「動画広告を作って配信しているけれど、実際にコンバージョンに良い影響を与えているか分からない」
「そもそも効果測定のやり方が分からない」

そんなお悩みを、巷ではたびたび耳にします。

今回は、動画広告をこれから配信したり、すでに配信しているWEB広告の運用担当者の方に向けて、動画広告を適切に評価するための2ステップをご紹介していきます。

動画広告を評価するための指標はたくさんある

動画広告を評価するための指標のうち、GA4や広告運用画面で確認しておきたい主な指標は下記のようなものがあります。

  • 表示回数
  • 視聴回数
  • 完全視聴率
  • 平均再生時間
  • クリック数
  • クリック率
  • コンバージョン数
  • コンバージョン率
  • ユニークユーザー数
  • CPAなど

さらに、アンケート調査などによって得られる定性要素には、下記の項目も挙げられます。

  • ブランド認知度
  • 商品認知度
  • 好感度など

このように、様々な指標によってその効果を見極められる反面、よりコンバージョンを増やすためには、どの指標を注視し、どのように改善すればいいのか、迷ってしまいますよね。

動画広告の効果測定を始める2ステップ

そんな時には、次の2つのステップに分けて考えてみると良いでしょう。

  • STEP① 指標に表れるユーザー心理を整理する
  • STEP② ユーザーとサービス(商品)の距離感にあった指標を確認する

指標として表れる数字がユーザーのどのような状況を示すのかを把握したうえで、適切な指標を観測していくことで、コンバージョンを最大化するためのPDCAサイクルを円滑に回していくことができます。

STEP① 指標に表れるユーザー心理を整理する

GA4や広告運用画面で確認できる指標を日々確認することは大切ですが、効果的にPDCAを回すためには、その指標の裏にあるユーザーの心理や状況がどのようになっているのか知っておくことも重要です。今回は特に重要な部分だけ見ていきましょう。

●完全視聴率

テキストや静止画バナーのみの広告にはない、動画広告ならではの指標です。この指標は、動画広告が、途中で離脱されることなく最後まで視聴された割合を示しています。
この値が高いときのユーザー心理は、「動画が面白いから最後まで見たい」「商品やサービスに興味をひかれた」など、ポジティブな状態であると考えられます。

●クリック数

動画広告をユーザーがクリックした回数です。
この値が高いと、動画を通して「商品やサービスに興味が出たから、さらに情報を知りたい」または「すぐに買いたいから申込みページに行きたい」と感じ、行動を起こしているユーザーが多い状態と考えられます。

●コンバージョン数

動画を視聴したユーザーが、商品を購入したり、お問い合わせなどの行動を起こした数です。
この値が高いと、その広告によって商品やサービスを実際に手にしたいユーザーが多いと考えられます。ただし、この値が高くない場合でも、広告がユーザーに対して需要を喚起できているケースもあります。次の章でその例を見ていきましょう。

STEP② ユーザーとサービスの距離感にあった指標を確認する

指標に表れるユーザー心理がわかったら、今度は動画広告のターゲットと商品やサービスの距離感を確認します。

動画のみでなく、すべてのビジネス広告は「商品を買ってもらうこと」をゴールとしていますが、全てのユーザーをそのゴールに一度で導けるわけではありませんよね。

例)

  • 商品を全く知らないユーザー:
    商品との距離が遠いので、まずは「商品を知ってもらう」必要がある。
  • 商品を知っているが他の商品と迷っているユーザー:
    購入までの距離がもう一息なので「他の商品と比べて良いと感じてもらうこと」が大切。

このように、ブランドや商品とターゲットの現状の距離を正しく認識し、動画広告が担う役割をはっきりさせることで、注目すべき指標が見えてきます。

例:無名の新ブランドが発売したコスメを広告する場合

たとえば、まったく無名の新ブランドが発売したコスメを広告する場合を考えてみましょう。広告の最大の目的は、もちろん「コスメを売ること」です。しかし、新ブランドやその商品はまだまだ世の中に浸透していないので、ユーザーとの距離がまだまだ遠いと言えます。

その段階で、動画広告で初めてそのブランドや商品を知ったユーザーが、そのまま購入まで至るケースはあまり多くはないのではないだろうと予想できます。

もちろん、動画を見て気に入ったためにすぐさまLPを訪れ、購入までしてくれるユーザーもいるでしょう。しかし、動画広告を見た際にはブランド名や商品名を記憶するにとどめ、あとからYoutubeやInstagramで口コミを調べるユーザーや、LPを訪れ興味を持ったので、大手ECサイトでポイントが多く貯まるサービスデーに買い求める、といった行動をとるユーザーも少なくないと考えられます。

そんなときは、動画広告の評価指標として「CV数」に加え、前述の「完全視聴率」も確認してみましょう。知らなかったブランドに興味を持って最後まで動画を視聴したユーザーは、その場で購入しなくても良い印象が記憶されているため、次に商品に出会ったときにポジティブな行動をしてくれる確率が高くなります。

また、「クリック数」や「クリック率」を確認した際に「CVRは低いけど、CTRは高い」というような結果が出てくれば、短絡的に「動画広告の効果が低い」と評価するのではなく、

  • 「動画広告とLPの世界観がズレているからユーザーが離脱してしまうのかも」
  • 「LPに流入してから離脱してるということは、LP上でのユーザー体験を見直す必要があるのかも」

というように、改善の糸口を鮮明にすることができます。

このように、ユーザーとサービスとの距離を考慮して指標を確認することで、動画広告のクリエイティブやその先のLPなどを改善することができます。これを繰り返せば、コンバージョンを最大化するためのPDCAサイクルが円滑に回るようになるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

複雑化するカスタマージャーニーの中で、ユーザーの心理にポジティブな働きかけができたかどうかは、フルファネル戦略において重要となります。それを正しく評価するために、ターゲットとなるユーザーの心理状況を理解し、彼らに対し動画広告がどのような効果をユーザーにもたらしたのか、適切に読み取っていきましょう。

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