Webサイト改善はサイトの目的を設定してから
サイトの目的を設定せずにサイト改善を行うのは、地図を持たずに旅に出るようなものです。セミナーに参加し、講師のおすすめを鵜呑みにして自社のサイトに適用させたり、ツールを導入しようとしたりするという方も多いのではないでしょうか。
しかし、企業の活動が一様ではないように、サイトの役割もまた企業によって様々です。セミナーの内容が自社の業種やサイトの目的、現状に則しているのか一度考える必要があります。
この記事では、Webサイトの種類と目的を整理し、KPI設定のノウハウを紹介します。併せてKPIモニタリングのおすすめツールも紹介するので、是非参考にしてみてください。
Webサイトの種類と目的
サイトの目的は下記のような種類があり、サイトの目的もまた様々です。
サイトの種類
- ブランドサイト
- コーポレートサイト
- ランディングページ
- 採用サイト
- ECサイト
- オウンドメディア など
サイトの目的
- ブランディン
- 集客
- 商材の購入
- 採用の強化
- リードジェネレーション
- リテンション など
WebサイトのKPIを設定するノウハウ
サイトの目的に応じてKPIを設定する
WebサイトのKPI(Key Performance Indicator、重要指標)を設定する際には、サイトの目的に応じて最適なものを選択します。
例として、サイトの目的に応じたKPIを下記のように策定しました。
目的 | KPI(例) |
---|---|
ブランディング | 回遊時間、非直帰率 |
集客 | PV、UU数 |
商材の購入・申し込み | 購入数、売上 |
採用 | 採用申込数 |
リードジェネレーション | お問い合わせ数、ホワイトペーパーダウンロード数 |
リテンション | 既存ユーザ訪問数、解約率 |
KPIツリーは誰が作ってもほとんど変わらない
サイトの目的を考慮し、定量的にモニタリングできるようにKPIを設定することは重要です。しかし、「KPIツリーは誰が作ってもほとんど変わらない」という経験則もあります。
KPIツリーの策定を支援会社にお願いされる場合がありますが、KPIツリーの策定に関わる隠された独自のメソッドなどはあまり聞いたことがありません。論理的に考えられる方がいれば、KPIツリーは社内で作っていただいたもので構わないです。
効果を測るKPIは、企業の状況によって異なる
障害等が発生した際に影響が出るような「直帰率」や「離脱数」は永続的にモニタリングすべきKPIです。しかし、パフォーマンスを計測するKPIは、企業のフェーズによって設定すべき指標が異なります。
例えば、これまで全くサイトに手を加えてこなかった企業が、最初からお問い合わせ数の少なさを嘆いても仕方がありません。お問い合わせに至るまでのステップを把握し、どのステップが改善の伸びしろが大きいのか見極めてから改善する必要があります。
また、KPIの伸び率はどこかで頭打ちになります。いくら施策を打っても、トップページの直帰率を0にすることはできません。どこかで見切りをつけて、新たな伸びしろがある部分を探す必要があります。
KPIをモニタリングし、PDCAを回し続ける仕組みが重要
多くの企業では、下記のような理由からPDCAを回すことを止めてしまうケースが多いです。
- PDCAを回すリソースが足りない
- 何をモニタリングしていけば良いか分からない
- 施策を実施しても、効果が出ない など
PDCAを促す工夫の一つが、事前に「どの指標の数字が悪くなったら、どのようなアクションを取るか」を組織として決めておくということです。こうすればアクションを起こしやすいはずです。
多くの企業では、PDCAのPlan(企画)・Do(実行)部分で終わっているため、Check(分析)・Action(改善)部分を支援会社に任せるという考え方も頭の片隅に入れていただきたいです。
KPIをモニタリングするのにおすすめツール
最後に、KPIをモニタリングするために便利なツール2つを紹介します。弊社でも実際に使用しています。
Google Data Portal
Googleが提供する無料のBIツール。使い勝手がよく、自分が見たい指標をカスタマイズしてダッシュボード作成ができます。ビジュアライズの方法や接続可能なデータが限られている点がデメリット。
※説明:コネクタでは、基となるデータにデータポータルが接続されます。データに接続すると、データポータルにデータソースが作成されます。(例:https://support.google.com/datastudio/answer/6268208?hl=ja)
Tableau(タブロー)
Tableau社が提供する有償のBIツール。簡易なデータ分析やダッシュボードを作るのが簡単で、データを深堀りして確認したい際などに有用。
様々なデータソース(Excelファイル、Salesforce、AWS Redshiftなど)を組み合わせて分析できるため、分析前のデータプリパレーションが容易。1ライセンスあたり約10万円のため高額な点がネック。
次の打ち手に困ったらプリンシプルへご連絡を
サイト改善を社内だけで回すと客観的にサイトを確認できなくなったり、打ち手が枯渇してしまったりすることがあります。弊社では、現状の把握から、新たなマーケティング施策をご提案しますので、お気軽にご相談ください。