似田貝:今日は米国トレンドのインフルエンサーマーケティングについて、今日も株式会社Principle似田貝とクリス・イリザワの2人でお送りしたいと思います。

今日はインフルエンサーマーケティングのトレンドなんですけど、なぜこのテーマをピックアップしたのですか?

クリス:最近マーケター向けのサーベイ(調査)とか見ていたら、インフルエンサーマーケティングのキャンペーンによる顧客の質が良いのか、その他のマーケティングチャネルよりも優れていると思うか、という項目で、72%ぐらいのアメリカのマーケターが「はい(YES)」と回答しているのを見ました。

マーケティングチャネルとしては新しくないと思うのですけども、あまりデジタルマーケティング(特に広告予算など)に出てこないなっていうことを思いました。このチャンネルの視聴者は興味あるかなと思ったので、お話したいと思います。

似田貝:インフルエンサーマーケティングということなので、マーケティングファネルで言う、「ブロードリーチ」みたいなところで使われるというよりは、準顕在的な、「ちょっとブランドぐらい知ってる」セグメントに刺さるのかなと。その意味で、ファネルの真ん中ぐらい(middle of funnel)な感じでしょうか。

クリス:そのぐらいの位置としての認識が正しいかなと僕は思ってます。やはりそこにお金かけるマーケターって、何もない更地から認知を上げるための広告を打つというわけではなくて、自分の顧客のプロファイルが、インフルエンサー・クリエイターさんのフォロワーにすごく似ているから、そこに直接(広告の代わりに)、インフルエンサーに告知してもらう・宣伝・プロモーションをしてもらう、という意味で、この(ファネルの)真ん中だと思います。

似田貝:特にこの後出てきますけど、メガインフルエンサーとマイクロインフルエンサーの話の、マイクロインフルエンサーが起用されるようになってきている、というトレンドの中で、準顕在に近いと思ったので、ファネルの話でした。

早速なんですが、インフルエンサー市場・マーケティング市場から、クリスさんにご説明いただければと思います。

クリス:そうですね、BusinessInsider.comの調査をフォローしてたら、2022年までに、今のインフルエンサーマーケティングと言われている市場のチャネルに最大150億ドルぐらいマーケターが費やすと推測されています。2018年のデータでいうとInstagramが56.7億ドルで1/3弱を占めています。残りの割合はデータとしては見えなかったのですが、推移としてはすごく伸びています。

他のマーケティング調査、2020年5月の調査では(参考:CTVのエピソード)、コロナ禍で多くのマーケティング予算がデジタルに動いてるという話をしましたが、コロナでインフルエンサーマーケティングへの予算配分が逆に減ったと答えたマーケターが多かったということで、このチャネルはデジタルとはまた違う方向に向いているようです。こういうデータを見ると面白いなと思います。

似田貝:インフルエンサーマーケティングと言った時に、プラットフォームとして特にInstagramは日本でも有名だと思うんですが、アメリカでのプラットフォーム事情として、クリスさんが何枚かチャートを用意しています。アメリカだと、Googleトレンドのデータで、赤い線がYouTube、青い線がFacebookで、黄色い線がInstagramですが、それが1位、2位、3位という感じでしょうか。

クリス:そうですね。Googleトレンドで検索する人目線で考えると、検索するSNSは二極化しているかと思いきや、2017年から19年頭ぐらいまでは(おそらくSNS人気度の意味で)Facebookが独占していたようです。現在2020年、2021年までのデータで、FacebookとYouTubeが横ばい状態です。

またInstagramは結構マーケターが費用を掛けるところだけど、Googleサーチで何かユーザがインスタグラムを探すとかなると、Twitterと同じで比較的横ばい。Twitterの場合だとちょこちょこスパイクが最近上がってるのは、大統領選挙で何かとトランプさんが話題になっていることが一つの要因。もう一つのポイントはTikTokの人気がGoogleサーチと比例しているところが面白いと思います。そういった意味でも、アメリカでもTikTokが上昇トレンドにあるのがポイントですね。

似田貝:そもそもソーシャルメディアを検索するっていうことってどれぐらいあるのかみたいなことからすると、話題性があるところで、Facebookの事件とか、そういうので検索数は結構あるかなみたいな感じなんですかね、データで言うと。

