ECサイトの売上獲得向け広告プロダクトとして実装が必須とされるのは、Googleのショッピングタブ、多くの媒体で活用される動的リマーケティングです。これらは登場以来、日々その進化を遂げてきました。
その中でもGoogleが現在、ECサイト顕在層向けプロダクトとして検索広告と並び推しているプロダクトが「スマートショッピングキャンペーン(以下、SSC)」です。
この記事では、SSCを実施しているけれど思うようなパフォーマンスが出せていない、というお悩みをお持ちの方におすすめのSSC最大活用術を解説します。
SSCが売上拡大につながるワケ
SSCが売上拡大につながる理由は、大きくまとめると以下の3つです。
- 訴求力を高めるフォーマット
- 豊富な配信面
- 世界で最も進化したGoogleの機械学習をフル活用
SSCでパフォーマンス最大化を狙うなら、3つの要素を深く理解し、配信ロジックに合わせた最適化を行う必要があります。決められたフォーマットのままに画像や商品フィードを用意しただけでは、パフォーマンス最大化を狙えません。
例えば、ショッピングタブでの表示機会獲得のために、あなたは何をする必要があると思いますか?答えは、ショッピングタグに商品が表示される仕組みを知ることで見えてきます。
これを踏まえ、売上拡大のために絶対に必要な2つの最適化を考えていきましょう。
売上拡大のためには必須!2つの最適化
売上拡大のために最適化が必須となるのは以下の2つです。
- 動的リマーケティングタグ
- 商品フィード
動的リマーケティングタグの最適化
動的リマーケティングタグを最適化し、ユーザーの気持ちを汲み取りましょう。
SSCを実施しているならば、動的リマーケティングタグはすでに実装されていると思います。しかし、近年のUI/UXの進化に伴い、旧来の「商品ページを表示した」ことだけを発火のトリガーにすると、ユーザーの気持ちは汲み取りきれません。
ケース1:商品一覧ページの場合
サイト内での商品表示方法は多彩かつインタラクティブな表現に広がっています。そのため、実際の表現に合わせた設定が必要です。
例えば、商品一覧ページの商品画像にマウスカーソルを合わせると、商品詳細もカートへ追加ボタンも表示される場合はどうでしょう?
商品詳細のPVが発生しなくても、ユーザーは興味を持って商品を閲覧したといえないでしょうか?商品一覧ページにお気に入りに追加ボタンがある場合も同様です。
このような場合は、商品ページを閲覧せずとも実質的には「商品を閲覧した」として定義すべきであり、view_itemイベントを発火させるタイミングであると考えます。
ケース2:商品詳細ページの場合
商品詳細ページでもユーザーの気持ちを汲み取るには、どのような最適化が考えられるでしょうか。
サイズ、カラーバリエーションが選択可能なアパレルのECサイトは要注意です。よく見られる不適切なケースとして、その商品の代表1SKUのみのview_itemイベントが発火する仕様が散見されます。
商品詳細ページでユーザーが選択したサイズ、カラーバリエーションのSKU単位で精緻にview_itemイベントを発火させていますか?
言い換えましょう。
発火させたタグの商品は、本当にユーザーが興味を持った商品ですか?
ユーザーが興味を持った商品は何なのか?を正しくタグで送るため、サイズ選択やカラー選択のタイミングにSKUベースでタグを発火させるべきです。
Googleの機械学習は目まぐるしい進化を遂げています。何を学習する要素としているかはブラックボックスですが、ユーザーのあらゆる意思/行動を学習している、と考えるべきです。
- 好みの色
- ぴったりなサイズ
- 探している商品カテゴリ
を学習して最適化に役立てていると考えるべきで、その情報を正しく機械学習へ届けることにより、広告内でのレコメンド精度が向上します。
そもそも動的リマーケティングタグは、ユーザーがサイト内で意思や興味を持って何かしら起こしたアクションを計測する目的を持っています。サイト内でユーザーが起こしたアクションは、正確な情報とともにタイミングを逃さずタグを発火させましょう。
商品フィードの最適化
不承認アイテムの修復
Googleマーチャントセンターで確認できる「診断」メニュー、定期的にチェックしていますか?
「診断」は、商品フィードのヘルスチェックが出来る機能です。価格や在庫の正確性、またポリシー違反による不承認が確認できます。
具体的にどの商品がNGになっているか確認できますので、定期的にチェックして改善に役立てましょう。
商品フィードの品質向上
SSCの配信枠(ショッピングタブ)が表示機会が獲得できる条件は、ユーザーが検索で使用した検索クエリと商品タイトルがマッチすることです。
つまり、
- ユーザーが自分にあった商品を探すときによく使うKW
- トレンドを意識したKW
この2つが商品情報として商品フィードに含まれることで、格段に商品の露出が高まります。この仕組を把握した上で、商品フィードを最適化します。
例①「黒いMサイズのジャージ」
例えば、ある男性が「Mサイズの黒いジャージ」を探しているとします。検索クエリとして考えられるのは、
- ジャージ
- ジャージ 黒
- ジャージ 黒 Mサイズ
が有力候補です。
この検索クエリに対して商品フィードのタイトルで必要になる情報は、
- ジャージ
- 黒
- Mサイズ
の3つです。
仮にこのショップで取り扱っている「黒いMサイズのジャージ」の商品名に、これらのいずれのKWも含まれていない場合、クエリにマッチしないため表示獲得の可能性は著しく低下します。
この事態を回避するため、商品名に含まれていない「ジャージ」「黒」「Mサイズ」を補完する必要があります。
例② もっと具体的に欲しい物が決まっている場合
さらに、ユーザーがもっと具体的に欲しい物が決まっている場合はどうでしょう。
- ジャージ 黒 Mサイズ ポリエステル
- ジャージ 黒 Mサイズ 伸縮性
- ジャージ 黒 Mサイズ 涼感
など、素材や機能性の検索クエリを指定する可能性があります。そういった細かいニーズを満たした商品がドンピシャで検索結果に表示させれれば、当然ながらCVRアップが見込まれます。
商品が検索される際に使用されるKWをタイトルに入れ込むことは、売上拡大に大きく貢献します。実際、この施策を行ったクライアントはROASが30%以上改善したという実績があります。細かい作業ではありますが、行うべき最適化であることは間違いありません。
まとめ
SSCは機械学習を最大限に活用したプロダクトです。運用に大きな手間がかからないと思われがちですが、機械学習が正しい情報を正しく理解するためには、やはり高度な最適化が必要です。
特に、動的リマーケティングタグや商品フィードの最適化は高度な知識とリソースが必要となるためハードルが高いのですが、実施すれば大きな成果を上げられる部分でもあります。
売上最大化のために、ぜひこれらの施策の実施をご検討ください!