プリンシプル戦略チームの曽志﨑寛人です。
プリンシプルの提供サービスの一つに、「マーケティング戦略の立案」があります。

日頃、SEO、Web広告運用、データ解析、解析環境構築といった各デジタルマーケティング領域に特化したご支援が多いですが、デジタルマーケティング領域を横断した関わりとしての「戦略サービス」もご提供しています。

前回のブログでは、弊社の戦略サービスの一つ「現状把握」についてふれたので、今回はマーケティングにおける「目標設定」についてお話していきたいと思います。

マーケティング担当者の目標設定には、「データ」と「ストーリー」の2つが必要です。その手段として、複合的なデジタルマーケティングの活用が、弊社のマーケティング戦略立案です。

なぜ、目標設定には、データとストーリーが必要なのでしょうか。

デジタルマーケティングにおける戦略と目標設定

そもそもなぜ戦略が必要なのか。
「目的を達成するための何を実施したらよいか。」
うまく行っているときは、そのことを深く考える必要性は高くありません。

しかし、現状に満足できず、なんとかして自分たちの目的を果たし、かつ、他社よりも圧倒的に優位性を獲得したい場合は、現状把握から適切に課題を洗い出し、解決に向けて施策を適切に選択し、実行に移していく必要があります。

これが、マーケティングにおいて戦略と目標設定が必要な背景です。

デジタルマーケティングの目標設定が難しい理由

現状把握から洗い出される課題の内、一体どこから手を付けたらいいのか、その優先順位の判断が難しくなるのが、一般的です。

なぜ優先順位の判断が難しいか。確かに、デジタルの世界においては取り扱う膨大なデータ量は、マーケティング担当者の頭を悩ます大きな要因の一つです。

ただ、実際のマーケティング担当者の優先順位判断を難しくする要因には、組織的な背景もあるのではないでしょうか。

①:ヒト・モノ・カネの制約

マーケティング担当者の目的達成に注げるヒト・モノ・カネのリソースは限られているのが現状です。にもかかわらず、マーケティング担当者はより短い期間で、最大の成果の実現を求められます。

人材も揃っており、質の高い商品プロダクトもあり、潤沢な予算がある状況では、すべての施策を同時に実行すれば良いですが、実際のビジネスでは常に何かのビハインドを抱えながら取り組まざるを得ないのが現実です。

そもそも同時並行で、通常業務もこなすマーケティング担当者が、現状を分析し、適切な判断をこなし、ヒト・モノ・カネの最適な配分と順序を意思決定していくことは、決して容易ではありません。

②:組織の合意形成やモチベーション管理

また、マーケティング担当者が課題と施策を整理したところで、その実行にかかる合意形成が組織で執り行われるケースも少なくありません。また、施策の実行も、マーケティング担当者一人ではなく、組織的に実行しなければならない規模のものもあるでしょう。

いずれのシーンにおいても組織を動かすことの障壁がついて回ります。新しい施策ほど始めるときは組織内からの批判を浴び、成果が出ず時間の掛かる施策ほどメンバーのモチベーション維持が課題となります。

マーケティング担当者に求められるエビデンスとストーリー

目標設定がどれだけ正しい判断に基づいて結論付けられているか、組織の大勢の人が納得しうる、かつ、「これは確かに取り組むべきだ!」と声を大にしてしまうようなストーリーに、目標設定を昇華させる必要性があるでしょう。

例えば、数百とあるサービスラインを展開しているポータルサイトにおいて、次なる新規サービスを考えていく場合を考えてみましょう。

まずはそのサイトのコンセプトや顧客価値を軸に、現状どのサービスが良好なのか、利用ユーザーの属性はどんなであるかを、Google AnalyticsやCRM・製品情報など、既存の複数のデータソースをもとにTableauを利用して可視化します。

その結果、「ユーザーはもっとこうしたことを望んでいるのではないか」「既存ユーザーのLTVを上げるためには、最も最優先に取り組むべき目標はこれだ」という仮設立てを行うことができます。ただ、仮設のままでは、組織は動きません。

そこで、この仮設をより説得力あるストーリーに仕立てるために、この仮設が正しいかどうかを、アジャイルに立証します。

考えうる手順。例えば、一時的にWeb広告出稿を強めて集客を促進し、ユーザー行動から需要の有無を示すエビデンスを獲得します。もちろん同時に、性別や年齢、地域性のユーザー特性を得ながらリアクションを把握します。

また、仮設の説得力をさらに強めるためには、ユーザーの声を獲得するべくアンケート設計を行い、回答を集め、集計し、仮設が顧客の心をつかんでいることを立証するために、Tableauを利用して、大いにデータビジュアライズを実行します。

もちろん、このような定性データのセグメント分析を通じて、当初立案した仮設を更にアップグレードすることも大いにありえます。Tableauを利用しながら、データを複合的に組み合わせて分析し議論することができるのが、弊社のアンケート分析の特徴です。

以上のような取り組みを行うことで、マーケティング担当者の頭の中にある仮説をより説得力あるものにします。更には、アジャイルな立証はマーケティング担当者にとって、自身のビジネスに対する理解を深める機会となります。

結果として、マーケティング担当者のなかにビジネスを語るコトバが生み出され、組織を動かしうる「データ」と「ストーリー」に仕上がるということになります。

求められる、スピーディかつ複合的なデジタルマーケティングの活用

SEO、Web広告運用、データ解析、マーケティング・オートーションなど、あらゆるデジタルマーケティング領域そのいずれもが、重要な役割を担っていることは間違いないです。

ただ、ビジネスを構築する責任あるマーケティング担当者の立場では、常に自身の戦略が正しく実行されていること、すなわち適切な目標設定のもと、リソースの最適配分をしていることを示す必要があります。

そのためには、あらゆるデジタルマーケティングを同時かつ複合的に組み合わせて、自身のビジネスの立ち位置に確固たる根拠と意味付けをしていかなければならず、マーケティング担当者に求められる水準は低いものではないのが実情です。

プリンシプルがマーケティング戦略立案をサービスの一つとしているのは状況のような背景からです。もちろん、施策の実行に伴奏し、目標に対する進捗管理とともに、成果の見える化でもご支援させていただきます。

以上、プリンシプルにおけるマーケティング戦略立案のコンサルティングサービスの一部ご紹介でした。

プリンシプルの戦略ブログ、次回は「③短期アクション案」についてを予定しています。

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曽志崎寛人

戦略マーケティングコンサルタント。アクセンチュアにて、ITコンサルタントとして、国内大手企業向け管理会計他ERPの海外展開プロジェクトに従事。

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