こんにちは、プリンシプルの菊池と申します。

プリンシプルには2016年にジョインし、SEO×解析、広告×解析など、集客×解析という掛け合わせを通じて、コンサルタントとしてお客様企業のデジタルマーケティング支援を行なってきました。

おかげさまで弊社も順調に大きくなり、ここ2-3年は、デジタルマーケティングの「戦略」から任せたいという、範囲も規模も大きなご相談をいただくことが増えてきました。個人としてはプロジェクトマネジメントを担う役回りでのご支援も増えてきております。

従来は技術的内容のブログを書くことも多かったのですが、今回はデジタルマーケティングの運用体制という少し俯瞰した視点から、現在の課題認識をまとめてみたいと思います。

デジタルマーケティングは人不足(注釈付き)

人材不足はあらゆる業界で言われていることですが、デジタルマーケティング分野においても同様とうかがえます。

以下のファベルカンパニーさんの調査はマーケティング部門を対象としたものですが、多くの企業経営者がデジタルマーケティング人材の不足を実感していることがうかがえます。
※質問はマーケティング部門に対してだが、回答のうち多くをWeb関連施策への不足感が占める。

実際、同様の問題意識によりわれわれも十数社のお客様企業、現場責任者サイドの方々にインタビューを行ないましたが、各社とも同様に人材不足を話しておられました。

デジタルをできる人が居ない

デジタルマーケティングの人材不足を嘆く回答には「人員自体は多いんですけどね」という注釈がつくケースがいくつかありました。会社に人は居るのだがデジタルをできる人が居ない、ということのようです。

実際、デジタルマーケティングのコンサルティング経験を通じてうかがえるのは、企業のデジタルマーケティング担当者がいくつかの役割を兼任しているケースが非常に多いことです。兼任を「できる」のは少人数の優秀な人々が将来あるデジタル関連の役割を任ぜられている、と考える一方、やはり業務が集中して大変そうです。

つまり、人員はいるのだがデジタルマーケティングのスキルを持っている人材が少なく、一部の持っている人にその業務が集中してしまっている、ということが現状と考えます。なお、成果が刻一刻と変化するECサイトのデジタルマーケティング関連部署では、とくにそうした傾向が強いように感じます。

自身でしかできないことの選択と集中

今回の提案は、企業のデジタルマーケティング部門の方々は自身のやるべきことに集中する、その第一歩としての業務棚卸しのススメです。

先に挙げた人材不足の現状を打開するには

  • デジタルマーケティング人材の育成
  • デジタルマーケティング人材の外部調達

という2つの策が考えられます。いずれも、人材のいない段階においてはアウトソースの必要がある事柄です。でも、ちょっと待ってください。何をアウトソースし、何を自身で行なうか。この吟味が重要だと私は考えます。

デジタルマーケティング部門は考える範囲が広い

われわれが日々接するデジタルマーケティング部門の方々は、デジタルのことだけを考えれば良いというケースは極めて稀です。

ECであれば商品や価格政策についても大小関与しなければならないことが大半でしょう。BtoBであれば営業サイドとの連携が不可欠です。それらと並行してWebサイト上の戦略立案や施策決定を、長期視点を持ちながら行なう必要があります。

他方、先に述べたようにPDCAを回すほど成功確率が上がる、短期周期での実行密度がものをいう類のものでもあり、つい自身でもできてしまいます。(実際うかがう限り、少ない要員の中でサイト担当者が作業レベルまで手を動かしているようです。)

「作業」には以下の内容が挙げられます。
コンサルティングやインタビューなどにより整理したもので、これも、という作業があれば是非。

  • GA4などのアクセス解析
  • メルマガ執筆、配信
  • オーガニックソーシャル投稿、コメント
  • A/Bテスト運用
  • MA運用
  • LINE運用
  • Amazon運用
  • 楽天SHOP運用
  • アプリ運用
  • 商品フィード運用管理
  • KPIダッシュボード管理
  • LP運用、制作会社へのディレクション

上記のそれぞれに定点観測と効果検証のための定期レポートやアドホックレポート作成が付随します。これだけで、1週間が埋まってしまいます。

アウトソースの判断のために業務の棚卸しを

これらのアウトソースは担当者にとって作業を切り離すことが目的でなく、成功確率向上を目指しリソースを最適化することに主眼があります。

中の人として全体をディレクションしながら、作業自体はアウトソースする、というバランスが必要であり、そのための棚卸しが重要だと考えます。

まとめ

冒頭で引用したデジタルマーケティング人材の不足は、その重要性が増していることの裏返しとも言えます。人材不足の解決には、ひとつには育成、もうひとつは適切なアウトソースが考えられます。

デジタルマーケティングの成功のためには、担当者は中の人として自身でやるべきことを選択し集中することが重要です。まず第一歩として、業務の棚卸しを実施されることをオススメします。

プリンシプルでは、育成のためのデジタルマーケティング研修、適切なアウトソースのため、共に考えて欲しいというニーズに対する従来のコンサルティングに加えて、手が足りないというニーズに対してリソースをお貸しする支援も開始しました。「やるべきことは明確なのだがそれらを実行するための手が足りない」という方もぜひお問い合わせください。

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菊池浩之

一橋大学商学部卒。2016年プリンシプルへジョイン。2023年から新規事業開発部 責任者。解析、SEO、広告の知見を掛け合わせたアプローチによる実績多数。

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