広告運用に携わる方々は既にご存知の情報かと存じますが、Yahoo!にてレスポンシブ検索広告(以下「RAS」と称する)の導入が開始しました。
そこで今回、Yahoo!が推奨しているRASの活用方法や運用手法等をまとめました。これから導入予定・まだ導入していない方の一助となれば幸いです。
記事の内容
- RASの機能と利点
- RAS活用の目的と訴求イメージ
- 推奨されるRAS運用方法
RASの機能と利点
これまではリスティング広告で配信できる広告タイプは、拡大テキスト広告(以下「ETA」と称する)という「タイトル1,2,3+説明文1,2」で構成される広告のみでした。ここに今回新しく追加されたのがRASです。
RASでは、タイトル・説明文を構成するテキスト(アセット)を複数入稿することができます。複数のアセットを自動的に組み合わせてさまざまな広告文のテストが行われ、最適な広告が掲載されるようになります。
検索語句と広告文の関連性や、広告掲載時のデバイスや掲載面などを判断し、自動で最適化することにより広告効果の向上が期待できます。また、これまで入札できていなかった検索語句に対しても、複数アセットを入稿することで検索語句との関連性が高まり、入札語句の拡張も期待されます。
RAS活用の目的と訴求イメージ
RAS活用の目的
RASは特に、比較・検討層に対してリーチし、獲得拡大につなげることができます。
RASを使った訴求イメージ
RASでは、検索語句に対して最適な組み合わせで配信をおこなうことができ、より多くの検索語句にアプローチが可能です。
RASとETAで獲得できる検索語句
RASでは、より広い範囲の検索語句と関連性を高めることができます。
推奨されるRAS運用方法
導入ステップと導入後のメンテナンスが重要
RASを最大限活用するためには、適切なステップを踏んだうえでの導入、および導入後の検索語句や広告のメンテナンスが非常に重要です。
目的に応じて広告タイプを使い分ける
検索語句の性質に応じて、適切な広告タイプを選択する必要があります。
※広告クリエイティブ出し分けの目的による広告グループ切り分けは、最適化の観点で非推奨とされています。 ただし、どうしても新規広告のインプレッションが発生しない場合などには検索語句のコンフリクトに配慮した広告グループ切り出しが有効です。
固定化が難しい訴求軸をアセットとして追加し、より上位ファネルの検索語句に訴求します。
最適化に寄与するアセットの構成方法
タイトル、説明文それぞれ下記を参考にアセットを追加してください。 できるだけ多くのアセットを入稿いただくことで最適化に寄与します。
新しい訴求軸の追加方法
▼キーワード or 検索語句から追加する場合
キーワードや検索語句のうち、ETAには追加されていないものの、獲得が見込めるもの、 かつ拡大ポテンシャルがあるものをアセットとして追加します。
▼LPの内容から追加する場合
同一の要素ではなく、網羅的にクライアントの強みを整理し訴求することが重要です。
アセット追加の注意点
▼同一の訴求は入稿しない
同一の訴求の入稿は、CTR低下につながる可能性があり、非推奨です。
▼新しい訴求軸を追加する
これまで入稿していなかった訴求軸を追加することで、 新規検索語句へのリーチおよび、獲得の拡大を狙います。
注意点
アドカスタマイザーおよび、IF関数はご利用いただけませんのでご注意ください。しかし、カウントダウン・キーワードの自動挿入機能、地域情報の自動挿入機能は活用できます。
RASの評価方法
ETAとRASでは、リーチする検索語句が異なるため、CTR、CVRなどの指標では評価せず、 CV獲得につながった検索語句の数などの拡大指標で評価をおこなってください。
最後に
今回RASの活用方法等をご紹介させて頂きました。ETAとRASはそもそも活用方法が異なりますので、評価方法も同一で考えてはいけないという所がポイントです。
RASではETAと同様の訴求アセットを入稿すると、数値が分散するだけなので、既存ETAの評価にも影響を及ぼします。そのため、異なる訴求の文言を入れる必要があります。異なる訴求を入れることで検索語句とのマッチ率が高まり、これまで入札されなかった検索語句を入札されることが期待されます。
そのため、RASを入稿する際に一番気をつけなければいけないのはアセット内容です。ユーザーは調べたいことに対し常に適切なキーワードで検索するとは限りません。企業側が想定する(適切な)検索語句だけを入札していると、取りこぼす可能性も十分にあります。
RASでは適切なアセットを入稿することで入札される検索語句が拡張されますので、アセットの内容を精査していくことが良いかと思います。