はじめに
2025年2月28日、Yahoo!広告の従来版コンバージョン測定タグおよびサイトリターゲティングタグが終了します。加えて、広告のトラッキング精度を向上させるため、2025年1月28日より新たに4つのパラメータが導入されます。
この変更により、GAを使用してデータ分析を行っている広告運用者には、新たな対応が求められます。本記事では、この問題の詳細と解決方法について、具体的な手順を解説します。
Yahoo!広告の変更点:新パラメータとは?
Yahoo!検索広告では、広告効果測定の精度を向上させるため、以下の4つの新パラメータが導入されます。
- sa_p
- sa_cc
- sa_t
- sa_ra
これらのパラメータは、広告効果測定やトラッキング精度の向上に寄与しますが、GAでのレポートに不要なノイズとして影響する可能性があるため、適切な除外設定が必要です。
波及して起きる問題とは?
GAのデータがばらける
新パラメータの導入により、GAでのデータに以下のような問題が生じる可能性があります。
ページビューが分割
例えば、同じページであっても、URLの末尾に新パラメータが付与されることで、GAでは異なるページとして認識されてしまいます。
- https://example.com/page
- https://example.com/page?sa_p=123
なぜこの問題がまずいのか?
データの一貫性が失われると、次のような問題が発生する可能性があります。
- 正確な広告効果測定が困難になる:
広告のパフォーマンスを正しく評価できず、最適な意思決定ができなくなる可能性 - データクレンジングに余計な手間がかかる:
集計したレポートを手作業で修正する手間が生じ、効率が低下する可能性 - マーケティング施策のROIが低下:
誤ったデータに基づく施策の結果、コスト増加や効果減少を引き起こす可能性
いつまでに対応すべきか
Yahoo!広告のパラメータ導入に対応しない場合、広告効果測定の精度が低下し、マーケティングの成果に影響を与える可能性があります。そのため、2025年1月28日までに対応を進めることを推奨します。
パラメータを除外する2種類の方法
パラメータの影響を最小限に抑えるためには、GAまたはGTMで以下のような設定を行う方法が効果的です(GTMによる設定を推奨します)。
GAでのパラメータ除外設定
GA「パラメータの除外」機能を利用して、パラメータを除外します。
手順1. GAの管理画面にアクセスし、[データストリーム] を選択
手順3. 「sa_p」「sa_cc」「sa_t」「sa_ra」を入力して保存
この方法により、ノイズとなるパラメータがGAに反映されることを防止できます。
GTMでのパラメータ除外設定(推奨)
GTMを使用することで、GA4において特定のURLクエリパラメータを除外する設定が可能です。詳細な設定手順は以下となります。
手順1. GTMメニューの「変数」から新規作成を選択し、カスタム変数を設定
まずは、クエリパラメータを除外するために必要なカスタム変数を設定します。
手順2. コミュニティテンプレートから「URL Cleaner」を選択
次に、「コミュニティテンプレートギャラリー」から「URL Cleaner」のテンプレートを選択します。このテンプレートは、クエリパラメータの除外に特化した機能を持っており、簡単に除外設定を行うことができます。
手順3. 「URL Cleaner」を開き、必要な設定を入力
- Full URL:
{{Page URL}}
- List Method:
Parameter Blacklist
- Parameter Whitelist Table:
sa_p, sa_cc, sa_t, sa_ra
- Result Format:
Clean URL
手順4. GAタグに「URL Cleaner」を適用
- 構成パラメーター:
page_location
- 値:
{{URL Cleaner}}
上記の手順により、GTMを活用してURLクエリパラメータを除外することで、一貫したデータ分析が可能になり、キャンペーンの成果を正確に測定することができます(重要なパラメータは除外しないよう注意してください)。
終わりに
この記事では、Yahoo!広告の新パラメータによってGA計測に生じる問題と具体的な解決方法について解説しました。
Yahoo!広告の新パラメータ対応について、早急に実施することが求められます。対策することで広告効果測定の精度を維持し、マーケティング活動の成果を最大化できます。対応に不安がある場合は、お気軽にお問合せください。