去る5月9日にウェビナー「GA4活用で成果に繋げる!押さえておきたい Googleが描くマーケティング最適化の未来」を開催いたしました。たくさんの方にご視聴いただき、誠にありがとうございました!

この記事では本ウェビナーの内容をまとめます。自社のマーケティングにおいて、GA4(Googleアナリティクス4)をどのように活用して成果につなげていけばよいのかお悩みの方は、ぜひご覧ください。

本ウェビナーの講演資料と講演動画は、下記リンクより受け取れます。こちらの資料・動画では事例についてもご覧いただけます。

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1.GA4が実現するジャーニー最適化とは

GA4では「セッション軸」から「ユーザー軸」へと変化したツールだと言われています。

これまでは「セッション軸」を追いかけてきましたが、GA4では「ユーザー軸」で顧客のフルジャーニーを最適化することを最終ゴールとしています。本ウェビナーでは、ユーザー軸でのジャーニー最適化とは何か、Googleが目指すマーケティングの未来についてお話しました。

GAのデータスコープ

GAには主に「ユーザー軸」「セッション軸」「イベント軸」の3つのスコープがあります。「◯◯軸」「スコープ」とは、データを捉える単位のことを示します。以下はデータのスコープの概念を表した図です。

  • イベント軸:最も細かい粒度で、ユーザーのサイト上での一つ一つの細かい行動に着目
  • セッション軸:それぞれの来訪単位でデータを捉える
  • ユーザー軸:ユーザーのジャーニー全体に着目

これまで追いかけていた「セッション軸」では流入時のメディアごとの流入数、CV数、CVR等、データをセッション単位に分解して評価していました。

GA4ではジャーニー全体を評価

一方、GA4で追いかけていく「ユーザー軸」でデータを見るときは、ユーザーのジャーニー全体を捉えて、以下の図のように施策を評価します。

時代の変化と共に、ツールも変化していきます。現在は、ユーザーがプラットフォームやデバイスを跨ぐ行動が増えてきたり、中長期的なマーケティングでユーザーと継続的な関係性を築くことが大切とされたりするようになってきました。

「GA4ではセッション軸でデータを見ない」というわけではないのですが、GA4の登場で、ユーザー軸のデータをもとに、顧客のジャーニー上の行動・心理の理解を深め、中長期でエンゲージメントを高めるためのPDCAを回していくという本質的な取り組みに一歩近づいたと考えます。

また、GA4のもう1つの重要なコンセプトは、Google が開発してきた機械学習のテクノロジーを利用して、分析や予測した結果をジャーニー改善のアクションにつなげやすくすることです。将来的には、そういった機能もさらに拡充される見込みです。

GA4のコンセプトや機能を理解した上で、GA4を最大限活用して自社の顧客のフルジャーニー最適化に挑戦していけるのが良いでしょう。

2. GA4導入~活用の理想的な進め方

以下はGA4の移行の進め方を示したロードマップです。改めて自社マーケ上の課題に立ち戻って、課題から逆算したデータ活用を考えていくのが、GA4活用を軌道に乗せる近道です。

ステップは大まかに分けると以下4つです。

  • ①簡易基盤移行:できる限り早く、GA4タグを実装し、最低限の設定を行う
  • ②GA4活用設計:自社の顧客のジャーニーや 課題を整理し、GA4のあるべき活用の姿を打ち立てる
  • ③GA4基盤拡張:GA4の追加実装を行い、以降のマーケティングPDCA サイクルの基盤を作る
  • ④データ活用:GA4データに基づく施策の改善サイクルを形成する

次章で ②GA4活用設計について、より詳しく解説します。

3.GA4活用設計の考え方

GA4への移行自体は比較的簡単にできますが、その後データを活用してマーケティング改善に乗せていくことに難しさを感じている、というのが多くの現場の実情です。その課題を乗り越えるために活用設計のプロセスが重要となります。

