Google広告の配信メニューの1つであるP-MAXキャンペーンは、1つのキャンペーンでGoogle 広告のすべてのチャネルと広告枠に配信ができる便利なメニューです。また、機械学習を利用して効率的に運用ができるため、運用にかける工数を大幅に削減することもできます。
一方で、基本的に自動化がメインとなるキャンペーンのため、従来はオーディエンスシグナルを追加してコンバージョンしやすいオーディエンスの情報を学習させる程度しか管理画面上で設定ができませんでした。
しかし今回「検索テーマ」という新機能が出てきたことで、キーワードを追加できるようになり運用の幅が広がりました。そこで今回は昨年末にローンチされたP-MAXキャンペーンの新機能「検索テーマ」の詳細についてご紹介します。
「検索テーマ」とは?
検索テーマとは、アセットグループごとに最大25個まで設定が可能な任意のキーワードです。
検索テーマを活用することで、設定したキーワードに関連するプレースメントを配信対象に追加することができます。これにより、ユーザーの検索内容やコンバージョン獲得につながった有益な情報をGoogleのAIに提供し、機械学習を促進させることが可能になります。
検索テーマを活用するメリット
検索テーマを活用する大きなメリットは、機械学習の学習期間を短縮できることです。
P-MAXキャンペーンは機械学習を利用して効率的に運用ができる反面、機械学習に時間がかかり、キャンペーン開始直後のパフォーマンスが低下する可能性があります。しかし、検索テーマを設定することで、AI にお客様のビジネスや顧客に関する情報を提供でき、キャンペーン開始直後から最適化を進めることが可能になります。
「検索テーマ」を活用した方が良い場面
実際に検索テーマを活用した方が良いケースには下記のようなものがあります。
- 提供している商品やサービスに関する詳細な情報や最新情報がランディング ページに記載されていない。
- 新規市場に参入したばかり、あるいは新しい商品やサービスをリリースしたばかりで、キャンペーンの過去の掲載結果のデータが十分に利用できない。
- 年末商戦期に向けて新しいプロモーションやセールを展開する予定だが、利用できる過去の掲載結果のデータがあまりない。
- P-MAX でのリーチ(P-MAX における検索広告枠を含む)を拡大し、重要なビジネステーマを包括的に網羅したい。
- キャンペーンをすばやく軌道に乗せ、パフォーマンスを短期間で最適化するのに役立つ重要な情報を提供したい。
上記のように、利用できる過去の掲載結果データが少なかったり、LPに提供サービスの情報があまり掲載されていない場合、AIが学習するデータが不足して最適化が促進されない恐れがあります。このような場合に検索テーマを設定することで、機械学習の促進が見込めますので是非ご活用頂ければと思います。
「検索テーマ」のマッチタイプに関して
最後に検索テーマのマッチタイプについてご説明いたします。
前提として、同じ検索語句に一致する可能性がある複数のキーワードが使用されている場合、キーワードがオークションで競合することはありません。検索語句に対して1つのキーワードのみが広告表示に使用されます。
その上で検索テーマがどういった優先順位付けで広告表示されるかですが、検索テーマには検索キャンペーンのフレーズ一致キーワードおよび部分一致キーワードと同じ優先順位が適用されます。
たとえば、ユーザーが「スカイダイビング ライセンス」と検索した場合は下記のようになります。
- 優先度が最も高いのは、検索語句と同一配列の完全一致キーワード[スカイダイビング ライセンス]
- その次に、検索語句と同一のフレーズ一致および部分一致のキーワードまたは検索テーマが優先される
- 同一の P-MAX 検索テーマ「スカイダイビング ライセンス」は、フレーズ一致キーワード「スカイダイビング」よりも優先される
検索キャンペーンとP-MAXキャンペーンの併用を考えている場合、上記のようなキーワードの優先順位付けを頭にいれた上でキーワード設定を考えることが重要になります。
まとめ
今回はP-MAXキャンペーンの新機能「検索テーマ」についてご紹介させて頂きました。検索テーマを活用して機械学習を促進させることで、より効率的に運用ができるかと思いますので是非ご活用ください。
また下記のブログにて“Zombie SKU”という、P-MAXキャンペーンに手を加え、フィードを活用して広告効果を改善するための施策もご紹介しておりますのでこちらもご覧頂けますと幸いです。
Google P-MAXキャンペーンを改善!Merchant Centerと連携して”Zombie SKU”キャンペーンを設定する方法