昨今さまざまな企業がAIを利用したサービスを打ち出し、私たちにより身近なものになってきました。

WEB広告ご担当者の中には、リスティング広告やディスプレイ広告のクリエイティブ(テキスト・画像)の作成に頭を悩ませている方も多いかと思います。限られた工数と費用の中で、AIにクリエイティブ作成を任せられたら楽ですよね。

そこで今回はチャットGPTとAdobe Fireflyを利用し、プリンシプル株式会社(デジタルコンサルティング事業)を例に、実際に広告配信に耐えうるクリエイティブが作成できるのかを実験してみました。

チャットGPTを使用した広告用テキストの作成

まずはチャットGPTで、Google広告に使うテキストアセットを作成してみます。チャットGPTに簡単な指示を出したところ、下記のような回答がでました。

指示:このHPのGoogle広告用のアセットを考えてほしい https://www.principle-c.com/

回答:

【タイトル】
プロジェクト成功のカギは「原則」にある!Principle-Cでプロフェッショナルな経営コンサルティングを体験しよう!

【説明文】
プロジェクトやビジネスの課題に直面していますか?Principle-Cは、実績豊富な経営コンサルタントが、確かな原則に基づいた戦略的なアドバイスを提供します。業界トップの専門知識とカスタマイズされたソリューションで、あなたのビジネスを次のレベルに引き上げます。無料相談を今すぐ予約!

Google広告では、広告の見出しは半角30字以内・説明文は半角90字以内という規定がありますので、今回の回答はそのまま使えません。よって、さらに具体的な指示を追加してみました。

指示:見出しは半角30字以内、説明文は半角90字以内で作ってください。

回答:

広告見出し "成功への戦略パートナー"

説明文 "Principle-Cが原則に基づいた戦略を提供し、ビジネスの成功へ導きます。専門家の助言で成果を最大化。"

まだ一部字数オーバーをしてしまいますが、当初の指示よりは欲しい形に近いもので生成されました。

チャットGPTを上手く使うコツ

より良いアセットを生成するためには、「具体的な入稿規定」や「生成してほしい本数」なども指示してあげる工夫が必要になります。実際に、競合との差別化を強調するように指示を追加したところ、以下のような回答が得られました。

指示:株式会社プリンシプルのGoogle広告の広告見出し(半角30字以内)を5つ考えてください。プリンシプルは競合他社と比較し、データ分析に強みを持っています。

回答:

"データ分析のプロが集結"

"競合を凌駕するデータ力"

"データで勝ち抜くビジネス戦略"

"データ駆使の成功戦略"

"強力なデータ分析で差をつける"

先ほどのものより、具体的で魅力的なアセットが出てきました。これらの広告見出しは、プリンシプルの強みであるデータ分析に焦点を当て、競合他社との差別化を強調しています。

チャットGPTを用いた広告文の作成は、人力と異なり短時間でパターンを量産できるので、自分では思いつかなかったアイデアをチャットGPTから得ることができます。さらに、「ビジネスの目標」や「ターゲットとするユーザー像」、「競合との差別化ポイント」なども追加で指示することで、より良いアセットになる傾向があります。

Adobe Fireflyを使用した広告用画像の作成

次は、ディスプレイ広告に使う画像の素材を、Adobe Fireflyで作成します。実写のコンサルタントが写った男女をイメージし、プロンプト(AIへの指示)を下記キーワードで入力しました。

「コンサルタント WEB スタッフ デジタルマーケティング」

すると、以下の2つの画像が生成されました。


一見どちらの画像も、モデルを撮影したようなリアルな仕上がりに見えます。

しかしよく見てみると、画像の男性の手の描写が曖昧であったり、手前のPCと背景の絵の一部が一体化してしまっていたり、細部に違和感がある画像となってしまっています。こちらをそのまま使用するのは難しそうです。

女性の画像についてはPCに乗せた右手部分が少しぼやけていますが、該当部分をトリミングしたり、テキストやCTAなどを重ねて目立たなくすることで使用することはできそうです。

Adobe Fireflyを上手く使うコツ

より使用しやすい画像を生成させるため、プロンプトに下記太字の指示を追加してみました。

「コンサルタント WEB スタッフ デジタルマーケティング 目線は正面 オフィス 働いている バストアップ

生成された画像がこちらです。

違和感が生じやすい手の描写を避けるように「バストアップ」の指示を付け足し、さらに広告画像としてより強い印象が伝わるように「目線は正面」と指示しました。かなり広告用の画像のイメージに近い物が生成されましたね。

このようにプロンプトの指示を詳細にすることで、使いやすい画像が生成される傾向があります。

まとめ

この記事では、チャットGPTとAdobe Fireflyを利用し、実際に広告配信に耐えうるクリエイティブが作成できるのかを実験してみました。

AIが生成したクリエイティブは、まだそのまま活用できるフェーズではありません。しかし、AIを上手く使うことで、時間の短縮になったり、アイデアの種として使用することができたりします。

うまく活用するためには、生成したいクリエイティブをあらかじめイメージし、できるだけ詳細な指示を出すことが重要です。ここまで読んでくださったあなたも、一度試してみてはいかがでしょうか。

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野口 日菜乃

新卒で入社した大手小売企業で販売・広報・広告などに従事し、株式会社プリンシプルに入社。主に広告運用を担当し、前職の経験を活かしECサイトや人材情報サイトなどの成果改善に努める。

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