私はプリンシプルでTableauエンジニア兼Webマーケティングコンサルタントとして、GA4分析からダッシュボード構築、さらには営業提案まで幅広く支援しています。
また、2018年からデジタルマーケティング業界に関わっており、さまざまな企業に提案・支援してきた中で、最近強く感じていることがあります。それは、「デジタルマーケティングは“打ち手”が出尽くしている」ということです。
デジタルマーケティングは“打ち手”が出尽くしている
現在は、ほとんどの企業が広告も解析もPDCAを実施しております。
- リスティングやリターゲティング広告の最適化
- GA4や探索レポートによるサイト改善
- 基本的なSEO施策(テクニカルSEO・コンテンツ設計・制作)
上記のような基本的な施策はすでに実施されており、競合も増え成果にも直結しづらいフェーズになっていると思います。提案やコンサルティングをしていると、これまでにない“新しい視点”が求められていると感じます。
「その先」を見据えた支援が必要になっている
上記のような背景から、今は“点”ではなく“面”で見るマーケティング支援が求められているのではないかと感じます。
例えば以下のような内容です。
- 広告×CRMデータ統合
→ オフラインデータを広告媒体に連携し、LTVベースでの最適化やリードスコアリングを実施 - BigQuery×GA4で高度分析
→ 商談化ユーザーや店舗購入者の行動ログを深堀りし、再現性あるコンテンツ戦略へ展開 - SEO×広告の横断的設計
→ 検索カバレッジを総合的に分析し、検索広告で拾いきれていないニーズをSEOで狙う - 中間KPIの再設計
→ ブランディング広告実施時の本質的な評価軸を設け、短期指標だけに振り回されない戦略運用へ
これらはすべて、「デジタルマーケティング単体の支援」から一歩踏み込んだ、“事業成長に資する支援” だと思います。
顧客理解から、戦略は始まる
また、支援の現場や営業の場面でよく耳にするのが、「顧客理解が十分にできていない」という声です。タスクが多すぎたり、社内視点が強くなりすぎたりすることで、ユーザーのリアルな体験や行動の動機を捉えきれていないという課題を感じている企業が多くあります。
そこで私は、対象サービスを実際に使いながら、
- どのタッチポイントでどんなデータが取得されるのか
- どんな場面で「使いたい」と思ったか
- どの体験が「満足」につながっているのか
などを観察・記録し、仮説を作ります。これら仮説をもってGA4やCRMデータを見ることで、より深い洞察が得られます。
マーケティングとエンジニアリングをつなぐ「橋渡し役」として
また、Tableauダッシュボ-ド構築を支援する中で、webマーケティング以外のデータに触れることも増えました。
- 会員データ
- 実店舗のPOSデータ
- コールセンターの対応ログ
etc
これらのデータを統合して分析することで、Webだけでは捉えきれなかったユーザー行動の全体像が見えてきます。
たとえば、
▼来店者が来店前に見ていたページ傾向
▼商談化したユーザーがよく読むコンテンツ傾向
など、「購買」や「商談」といった最終成果につながる因子を、データから逆算できるようになります。一方で、データ統合を進める上では注意すべき点も多く、このあたりも実務を通してその重要性を実感してきました。
こういった“事業全体を見据えたデータ設計・分析”ができるようになってきたのは、エンジニアとコンサルタント、両方の立場を経験してきたからこそだと感じています。
最後に:支援の価値を、もう一度問い直す
現在、多くの企業が「部分最適」ではなく「全体最適」を重視する傾向にあると感じています。それぞれの施策の最適化ももちろん重要ですが、「事業としてどう成長させていくか」を共に考えるパートナーとしての視点も求められていると、強く感じます。
私自身まだまだ至らない部分もありますが、これからも広い視点を持ちながら、お客様にとって本質的なソリューションを提供していきたいと考えています。