はじめに
サイトリニューアルの目的はサイトの種類によって目的はさまざまです。コーポレートサイトであればブランディングの目的、ECサイトのようにCVを増やすといった目的もあるでしょう。また、サイトは同じでも担当者の立場によって、普段追っている目的がことなるためにコーポレートサイトであるからブランディングということは一概に言い切れません。
担当者によっては、広報部主導のブランディング目的のサイトであっても、マーケティング担当者はリードを獲得したいと考え導線を強化しようといった発想も出てくることと思います。一般的な流れではリニューアル検討時では、要件定義の前に各担当へヒアリングし課題を抽出、その後、要件として落とし込みます。
要件定義時にご相談を頂き、目的に関係なく必ずと言ってよいほどご検討頂いているポイントがございます。それはサイトリニューアル前後の計測環境整備、サイトリニューアル時のSEO、サイトリニューアル後のコンテンツの運用基盤です。
今回はサイトリニューアル時の要件として必ず抑えておきたい3つのポイントについてご紹介します。
サイトリニューアルのきっかけ
普段弊社に頂く際の目的をお聞きすると下記の主要理由が挙げられます。
- だいぶ前に制作してデザインが古くデザイン性を高めたい
- 商品・サービス個別に情報を更新してきたため整理して統一性を高めたい
- サイト構造を見直してSEO視点のサイト構造にしたい
- 日頃のサイト回遊データから直帰率やCVRといったKPIを高めたい
- スマートフォン対応ができていない
上記のリニューアルのきっかけを分別し指標と紐づけると
- ✔ デザインの刷新(CVR向上)
- ✔ CV獲得(ユーザー数とCVR向上)
- ✔ 情報の整理(コンテンツ更新体制整備)
に大別されます。
サイトリニューアルの目的整理
デザインの刷新(CVR向上)
サイトのデザインを刷新することでユーザーが利用しやすい、親しみやすいサイトとなり問い合わせや購入する率を高めようというものです。Webの知識が浅い方でもサイトリニューアルの期待として最も高いのではないでしょうか。
CV獲得(ユーザーの数とCVR向上)
SEO上の課題をリニューアル時に解消させ、自然検索の流入増加を目的とすること。また、SEO上の課題を解決させることはユーザーにとっても利用しやすいサイト構造となりますので、合わせてCVRの向上が期待できます。
情報の整理(コンテンツ更新体制整備)
サイト制作後、個別のサービス・コンテンツの更新を行っていたものを、整理することでコンテンツ更新を一元管理することを目的とするものです。こちらの整備がうまくいくことで、例えばコンテンツに接触したユーザーの行動を分析しCVに繋がっていればコンテンツ更新のKPIに分析結果を反映することができます。
目的実現のために押さえておきたい3つのポイント
①サイト指標のデータ取りまとめと計測の継承
サイトの各指標をリニューアル前後で比較するために指標をまとめておきます。リニューアル前ではこれらの指標の目標数値の基準として活用します。こちらの数値まとめは普段取りまとめしているものか、お使いの計測ツール(Google AnalyticsやAdobe Analytics)で蓄積されているものを参考にしましょう。
そして、リニューアル後、現在計測できている数値を同条件で計測できるようにすることは必須要件として定義します。リニューアル前後で比較できるようにする為です。
また、計測要件を考えるにあたり現在計測はできていないが、計測するべき指標は新たにサイトリニューアル後計測できるようにすることも要件として検討しましょう。
良くある追加計測内容(Google Analytics 拡張Eコマース実装)※ECサイトの場合商品ごとのカートイン率、商品情報クリック率が取得可能になり、デバイスごと/参照元ごとでカート・決済プロセスのどこまで進んだかが標準レポートで見られるようになります。
この実装により「商品詳細ページへ到達率が低い」という課題があればサイト内ナビゲーションの改善やサイト内検索の改善。「カート投入率が低い」という課題があれば商品ディスクリプションの追加/修正やレビューの掲載。「カート完遂率が低い」という課題があれば決済手段の多様化・ソーシャルペイメントの導入などの改善策を数字を元に考えることができるようになります。
