様は、どのようなきっかけで購⼊いただいているのか︖
- どんな使い⽅をしているのか︖どんなシーンで︖
このような仮説をもとに検証(定性調査や深堀り分析)することで顧客理解をさらに深めることができます。
お客様の行動が複雑化している現代において、データ活用は自社の顧客の解像度を上げる手段の1つとなっています。
データ活⽤の⼀般的な全体像
以下に一般的なデータ活用の全体像をまとめました。
各種データをデータ基盤に統合し、必要な情報をデータマート化します。それらを、ダッシュボード上の分析・モニタリングや、広告の配信等に活かしていきます。
クラウド化に伴いデータ活⽤のハードルは低下
これらのデータ基盤の開発や、各種ツールの導入にコストがかかると思われがちですが、近年はクラウド化の浸透により、⽐較的低コスト/低⼯数でデータ活⽤の全体像を実現しやすくなってきています。
ツールは数多くありますが、本ウェビナーでは、ダッシュボード分析のためのツール「Tableau」のデータ可視化事例と、データ基盤に関して注目を集める「snowflake」について詳しくお話ししました。
データ活⽤の全体像可視化〜マーケティングデータ可視化事例〜
Tableauとは
Tableauは、ビジネスインテリジェンスやデータ可視化のためのソフトウェアです。
PDCAのC(Check)にあたる、実績確認や分析において役⽴ち、PDCAを向上させます。また、市場での利⽤数も多く検索トレンドではもっとも⾼いスコアを維持しています。
Tableauが使われる理由を以下3つにまとめてみました。
- 直観的かつ柔軟なビジュアライゼーション
データを直感的かつ視覚的に理解しやすい形で可視化が可能 - インタラクティブ分析
ユーザーの操作に連動し探索分析が可能
選択に合わせたデータの変動など、相関性の把握や⽐較が可能 - ⾼いパフォーマンス
数百万⾏のデータを問題なく扱うことが可能
データを圧縮し抽出することでパフォーマンス最適化が可能
マーケティングダッシュボード事例
本ウェビナーでは、弊社がご支援した、販促広告分析のダッシュボード事例についてご紹介しました。以下は、広告データ(Google)×サイトデータ(GA4)を統合したダッシュボードです。
業態:⼩売EC
利⽤者:広告分析者
ミッション:以下の図の広告KPIに基づき広告の最適化を⽬指す
広告担当者が抱える課題には、以下の2点がありました。
①PDCAの加速
②広告管理画⾯上での分析制限
①PDCAの加速
管理画⾯上の表形式での数値の確認や分析に時間がかかってしまう
- 場合によってはExcelレポートで確認しながら分析も…
- データを深堀するには都度データセットを作成する必要がある…
このような課題を解決するために、Tableauで視覚的にわかりやすく表⽰し、分析の効率化を⽬指しました。
② 広告管理画⾯上での分析制限
制限1:Google広告の管理画⾯上では要因分析が難しく、コンバージョンの値のみの把握にとどまる
コンバージョンが悪い場合、
- 広告の成果がよくないのか︖
- ランディングページがよくないのか︖
- 広告とランディングページの組み合わせの問題︖
- サイト内のファネル離脱が多すぎるのか︖
というような疑問も生まれるでしょう。
この時、コンバージョンの値のみ把握している状況では、コンバージョンに基づく広告の良し悪しを判断しかねる状態になり、課題箇所があいまいでアクションに移せないという事態に陥ります。
コンバージョンの広告の良し悪しは、サイト側も含めて判断する必要があります。そこで、広告データとサイトデータを連携し、問題の要因を明確化することでActionへつなげることを⽬指します。
制限2:Google広告の管理画⾯上では合算されたコンバージョンしか⾒れない
Google広告では⼊札戦略としてVBB(Value Based
Bidding)が使われており、キャンペーンの最適化⽬標として複数種類のコンバージョン(サービス資料請求や商談、契約など)を設定可能です。しかしながら、それらをすべて統合したコンバージョン値しか見られず、各契約におけるコンバージョンを見ることができない状況でした。
VBBとは特定のアクションやコンバージョンの「価値」に基づいて⼊札額を調整する⼿法です。これにより、広告費を効率的に運⽤し、より⾼いコンバージョンを獲得できるよう最適化されます。
上記の場合広告管理画⾯上では1件当たりのコンバージョンが不明です。コンバージョン単価を平均値12,500と認識し⾚字が出ていることに気づけません。
キャンペーンをしっかり評価するには「コンバージョンファネルの各段階における指標」と「個々のコンバージョンにおける価値」の把握が必要です。広告データとサイトデータを連携することで、これらのデータの取得・分析を実現します。
セミナー本編では、デモデータを用いた広告モニタリングダッシュボードの操作もお見せしました。ご興味のある方は、ぜひ講演資料・動画をご覧ください。
まとめ
本ウェビナーのポイントは以下の3点です。
- データは組み合わせることで分析の幅を広げる
広告データ×サイトデータでコンバージョンの要因分析やファネルごとの評価が可能になります - Tableauで可視化することで直観的に気づきを得る
データの可視化により、⾊や⼤きさ、位置など視覚的にわかりやすくすることでPDCAを回しやすくなります - インタラクティブな分析で相関などの分析の深みを出せる
ユーザーの操作に連動し探索分析が可能になります
選択に応じた相関性の把握や⽐較が可能になります
他にもTableauでのDX化・PDCAの向上を効果的にするには、データの⾃動更新化・ ⽣成AIによるインサイト創出など、データの整備が不可⽋です。
セミナー本編では、第二部:インテージテクノスフィア社よりSnowflakeについてもお話しいただきました。続きはぜひ講演資料・動画をご覧ください。
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また、弊社ではデータ統合やTableau、 LookerStudioに関するご支援を多数行っております。お困りごとがある際は、いつでもお気軽にお問い合わせください。