クリス:検索する人のプロファイルというか、ペルソナというか、いろいろ混在してると思うんですが、マクロで見たときに向いている方向が結構面白いと思います。

YouTubeはGoogle検索と連動していますよね。Twitterは何かとニュース目的で検索され、場合によってはGoogle検索から入ってTwitterに流入して、間近なニュースをチェックするみたいな検索行動もあると思うし。サーチしてからアプリダウンロードすることもあるし…検索からプラットフォームへ入る理由はたくさんあると思います。

似田貝:そうですね、検索トレンドはそんな感じだと思います。

クリス:このスライドは、むしろインフルエンサーマーケティング、そのマーケターが多分こういうふうにキーワードを探す・検索すると思います。実際見てみると、サーチボリュームが上がってるってことは、さっきのInstagramのスペンドが伸びているように、やはりマーケターのインフルエンサーマーケティングに向けての投資とか興味っていうのは上がってきてるっていうのは、ここでエビデンス(証拠)として出てますね。

似田貝:今までの資料は、プラットフォームがどんな感じで検索されてるかっていう話と、インフルエンサーマーケティング自体の検索数が伸びてきてるよねっていう話だったんですけど、その中でどのプラットフォームがインフルエンサーマーケティングに実際使われてるのかっていうところで見ていったっていうのがこのチャートですかね。

クリス:そうですね、ここで使われているデータでクリエイターIQっていう、企業とクリエイターとのマッチングやインフルエンサーマーケティングを支援しているツールですかね。そこが、4000人ぐらいのマーケターを調査したデータなのですけども、そのインフルエンサーマーケターがどこで、どのプラットフォームに向けて広告費用を出すとか、どういうところのプラットフォームでインフルエンサーを探してキャンペーンを打とうとしているのかという調査。それを見ると、SNS使用率ではInstagramがダントツに多く利用されていて、やはりマーケターもそこにお金を入れていますね。それが毎年伸びているトレンドがあって、それとは逆に、Facebookが落ちてるっていうのがなかなか、さっきの検索のトレンドとすごく似ていて面白かった。

あとPinterestですね。日本だとYouTuberになりたい人がいる中、僕の予想だと日本のインフルエンサーマーケティングに関してはInstagramとYouTubeよりだと思います。アメリカはInstagramが独占していて、Facebookが衰退して、むしろTwitterとYouTubeあたりがその後にきて、Pinterestが伸びてるっていう状況です。

似田貝:なるほど。YouTubeよりもTwitterの方が使われてるってことですね。

クリス: そうですね、インフルエンサー的には何かそういうデータの結果になってますね。TikTokもさっきのスライドに出てきたので、このチャートにはTikTokのトレンドが出てきてこなかったので、やはり無視してはならないトレンドとしては、2019年のQ1あたりで見ると、TikTokのダウンロード数がSensor Towerのデータによると33ミリオンダウンロードがあったということです。iOSApp Storeだけども。なので、YouTubeに似ているんですよね。こういうデータって新しい携帯買ったときとか、むしろ若者が携帯買ったとか、そういうトレンドで結構ダウンロードされてるんじゃないかなと思ってます。(マーケターへの調査とは違うと言う意味で)

似田貝:なるほど。これ、つまりクリエイターIQのデータにはTikTokと、右側にある、インフルエンサーマーケティングハブのデータと比較するとSnapchatが、クリエイターIQの方には載ってないということでしょうか。

クリス:Creator IQの方にはあるのですが、インフルエンサーマーケティングとお金を投資するところというと、この左側の5つの部分がずば抜けて多くて、何かしらのトレンド伸びているか、下がってるかって、Snapchatとボリューム数的には多分まだインフルエンサーマーケティングがお金払うという意味では、そもそもSnapchatって多分若いティーンネイジャー系の人たちが使ってる傾向があるので、そこでマーケティングするっていうなところが結構壁だと思います。株価は伸びているみたいですね。今後ちょっとまだまだ伸びしろもあるし、チャンスあると思います。まだそのFacebookやInstagramみたいなモネタイゼーション(収益化)の部分でまだまだっていうところがありますね。

似田貝:TikTokもそういう意味では、ティーンエージャー向けな感じもしてたんですけど。

クリス:キャッチアップがまだあれじゃないですか、スナップチャットよりも大人もやってる感じがしますね。

似田貝:なるほど。僕もちょっとTikTokは中毒性あるなというか、ずっと見ちゃうじゃないですか。だから時間を取られるなと思って、即刻アプリを削除しました。でも確かに大人でも使ってる人は日本でも何人か聞いたことがあるので、そういう意味ではSnapchatもマネタイゼージョンやりやすいんですかね。

