最近の広告運用では、BtoB企業担当者や人材サービスの担当者さんからこんなお悩みをいただきます。
- リードは増えたものの、商談や成約(採用)につながるリードが少ない
- 商談(採用)につながりやすいリードを増やしたい
- 数よりも質を追って広告配信をしたい
今回の記事では、オフラインコンバージョンを使って、このようなお悩みを解決出来る可能性がある広告運用手法について紹介します。BtoCでも活用できる方法ですので、是非参考にしてください。
※今回の記事の「オフラインコンバージョン」の定義は、CRM等で管理する顧客データを指します。また、サイト上でのリードの獲得を「オンラインコンバージョン」とします。
オフラインコンバージョンを使用した広告運用
近年、CRM等を使用して顧客データの管理をする企業が多くなってきたかと思います。それらの顧客データをWEB広告でも活用していますでしょうか。
CRM上にある(広告経由で流入した)顧客データもコンバージョンとして、Google広告やYahoo広告などWEB広告に反映させることができます。
それにより、お申込みフォームを通過したコンバージョンだけでなく、かつその後商談や成約までつながったコンバージョンを、機械学習用のコンバージョンとして反映したり、媒体管理画面上で可視化したりできます。結果、より商談や成約への確度が高いユーザーに広告を配信することが可能になります。
オフラインコンバージョンを計測する仕組み
オフラインコンバージョンを広告側で計測するには、広告側で用意されているGCLID(YahooであればYCLID)を使用します。
GCLIDとは、広告がクリックされた際に自動的にURLに渡される、固有のIDパラメーターのことです。これにより広告のトラッキングが可能になり、CRMに引き継ぐことで、「コンバージョン広告側のユーザー」と「CRM側のユーザー」が紐づけできます。
(Google広告でこの機能を有効にするには、自動タグ設定をオンにする必要があります。)
オフラインコンバージョンの活用方法
実際に上記でオフラインコンバージョンを広告側に取り込んだ場合、オフラインコンバージョンの活用方法は大きく2つあります。
活用方法1. 可視化
1つ目は可視化です。オフラインコンバージョンを広告管理画面上に取り込む事で、通常のコンバージョンと同じように可視化することができます。
それにより、実際に商談までつながっているのがどのキャンペーンなのか、どの広告グループなのか、どのキーワードなのかまで確認できます。
可視化してみると、オンラインコンバージョン上では成果が良く見えていたコンバージョンも、オフラインコンバージョンまで見ると意外にも”商談までつながりにくいキーワード”とわかる場合があります。逆も然りで、オンラインコンバージョンでみると、CPAが高かったキーワードでも、オフラインコンバージョンまで追うとCPAは安い場合もあります。
このように、より売上に近い数値で評価することができ、予算内の費用をより適切に、媒体キャンペーンやキーワードに分配できます。
活用方法2. オフラインコンバージョンをコンバージョン目標に設定し、自動入札を行う
2つ目は、オフラインコンバージョンを機械学習用のコンバージョンとして設定し、自動入札にて運用していく方法です。
取り込んだオフラインコンバージョンを学習のシグナルとして運用することで、契約や採用など売上に近いゴールのユーザーに自動配信できます。
一方で、商材によってはオフラインコンバージョンが月に数件しかない場合もあると思います。その場合、最適化の学習に必要な目安のコンバージョン数に足りないため、複数のコンバージョンを用いて最適化していくのが良いでしょう。
この場合の複数というのは、オフラインコンバージョンだけでなく、オンラインコンバージョンも使用します。
ただしこれら複数のコンバージョンは成約からみた1コンバージョンごとの価値が違いますので、それぞれのコンバージョンに価値の重み付けを行います。そのうえで、ROAS最大化や目標ROASなどのROAS自動入札を行うことで、受注に近いコンバージョン件数が最大化されるように配信されます。
注意点
オフラインコンバージョンを活用して広告運用する際は、以下のことに気を付けましょう。
オフラインコンバージョンのデータ取り込みの期間に注意
オフラインコンバージョンの取り込み期間は90日です。そのためリードタイムが90日以上ある商材の場合は注意が必要です。
下記の例のように、90日以内で取り込めるオフラインコンバージョンを使用しましょう。
- 本商談までが2、3ヶ月かかる場合:「アポ」のステージでのコンバージョン
- 採用まで数ヶ月かかる場合:「1次面談」のステージのコンバージョン
電話コンバージョンに注意
電話が多いサービスの場合は、GCLIDなどのタグを利用することは難しいため、現段階では電話経由のオフラインコンバージョンを取り込むことはできません。
電話経由の申し込みが多い場合は、コールトラッキングなどの電話の効果測定を入れることで対策ができますので、こういったツールを活用してみてください。
まとめ
この記事では、オフラインコンバージョンを使った広告運用戦略と注意点について解説しました。
今回紹介したオフラインコンバージョンを使用した広告運用では、コンバージョンポイントをより「成約」に近く設定することで、より「売上」に貢献できると思います。
まだオフラインコンバージョンを活用した広告運用を行ってない方は是非チャレンジしてみてください。