Google広告やYahoo!広告は、設定したターゲットに広告を表示できるプラットフォームです。商材によって広告の配信方法を変えたり、ターゲットごとに見せ方を変えたりとさまざまな調整が行え、成果を最大化できます。
ただ、商材によっては「スマホユーザーに多く広告を配信したい」「スマホとタブレットは同じ程度で、パソコンのみ広告の表示を減らしたい」など、詳細に設定したいと感じる方もおられるでしょう。
Google広告でもYahoo!広告でもデバイス別の入札調整は可能です。ただし、その方法については、いくつか注意点もあります。この記事では、Google広告/Yahoo!広告のデバイス別入札調整の方法と、注意点を解説します。
デバイス別入札調整の機能と利点
デバイス別入札調整とは入札単価調整の一種で、広告キャンペーンや広告グループごとに「デバイス別で入札単価を調整できる機能」です。
例えば、限られた予算の中でより多くスマホユーザーに広告を配信したい場合には、予算の8割をスマホユーザーに、残りの2割を他のデバイスに表示するように設定できます。
デバイス別に入札調整を行うことの利点は、「商材に合わせたデバイスに重点的に広告を表示できる」ことです。
広告に触れるデバイスは主にパソコン、スマホ、タブレットの3つがありますが、アパレルブランドの場合を例にあげると、検索方法はスマホがほとんどのはずです。この場合、スマホユーザーに向けて重点的に広告配信することで、効果的なリード顧客の獲得やCVが見込めます。
既にGoogle広告やYahoo!広告を出稿しており「スマホユーザーの方が反応いいな」など明確なデータが取れた場合は、デバイス別の入札調整を利用しましょう。まだ広告配信期間が浅く、データも十分溜まっていない場合は自動入札で十分です。
デバイス別入札調整の計算式
デバイス別入札調整をする際に、単に「パソコンの広告効果が悪いからデバイス別入札単価を調整してスマホの広告配信を増やせばいいんじゃない?」と、単価を引き下げることがありますが、これは間違いです。
最悪の場合、
- 設定が変更されてCVに繋がらない
- CPAが高騰してしまう
など悪循環に陥ってしまう可能性があります。
そうならないために、以下の計算式を用いて「デバイス別入札単価の最適解」を求めましょう。
各デバイスのCVR÷全デバイスの合計CVR×100[%]
こちらで算出したパーセンテージを元にデバイス別入札単価の割り振りを決めることが大切です。
デバイス別数値の確認方法
ここからは具体的にデバイス別数値の確認方法を解説します。
Google広告とYahoo!広告のそれぞれの確認方法を解説するので参考にしてください。
Google広告でデバイス別数値を確認する方法
Google広告の場合は、以下の手順で確認できます。
手順1.まずはGoogle広告の管理画面にアクセスして、キャンペーンをクリック。その後、右上にある「分類」をクリックしてください。
手順2.次にデバイスをクリックすれば、デバイスごとの数値を確認できます。
手順をまとめると以下の通りです。
Google広告でデバイス別数値を確認する方法
- 管理画面のトップページにアクセス
- キャンペーンを選択し、画面右側の分割をクリック
- デバイスを選択
Yahoo!広告でデバイス別数値を確認する方法
出典元:デバイス別データを活用して成果UP!【リスティング広告】
デバイス別入札調整の設定方法
続いては、Google広告とYahoo!広告のデバイス別入札調整の設定方法について解説します。
デバイス別の調整方法としては、+で引き上げ、−で引き下げになります。例として、入札単価100円のスマホデバイスの入札調整を行う場合、+50%変更した場合は、入札単価が150円になります。逆の場合は、50円です。
Google広告のデバイス別入札調整の設定方法
手順1.まずはGoogle広告のキャンペーンを開き、デバイスをクリックします。
その後、画面真ん中にある鉛筆のマーク(編集)をクリックします。
手順2.次に引き上げか引き下げかを選び、パーセンテージを設定します。
金額のイメージについては、前述しておりますのでそちらを参考にしてください。
手順をまとめると以下のとおりです。
Google広告のデバイス別入札調整の設定方法
- Google広告の個別のキャンペーンを開く
- デバイスを選択して鉛筆マークの編集をクリック
- 引き上げ、引き下げとパーセンテージを決めて保存
Yahoo!広告のデバイス別入札調整の設定方法
手順1.まずは管理画面トップからターゲティングを選択、デバイスをクリックします。
手順2.その後、入札単価調整率をクリックし、こちらもGoogle広告同様で引き上げか引き下げか、パーセンテージを設定。最後に変更をクリックすれば完了です。
手順をまとめると以下のとおりです。
Yahoo!広告のデバイス別入札調整の設定方法
- 管理画面トップでターゲティングを選択後、デバイスをクリック
- 入札単価調整率をクリック
- 引き上げ、引き下げ率を設定して変更
出典元:デバイス別データを活用して成果UP!【リスティング広告】
デバイス別入札調整を利用する際の注意点
デバイス別の入札単価を設定するにあたり注意して欲しいことは「自動入札を利用している場合はデバイス別の単価調整ができない場合がある」ということです。
実は自動入札機能を使っている場合は、利用できる入札単価調整は入札戦略によって限られます。以下の表をご覧ください。
Google広告の場合
入札戦略 | デバイス |
---|---|
目標コンバージョン単価 | 目標CPA調整のみ利用可能 |
目標費用対効果 | -100%のみ利用可能 |
クリック数の最大化 | 可 |
コンバージョン数の最大化 | -100%のみ利用可能 |
目標掲載位置 | 可 |
目標優位表示シェア | 可 |
拡張CPC | 可 |
目標インプレッションシェア | -100%のみ利用可能 |
Yahoo!広告の場合
入札戦略 | デバイス |
---|---|
目標コンバージョン単価 | 目標CPA調整のみ利用可能 |
クリック数の最大化 | 可 |
目標費用対効果 | -100%のみ利用可能 |
2つの表に通じて言えることは、クリックを目的としたクリック数の最大化のみであればデバイス別の入札単価設定は可能ということです。ですが、コンバージョンの最適化などにはデバイス別入札設定ができないので注意が必要です。
広告デバイス別入札単価の変更頻度の目安
広告は配信後に思うような結果が出ない場合「予算だけが減って目標の達成ができる気がしない」と焦り、頻繁に広告設定を変更される方がおられますが、Google広告、Yahoo!広告ともに広告デバイス別入札単価の設定頻度は2~3ヶ月を目安に行いましょう。
なぜなら、Google広告、Yahoo!広告ともに広告を配信する際には学習期間があるためです。途中で変更してしまうと「再学習」となり成果が上がるまで時間がかかります。ですので、一度設定したのであればだいたい2~3ヶ月に一度程度で配信設定を見直すようにましょう。
まとめ
この記事では、Google広告/Yahoo!広告のデバイス別入札調整の方法と、注意点を解説しました。データを確保した上でデバイス別設定を行えば、効果の出やすいターゲットに広告を表示でき成果を上げやすくなります。
逆に明確なデータのない状態でデバイス別設定をしても「どのデバイスの効果が一番高いのか」というのはわからないので、意味がありません。まずは、自動入札である程度データを集めてからデバイス別設定に移りましょう。
また、この記事で解説した注意点である「自動入札をしている場合はデバイス別設定ができない場合がある」ことも頭に入れておいてください。