クリス:そうですね、元気のある方がやるっていう感じですね。見る分にはいいかもね、僕的には年齢が絡んでるかもしれませんが。

似田貝:なるほど、クリスさん的にはこの中だと、どれが一番見てるかなとかありますか。

クリス:いや、僕はYouTubeですかね。

似田貝:はい。僕もそんな感じがするんですけど、ちょっと多分、スクリーンタイムとかでiPhoneで見たら、多分そういう結果が出てくるのであろうなとは思います。なんかあれですね、ご自身のデータの中で、自分のコンサンプション(消費)と、この自分の時間消費量とマーケティングのお金が向いてるところのギャップとか見ると、ちょっと面白いですよね。

クリス:うん。YouTubeってどちらかでいうと、ビデオ広告みたいな形でマネタイズされてる中、インフルエンサーにお金が流れているとすると、そもそもYouTube番組をちゃんと配信してる方だと思う。もちろんアメリカ・英語圏だとビデオの量があると思うんですけども。インスタグラムと比べると、多分(インフルエンサーの数)少ないんじゃないかなと思います。やはり、それなりの機材とか準備したり、ちゃんとやろうとすると、すごいお金と時間かかりますしね。ストリーマーとかTwitchの方にいるし、ゲームのですね。だから、インフルエンサーとして、YouTubeで儲かってる人って結構偏ってるんじゃないかなと思っています。

似田貝:はい。日本の参考までなんですけど、日本のGoogleTrendsのSNSの検索数で見ると、圧倒的にYouTubeがすごい多いですよね。

クリス:そうですね、やはりこんな感じのイメージしてましたね、日本の場合は。

似田貝:でも、緑はこれについても、Twitterは日本結構流行ってますものね、ずっと。流行ってるっていうか、もうなんか当たり前のものになってますね。

クリス:つぶやきって言うのですよね。

似田貝:Instagramは、ここ2017年から見ると、若干高いところまで来て、なんていうか、平滑化されてきてるというか、伸びもせず、下がりもせずみたいな感じなんですかね。

クリス:そうですね、年齢のところもちょっと関わっているというのは僕の仮説なんですけど、どうなんでしょうね、データを見ないと分からないですけど。Twitterって、電車の中でも、おじさん、おばさんでも、誰でもつぶやきを見てたりとか、ポチポチツイートしたりとか、リツイートしたりとかできるんだけども、インスタグラムとかはイメージとか、結構センス問われるじゃないですか。だからそれをメッセンジャー機能としてっていうよりも、イメージをコンスーム(消費)するイメージ。クリエイターっていうのも結構若めな方達が多かったりとかすると、何て言うんだろう、(Twitterみたいな)ニュース性がないじゃないですか。僕はそういった意味で年齢層が結構ギャップあるんじゃないかな、っていうのが憶測ですね。日本でもTwitterはまだ伸びてる感じがしますね。Facebookはもともとそんなにニッチで使ってる人が少なかったですね。

似田貝:そうですね、多分マーケティングっていう意味では、Instagramが一番肝、日本でそうなんじゃないかなって、勝手に思ってるんですけど。ちょっと調べてないので分からないですが。アメリカでは少なくともInstagramが一位ってことですよね。

クリス:そうですね。むしろマーケターが予算を消化するところで言うと、アメリカに近くなってくるんじゃないかなと思ってます。

似田貝:そんな状況は、日米の違いはあるのですけど、トレンドとしてマイクロインフルエンサーを活躍し始めてるっていうのがちょっと面白いなと思いました。まず、マイクロインフルエンサーとメガインフルエンサーの定義が下のところにちょっと細かく書いてあります。メガインフルエンサーは、100万フォロワー以上の人をメガインフルエンサーと呼んで、マイクロインフルエンサーは10万フォロワー未満の人たちのことを言います。メガインフルエンサーって、フォロワー数だけで言うと、なんかヒカキンみたいな人とか、はじめしゃちょーみたいな人が日本で言うと、メガインフルエンザーになるのかなと思います。

クリス:そうですね、アメリカのメガインフルエンサーの代表にカイリー・ジェンナー、アリアナ・グランデとかね。

似田貝:はい。ここで言うと、2016年まではメガインフルエンサーが1に対してマイクロインフルエンザ3ぐらいの割合で、インフルエンサーマーケティングとして使われていたのが、2019年はマイクロインフルエンサーがインフルエンサー1に対して、10という、マイクロインフルエンサーに頼る企業が増えてるって感じですかね。

