Google広告を使っていると、ついつい見落としてしまう設定がいくつかあります。ちょっとした設定ミスが、実は広告の成果に大きく影響を与えることもあるので注意が必要です。
そんなことにならないよう、この記事では見逃しがちなGoogle広告の設定項目をピックアップし、そのチェック方法をわかりやすく解説します。この機会に、ぜひGoogle広告アカウントの設定を再確認してみてはいかがでしょうか。
自動最適化案
Google広告の自動最適化案は、キャンペーンのパフォーマンスを向上させるためにGoogleのアルゴリズムが提案する設定や変更のことを指します。これには、「入札戦略の自動調整」や「広告文の最適化」「ターゲティングの変更」などが含まれます。自動最適化案は、広告主が手動で設定を調整する手間を省き、データに基づいたより効果的なキャンペーン運用をサポートすることを目的としています。
ただし、自動最適化案をすべてそのまま受け入れるのは危険です。提案された変更が必ずしも自分のビジネスや広告目標に合致しているとは限らないため、各案の内容を十分に理解し、必要ない項目についてはオフにすることも検討してください。
自動最適化案のチェック方法
自動最適化案の設定を確認するには、管理画面の左側のメニューから「最適化案」をクリックし、右側に表示される「自動適用」を選択します。
ここでは、最適化案が2つのカテゴリーに分かれています。
- 広告のパフォーマンスを維持する(8種類の最適化案)
- ビジネスを拡大する(14種類の最適化案)
これらの最適化案はさらに、「広告とアセット」「キーワードとターゲティング」「測定」「入札単価」の各カテゴリに分かれています。
たとえば、「広告とアセット」カテゴリの「レスポンシブ検索広告を改善」という最適化案が有効になっている場合、自動的にレスポンシブ検索広告に広告見出しや説明文のアセットが追加されます。これらのアセットは、広告の最終ページURLや同じ広告グループ内の既存のコンテンツから取得されますが、場合によってはブランドイメージに合わない表現や文言が含まれる場合もあるため、注意が必要です。
自動最適化案を有効にする際には、定期的に追加されたアセットをチェックし、不適切なものが含まれていないか確認することをオススメします。自動最適化案で追加されたアセットや変更された内容は、同じ画面の「履歴」タブから確認できます。
それぞれの最適化案にどのような変更を行うか説明が記載されているため、1つずつ確認し、必要ないと思われる項目についてはオフにすることも検討してみてください。
地域ターゲティング
キャンペーンの配信地域設定を日本全体、または特定の都道府県に設定しているにもかかわらず、レポートを見ると設定地域外からのトラフィックが含まれていることがあります。実はGoogle広告で配信地域を設定する際には、1つ注意しなくてはならない設定があります。
キャンペーンの地域設定画面内には、少し隠れてはいますが、「一致」の設定項目から次の2つの設定を選択することができます。
- (デフォルト)所在地やインタレスト: 追加した地域にいるユーザー、追加した地域をよく訪れるユーザー、追加した地域に関心を示したユーザー(推奨)
- 所在地: 追加した地域にいるユーザー、追加した地域をよく訪れるユーザー
この2つの設定の唯一の違いは、前者の「追加した地域に関心を示したユーザー」を含むかどうかのみです。ただ、この違いが実は意外と重要なので、注意が必要です。
まず、後者の「所在地: 追加した地域にいるユーザー、追加した地域をよく訪れるユーザー」を選択している場合、配信地域が「日本」に設定されていると、実際に日本にいるユーザーに対してのみ広告が配信されます。同様に、配信地域を「東京都」に設定している場合は、配信対象は実際に東京都にいるユーザーのみとなります。
一方、「追加した地域に関心を示したユーザー」を含む前者の設定を選択した場合、配信地域が「日本」に設定されていても、必ずしも実際に日本にいるユーザーのみに広告が配信されるというわけではありません。この設定が選択されている場合、地域外、この場合海外からの流入が混じる可能性があります。
もし海外向けの広告や旅行業など特定の業種でキャンペーンを運用していないのであれば、デフォルトの「追加した地域に関心を示したユーザー」を含むターゲティングではなく、実際に対象地域にいるユーザーに絞って設定することをオススメします。
地域ターゲティングのチェック方法
地域ターゲティングの設定を確認するには、確認したいキャンペーンの設定を開きます。キャンペーンの設定画面の項目の1つ「地域」を選択します。
デフォルトのビューでは、「このキャンペーンの地域を選択する」の表示のみとなっています。「地域の設定」をクリックして「一致」の設定を開くことで現在の設定の確認ができ、そしてどちらかにチェックを入れることで変更できます。
検索パートナー
Google検索広告では、広告が表示される場所を広げるために、検索パートナーというネットワークがあります。
検索パートナーは、Googleの検索エンジン以外の検索エンジンやウェブサイトで、Googleの広告システムを利用して広告を表示するネットワークです。これにより、Googleの検索結果ページだけでなく、検索パートナーサイトでも広告が表示され、より広範囲なオーディエンスにリーチすることができます。
新規で作成する検索キャンペーンの設定ではデフォルトで検索パートナーでの配信がONになっています。この設定がONの状態ではGoogleの検索結果ページだけでなく、検索パートナーサイト(例:goo、BIGLOBE、livedoor、OCN、価格.comなど)にも広告が表示されます。
検索パートナーサイトへ配信する際に注意すべきは、検索パートナーサイトによって特性やユーザー層が異なるため広告の効果にばらつきがあるという点です。
こちらは実際に検索パートナーを含む広告配信をしていたアカウントの実績です。
「検索パートナー」のクリック単価は「Google検索」に比べて低いですが、このアカウントの実績ではクリック率、コンバージョン率、そしてコンバージョン単価では劣っています。
アカウントによっては検索パートナーからのパフォーマンスが良い場合もあれば、悪い場合もありますので、まずは一度確認してみることをオススメします。
検索パートナーのチェック方法
検索パートナーの配信実績を確認するには、管理画面の左側のメニューから「キャンペーン」をクリックし、画面右側の「分類」から、「ネットワーク(検索パートナーを含む)」を選択します。
検索パートナーへの配信を除外したい場合は、キャンペーンの設定から「ネットワーク」の項目を選択し、「Google検索パートナーを含む」のチェックを外します。
まとめ
この記事では、Google広告の見逃しがちな設定項目をピックアップし、そのチェック方法を解説しました。
キャンペーンを作成している際に分かっていてもつい見落としてしまう箇所もあると思います。今回取り上げた見落としがちな設定項目をぜひご自身のアカウントで再確認してみてはいかがでしょうか。適切な設定を行うことで、キャンペーンのパフォーマンスを最大限に引き出すことができるでしょう。