この実装はあくまで一例ですが、「この数値を計測するによって改善策の根拠にできるのではないか」といった数値はこのリニューアル時のタイミングで検討してみるのが良いでしょう。
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②SEO課題の取りまとめとリニューアル時のSEO上の注意
普段、「課題と認識してはいるもののなかなか開発要件に乗せられない」そういった課題をリニューアル時には反映ができるようまとめておきましょう。こういった機会に実装ができなければこれから先も実装されることはないでしょう。という気構えで臨みましょう。
また、サイトリニューアル時、SEO視点での注意が必要です。下記グラフはあるアパレルECサイト様の流入指標を表した数値です。リニューアル前後で1日あたり30%のセッションが減少したという失敗例もございます。
失敗した要因は下記の理由でした。
- CMS切り替えのため、URLの引き継ぎルールが煩雑。リダイレクトがなされていないor TOPに向いていた
- SEOに配慮していないCMS仕様により、大量の低品質/重複コンテンツ URLが生成
- メンテナンス期間中のサーバーレスポンス処理
反対にリニューアル前後でうまく対応ができると、成功するケースも多いです。下記のグラフは婚活系サービスサイトの事例で、ビッグワードで1位を獲得することができ流入を大幅に伸ばしたというケースです。
その際に実施したことは、下記の項目です(一部抜粋)
- SEOの流入貢献コンテンツを洗い出し
- SEOを重視したサイトマップの再設計
- 大量にあったユーザー投稿コンテンツ(削除予定だった)を残すことにし、適切にカテゴライズしツリー構造に設計。
- 本当に不要なコンテンツは適切にリダイレクト
- カテゴリやタグの効果的な設計
- 重複や低品質コンテンツを生んでいた動的ページを正規化
- タイトル、ディスクリプション、コンテンツのワーディング
- コーディングルール作成
このようにサイトリニューアル時にSEO視点を盛り込み構築していくことは、リニューアル後のサイトの命運をわける要素の1つとなります。
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③情報の整理とコンテンツ更新の指針
リニューアルをきっかけに情報を整理して、各カテゴリ・構造に正しく掲載するといういったことはとても重要です。サイトを管理する側でだけでなく、ユーザーが情報を見つけやすくなることで費用を投じて作成した情報・コンテンツがユーザーの目にふれやすくなります。
その際、重要になるのが整理した情報やコンテンツをこれからどのように扱っていくのかということです。企業として、新しいリリースがあるたびに発信するだけでなく、そのリリースによってどれだけの注目を集めたかといった観点は社内でも重要なKPIになるのではないでしょうか。
また、ECサイトの場合であれば「特集ページを作成したが本当に売上に繋がっているのだろうか」といったところは気になることでしょう。
そういった情報やコンテンツを発信していく体制を整える上で、コンテンツを分析する体制作りが重要です。
下記のダッシュボードはコンテンツを軸に、コンテンツに振れたユーザーが将来どれだけリピートをしてくれたのかを分析したものです。
サイト上の情報整備後、ダッシュボードを構築しておくことでサイトリニューアル後のコンテンツの運用指標が整備され、広報やブランディングという視点でもサイトのリニューアルをしてよかったと評価できるのではないでしょうか。
その他にもサイトを運営していく上で、計測ツールの管理画面からだけでは見えてこない数値を見える化させるといったことも合わせて検討することを推奨します。
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最後に
今回はサイトリニューアルの目的問わず必ずご検討頂いているポイントについてお伝えしました。
サイトリニューアルをご検討されている方はぜひ一度ご相談ください。
サイトリニューアルは多数の関係者が関わり、スケジュールもタイトになることが多いです。弊社では、専門のコンサルタントの他、全体のプロジェクトの進行管理を行うプロジェクトマネージャーを配置しご支援しております。お気軽にご連絡ください。
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