クリス:そうですね。厳しく言うと、フォロワー数ってあまり意味なくなってきてるんじゃないかなと思ってます。むしろ小さいオーディエンスを持っていて、すごくニッチでコアなフォロワーがいたら、企業はむしろそっちの方がすごくターゲティングっていうか、しやすかったりリーチしやすかったり、意味のある結果になるのかなって思います。個人的なあれなんですけど、なんか日本のイノシシを狩りをするビデオみたいなのを見ていたのですけど、例えば自分がハンティング系の物を売っている会社だったら、フォロワー多い方よりも、絶対その狩りのYouTubeビデオのチャンネル作ってる人に送った方がいいですよね。それは極端の話なのですが。マイクロの中でもメガに近い、例えばヒロシさんとかね、あのキャンプの、何かしらトピックにすごくニッチ化してるっていうところが、最近の企業というのがそういうクリエイターさんとお仕事をしたかったり、インフルエンサーとして活用したいんじゃないですかね。

似田貝:なるほど。量より質というか、だから量稼ぐっていうのは何ていうかテレビ広告みたいなことってことですよね、日本で言えば。

クリス:そうですね。インフルエンサーをタイプっていうふうに分けるとですね、二つあるらしいですけども、そのリーチ型とそのニッチタイプっていうのがあって、今おっしゃられてる通りのことですよね。

そのリーチ型っていうのはフォロワー数いっぱいいて、テレビ広告みたいなのがあって、そのインフルエンサーがこのバック使ってる事を紹介して、多額のスポンサー料もらってる状況の中、フォロアーもそれなりに同じバッグを私も欲しいなっていうふうに思う状況がリーチ型のインフルエンサーマーケティング。

ニッチ型の方だと、そのカテゴリー・ジャンルでも支持され、フォローされて、消費者も求める内容がオピニオンリーダーからの声というところで、インフルエンサーからオススメされる商品とクリエイターのフォロワーしてる人たちの属性・プロファイルが合致したときには、すごくいい結果が出るのではないかなと思います。(ハンティングツールがハンティングのプロから発信され、ハンターにフォローされてる状況)

似田貝:なるほど。なので、多分企業をとしては自分のブランドに合うニッチのマイクロインフルエンザはとかをガンガン使っていきたいっていうことってことですかね。

クリス:そうですね。もう1個追加すると、有名人っていうか、そのメガインフルエンサーの、発信する言葉の内容が、(例にドナルド・トランプ、政治、差別発言)、失言につながったり、インフルエンサー自信のマスの中でも意見に賛同しない人とかって必ずいるじゃないですか。それでフォロアーが冷めて、結構支持してた人から離れたりとかありますよね。ブランドとしてはそういうunpredictable(予想できない)な事って好きじゃないですね。

似田貝:なるほど。インフルエンサーが変なこと言っちゃうってことですかね。

クリス:そうですね。一定したオーディエンスと一定したメッセージがあれば、そうではなかったっていう事ですね。例えば、Black Lives Matterとか、人道的な話を政治的に利用されたり、タイミング悪く良くも、思っても見なかった人がフォロアーとは違う思想もってたとか、最近このような問題がありますね。フォローしてた人、自分がファンだった人が、たまたま反対の政党を応援している事がわかって支持することから離れるとか(最悪仕事から降ろされる事も)。むしろ、企業の用に、そのインフルエンサーのフォロアー層にインベストとしている方は、今まで、その層に対してリーチしようとしていたのに、何か崩れちゃうみたいなことになるとブランドとしては、リスキーに見えちゃうっていう現状もあるんじゃないかな。

似田貝:つまりインフルエンサーがいいなと思っていたんだけれども、インフルエンサーの考え方と、何か社会の考え方みたいなところに乖離が発生したときに、そのフォロワーも一緒に離れちゃうみたいな事ですね。

クリス:そうですね。最悪な場合、お仕事をもらえなくなったりすることもありますからね。(例:スターウォーズのマンダロリアンのキャラ・デューン役、NFLのコリーンキャパニック選手)

