この記事は、「LINE広告の利用を検討しているけど、どういったものかよく分からない。」という方向けに、LINE広告の概要や、LINE公式アカウントについて、また運用開始時の注意点をご紹介します。
LINE広告の概要
そもそもLINE広告とは
LINE広告とは、ひとことで言えば「LINEユーザーに向けた広告」の配信サービスです。
LINEの公式ページには以下のように記載があります。
“
「LINE」は、日本国内で月間利用者数(以下、MAU)8,400万人(2020年3月末時点)を誇るコミュニケーションアプリです。このLINEユーザーに向けて広告を配信できるサービスが、広告配信プラットフォーム「LINE広告(旧LINE Ads Platform)」です。
他のSNSではリーチできない顧客層へのリーチ力、またLINE公式アカウントと柔軟に連携して友だち追加広告配信や類似配信を行えるのがLINE広告の強みです。
”
幅広い層にリーチできる
引用:LINE Business Guide 2020年1月-6月期
- 性別:男女比はほぼ半々ですが、やや女性が多いです。
- 年齢:幅広い層に利用されています。
- 職業:会社員のみならず、主婦層にも利用されています。
上述のように性別、年齢、職業を問わず幅広い層に利用されています。また、利用頻度も総じて高く、日本では生活に定着したアプリと言えるでしょう。
このプラットフォームを利用して幅広い層にリーチできるのがLINE広告の特徴です。
また、LINEのみを利用しているユーザーが多く存在(39.9%)していて、LINEのリーチ力の高さはLINE広告の一つの強みと言えます。
広告配信先が豊富
LINE広告は配信先が豊富です。
広告配信先は、トーク画面やタイムラインだけではありません。LINE NEWSやLINEマンガといったサービスも含まれます。また、2019年8月から「LINE広告ネットワーク」が開始し、「クックパッド」といったLINE関連サービスへのリーチも可能となっています。
配信面を以下にまとめました。皆さんも一度は目にしたことがあるではないでしょうか。
クリエイティブの仕様
クリエイティブとして準備するべきサイズは2種類でよく(動画を含めると3種類です)、クリエイティブを準備する障壁は他の媒体よりは比較的低いです。
- Card:静止画(1200×628)、動画(16:9)
- Square:静止画(1080×1080)、動画(1:1)
- Vertical:9:16(動画)
動画のみの「Vertical」サイズは、ユーザーが動画をタップした場合に9:16で表示されます。タイムライン上では上下が省略され2:3の比率で表示されるため、注意が必要です。
その他、複数商品を表示する「カルーセル」や「画像+テキスト」の広告フォーマットも存在します。
LINE広告の配信目的
キャンペーンの配信目的は6つあります。
- ウェブサイトへのアクセス
- ウェブサイトコンバージョン
- アプリのインストール
- アプリのエンゲージメント
- 動画の再生
- 友だち追加
「ウェブサイトへのアクセス」や「アプリのインストール」などは他の媒体でも馴染み深いと思います。
そんな中、LINE独自のキャンペーンの目的といえば「友だち追加」です。LINE公式アカウントの友だちを増やすことが目的の配信となります。
次の章では、LINEの大きな特徴であるLINE公式アカウントについて説明します。
【LINEの特徴】LINE公式アカウント
LINE公式アカウントとは
LINE公式アカウントとは、企業や店舗がLINE上でアカウントを作成できるサービスです。公式アカウントから友だち登録してくれたユーザーへメッセージを送ったり直接情報を届けることができます。
LINE公式アカウントのメリット
LINE公式アカウントには以下のようなメリットがあり、多くの企業が活用しています。
- 友だち登録してくれるという見込みの高いユーザーを集めることができる
- ユーザーに対して直接コミュニケーションを取れる
- 友だちの情報を広告配信に活かせる
- 無料でアカウント開設することができる
