ブランディング広告は認知施策として選定されることが多い。認知施策の目的は自社の商品やサービスを認知してもらうことである。そして、認知したユーザーがサービスを利用・商品を購入することがゴールとなる。

多くの企業が認知施策として、ブランディング広告を選定し実施するものの、表示回数やクリックを集めることは容易である。しかし売り上げへのインパクトが測りづらく、ブランディング広告に関する社内説明が困難なことから、投資し続けることは難しい。

そこで本記事では、ひとつのブランディング広告事例を取り上げ、その効果を検証する。

ブランディング広告事例の要件

今回紹介する事例の要件は下記の通り。

クライアントの目的

  • クライアント : 資格取得講座
  • ターゲットユーザー : 20代〜40代
  • KPI : 資料請求

企業の目的は、資料請求ののちに本契約を取り付けることだ。Web上でサービスを認知してもらい、資料請求を獲得するためにWeb広告施策を打っていた。

実施した施策

  • 実施施策 : Facebook広告
  • クリエイティブ : 資格取得勉強をしている様子
  • 訴求軸 : 「資格取得期間訴求」「ユーザーの口コミ訴求」「業界No.1訴求」

顕在層ユーザーへの施策はひと通り実施済みで、資料請求の件数をさらに増やしていくためには潜在層の獲得が急務であった。そのため、今回はターゲットユーザーが利用しているFacebookとInstragramにてブランディング広告を展開し、資料請求の件数を増やす施策を実施した。

ブランディング広告の結果

Facebook広告の配信量を増やすことによって該当資格名の検索量が増えた。資料請求のCVRは一定だったため、本来の目的である資料請求の獲得件数も増加した。


Facebook(青線) : Facebook広告の表示回数(Facebook広告管理画面より取得)
検索量(黄線) : 該当資格名の表示回数(Google Search Consoleより取得)

考察

今回、「該当資格名の表示回数が増加」=「該当資格名の検索量が増加」と定義した。ニュースで取り上げられるなど、他の検索量増加要因も調査したが見つからなかったため、ブランディング広告施策の効果と判断した。さらに、一般的に検索量が増えるとCVRが下降する傾向があるが、本事例では下降しなかったことが本施策の成功要因となった。

本施策は他商材にも応用できるが注意事項がある。それは、認知され注目が集まった際にCVが発生するよう、導線や訴求が徹底されているかを今一度検討すべきということだ。

今回は、かねてよりLPのABを繰り返しており、CVRが最も高いパターンで本施策を行ったことが成功に結びついた要因の一つである。もし他商材で検討される場合は、注目が集まった際にCVR本当に高い作りができているかを改めて考え改善を加えた上で検討されるのが良い。

その他、今回副次的な効果として、Facebook広告を展開したことによりFacebook広告のコメントにユーザーの声を集めることができた。ポジティブな意見もあればネガティブな意見(資格取得に対する不安の声)もあった。これを利用し、後日、資格取得に対する不安の声を払拭する訴求をLPに加えたことでさらなるCVR上昇が確認できた。

まとめ:ブランディング広告のメリット

本施策を通して明らかになったブランディング広告のメリットは下記。

① 認知を集め、検索量を増加させることができる
② 新たなユーザーをLPに集めることでLPの実力値を把握できる
③ 露出を増やす機会が増えることでユーザーの反応も集まる

ビジネスごとにさまざまな背景があり、一概にブランディング広告を選定することは得策でない場合もある。そのため、施策の精査は必要だ。

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小田啓介

コンサルタントとして月間広告費1億円規模の広告を管理・運用。
広告事業運営やセールス組織の立ち上げを行い、デジタルラグーン(プリンシプル子会社)の代表取締役に就任。現在はコンサルティング事業部のディレクターとして事業全体を運営。
スポーツアパレル業界でのデジタルマーケティング戦略設計、人材紹介ビジネスでのユーザー質・量改善プロジェクト、商店街のDX推進システム設計、北米進出支援のリード獲得プロジェクトなどデジタルマーケティング全体の支援プロジェクトに参画。

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