活用設計では、自社のデジタルマーケティングの現状を整理した上で、活用の方向性を定めていきます。その工程において特に重要なポイントは、以下の3つです。

  • ①顧客像・ジャーニー可視化
  • ②KPI定義
  • ③レポーティング設計

本ウェビナーでは3つのポイントについて、手順を詳しく解説しました。

①顧客像・ジャーニー可視化

まず、自社における重要な顧客像、理想的なジャーニーを整理することから始めます。

どんなニーズを持っていて、どんな属性のユーザーを顧客として重要視するのかを考えます。そのようなユーザーが自社のどのサービスや商品を、どんな接点でどんな軸を持って購入を検討するのか、という観点で大まかに整理できれば十分です。

次に、顧客が自社を認知してから優良顧客になるまでの理想のジャーニーを可視化してみましょう。

「認知・興味関心→比較検討→購入→商品到達→シェア・再訪」というような各フェーズにおける心理やタッチポイント、行動について整理していきます。また、サイトへの流入経路やCV期間やセッション回数等の定量データをUA(ユニバーサルアナリティクス)で確認することで、ジャーニー上のCVまでの接点や動きを整理すると良いでしょう。

加えて、顧客像やジャーニーを整理する際には、担当者が単独で検討するよりも、顧客のジャーニーに関わる他の部門(ECサイトの場合はコールセンター、リード獲得サイトの場合は営業担当者等)も巻き込んで一緒に進めるのが理想的です。直接顧客とコミュニケーションをとっている部門の意見を聞くことで、ユーザー像やジャーニーの精度が上がるでしょう。

②KPI定義

次に、理想のジャーニーを目指す上で、現状どんな課題があるのかを整理し、その課題を解決する上でどのような取り組みを実施していくべきかを考えます。そして、それらの施策の成果を測るKPIを設定します。

理想的なジャーニー最適化の観点で、現状の課題と今後取り組むべき施策を整理し、今後の課題・施策から逆算して、重要な指標にブレイクダウンしていけると良いでしょう。

③レポーティング設計

取り組むべき指標やKPIが整理できたらレポーティング設計を行います。定点レポートではどういった項目を確認していくか、実施施策の成果の検証としてどういったアドホック分析が想定されるかを整理します。

GA4の標準・探索レポート以外に、Looker StudioやTableau等のBIツールを使用する等、自社に合わせたレポーティング手段を選択しましょう。詳細な手順や考え方を知りたい方はぜひ講演資料・動画でご確認ください。

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これら3つのポイントを押さえてKPI定義やレポーティング設計が完了すると、必要なデータ基盤が明確になります。不足しているデータがあればデータ基盤の拡張を行い、データの活用を進めていくという流れが理想的であると考えています。

一方で、そういった理想のロードマップ像はあるものの、担当者がGA4を学び始めたタイミングで自社にとって最適なGA4の設計や実装を完成させるのが難しいケースもあるかと思います。その場合は、自社の優先度の高い課題から活用設計〜データ活用の実践を小さく繰り返し、PDCAを回しながらトライアンドエラーで進めていくとよいでしょう。

また、弊社ではGA4実装〜データ活用まで一気通貫の伴奏型でご支援を行っております。ご興味がある方はお気軽にお問合せください。

4. まとめ

本ウェビナーでは、自社のマーケティングにおいて、GA4を具体的にどのように活用して成果につなげていけばよいのかイメージをつかんでいただくため、GA4活用を軌道に乗せるまでのロードマップを事例も交えてご紹介しました。

〈本ウェビナーはこんな方にオススメ〉

  • 自社サイトの収益拡大をミッションとしているWeb担当者
  • GA4を導入後に、成果改善への活かし方を模索している方
  • 一過性のコンバージョン刈取り型から抜け出せていない方

本記事ではご紹介しきれなかった内容もありますので、ご興味のある方は下記リンクよりウェビナーの講演資料・動画をご覧ください。

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杉岡詩菜

2021年4月、新卒でプリンシプルに入社。クライアントディビジョンでマーケティングを担当している。

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