また、LINE公式アカウントの「友だち」のデータを使用して広告配信ができます。これにより、「友だち」に対して広告を配信したり、「友だち」の類似ユーザーに対して広告配信することができます(逆に「ブロック中の友だち」に対して広告配信をしないこともできます)。
友だち追加キャンペーンも配信可能
LINE広告では、LINE公式アカウントの友だちを獲得する配信が可能です(通称CPF(Cost Per Friends)配信)。具体的には、広告のCTA(Call To Action)が「友だち追加」というボタンになり、友だち登録に誘導します。
効果の目安ですが、おおよそ100~250円で友だち1人獲得が見込めます。
※効果を保証するものではありません。
友だち追加を増やすためには、「友だち追加でクーポンプレゼント」「友だち追加で◯%off」などのメリット訴求が効果的です。しかし、当然のことながら割引訴求で集めたユーザーは離脱率も高くなるため、バランスを見ながら運用すると良いでしょう。
LINE広告運用時の注意点
LINE広告運用時には下記の注意点があります。
- 配信NGの業種、業態、商品・サービスがある(厳しい審査も)
- 友だち登録数のCV表示にクセがある
- コンバージョンの値が取得できない
配信NGの業種、業態、商品・サービスがある(厳しい審査も)
LINE広告は比較的審査が厳しく、他媒体で配信出来ていてもLINE広告では配信できない場合があります。配信前にしっかり確認しましょう。
以下が公式サイトに明記された掲載不可業種・商材です。
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- 宗教関連
- エステ(一部除く)
- ギャンブル関連、パチンコ等(一部公営くじ除く)
- アダルト関連
- 出会い系
- 連鎖販売取引
- 探偵業
- たばこ、電子タバコ
- 産経用品(避妊具、女性用体温計等)
- 武器全般、毒物劇物
- 政党
- 公益法人、NPO/NGO、社団法人(一部除く)
- 生体販売
- 医療系、美容整形系、ホワイトニング、病院・クリニック、特定疾患の啓蒙サイト
- 整骨院、接骨院、鍼灸院等
- 未承認医薬品・医療機器等
- 消費者金融(一部除く)
- 質屋
- オークション、入札権購入型オークション
- マッチングサイト(一部除く)
- アフィリエイトサイト
- ネット関連ビジネス(情報商材、能力開発商材等)
- ポイントサイト(ポイントサービスを主体としたサイト)
- 弊社競合サービス(メッセンジャーアプリ、SNSアプリ、決済サービス等)
- その他弊社が不適合と判断した業種・業態、商品・サービス
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友だち登録数のCV表示にクセがある
友だち追加キャンペーンの配信時に注意するポイントがあります。
通常、CV数などの成果は「CV」列でチェックすることが多いと思います。しかし、友だち追加キャンペーンでは「友だち追加数」=「クリック数」となります。
そのため、友だち追加キャンペーンではCV数は0件となります。CV数が0件でもクリック数がカウントされていれば友だち登録されているため注意してください。
コンバージョンの値が取得できない
現在、LINE広告ではコンバージョンの値を取得することができません。
売上やROASを重視している企業であれば、コンバージョンの値は欲しいデータですが残念ながら計測することができません。
どうしてもコンバージョンの値が必要な場合は、以下の方法をお試しください。
- 他媒体のデータを基に平均的なコンバージョンの値で仮置き
- Googleアナリティクスなど他ツールを使用してコンバージョンの値を計測
まとめ
この記事では、LINE広告を導入検討中の方に向けて、LINE広告の概要と配信時の注意点をまとめました。
LINE広告は比較的後発サービスということもあり、まだまだ利用していない企業が多いです。しかし、冒頭で述べたようにLINEという圧倒的なプラットフォームを使ったリーチ力は無視できない存在です。
LINE公式アカウントを使用した配信など独自のターゲティングができる上、どんどんアップデートされているため、今後さらに重要な媒体になってくるでしょう。少額からでも配信開始できるため、興味のある方はまずは一度試してみてはいかがでしょうか。