似田貝:なるほど。

クリス:それぐらい、そういう危険なプラットフォームっていうべきか、センシティブというべきか。

似田貝:それもあるだろうなとは思いつつ、インフルエンサーを見つけるの難しいよねっていう課題があるっていうのが、そこも含めてあるのかなと思います。あれですかね、インフルエンサーを見つけようって言ったときに、誰がインフルエンサーなのかっていうのを知ることが、結構、どうやればいいのかっていう話ですね。

クリス:そうですね、そもそもインフルエンサーを見つけるって言っても、一番大事なのはそのインフルエンサーをフォローしている人たちの属性ですよね。だからそこをリサーチしないといけないので、あとそれだけじゃなくてインフルエンサーが発信してるその言葉遣いとか、言葉とかそのイメージとか。そもそも企業のブランドガイドラインに則ったような、何かしらのガバナンスと並行して見たときに、どんどん、どんどん絞られていったりとか、いろんなリスクの面もあると思うんですよね。実際、さっきの調査の結果で見ると思うけども、39%のマーケターがやはり課題としては、そのクリエイターとインフルエンサーを見つけるっていうのはすごく難しいんだっていうことが現状出てるのですよね。

だから、すごくフォロワー数が多かったからって、それはさっき言ったように自分のブランドにとって最適かっての分からないので、本当に最適であるのかっていうところを追求していくと、時間もかかったり、検証にすごく稟議の時間にかかったりするじゃないですか。

似田貝:あと、ブランド毀損の話というか、ブランドセーフティーという書いてましたけど、これすごく面白いなと思うんですけど、インフルエンサー詐欺っていうのは流行っているのですか。

クリス:そうですね、サーベイで「過去のキャンペーンでインフルエンサーマーケティング詐欺を経験したことありますか?」っていう質問に7割ぐらいはイエスって言って、あ、3割ぐらいがイエスって言ってるので、3人に1人ぐらいが詐欺に遭っているという事ですよね。
きっと、そのマイクロインフルエンサーかどうか、日本はちょっと分からないのですけれども。多分ブランドがこの商品をこういうふうに売って欲しいっていう理想があるじゃないですか。多分そこの結果、お金をもらったけども、期待通りのことをしなかったっていうことで、それは詐欺だって思うブランドもいれば、もう本当にお金取ってて何もしなかったっていうこともあります。そもそも、そこの何だろうマーケットを管理するっていうかさ、保証してくれるっていうその制度って、よほどそのクリエイターとインフルエンサーとの契約とかに関わってくるところですよね。だから海外にクリエイター・インフルエンサーを見つけて、何かプロモーションするってなると、多くのそのツール、それを支援するツールっていうのは、ちゃんと進化しているツールっていうのは、その契約のところまでも助けてくれるんですよね。それを簡単にちょっとフォローして、ちょっとDMして、ちょっとやってくれないって言うと詐欺やトラブルの確率があがるかもしれませんね。なので、ちゃんとそれ用のプロセスをちゃんと経験値の高いツールとかベンダーを使うといいんじゃないですかね。

似田貝:なるほどですね。インフルエンサー詐欺っていう言葉が非常に面白いなと思ったんですけど。普通に考えて、例えば日本からアメリカに行こうとしてる企業がアメリカのインフルエンサーってどういうのがいるんだろうっていって、自分でこう拙い英語で調べて、例えば僕とかが調べて、この人はいいんじゃないかって、コンタクトしてみて、実際にそれをやってくれるかどうかって保証が全然ないですものね。

クリス:そうですね。最近リサーチで海外案件とかでとあるツールを使って、アジアからアメリカにアメリカ圏で中国を喋れるインフルエンサー、女性でとかってなると、いるかと言えばいるんですよね。大事なポイントはそのフォロワー数それなりにいるかってよりも、そもそもアメリカで中国語として発信しているインフルエンサーなのかって。あと、そのフォローをしてる人たちがそもそも女性が何割とか年齢が何割っていうデータも出るんです。あと発信してる内容を見て、そもそも自分が売ろうとしてる商品とかその価値感とかブランドの価値感と、その客層とがあと発信している人の言葉遣いとか、そういうイメージとかっていうのが一致しないで自分たちのブランドメッセージが発信されちゃうと、そこでちょっとギャップが生まれると、詐欺はちょっと言いすぎかもしれないけども、価値観の違いで成功じゃないっていうふうに感じていることもあるんじゃないかなと思います。

似田貝:確かに、そうですね特に海外のインフルエンサーにお願いするとなると、そのインフルエンサーがその国でこれがいいと思っているものと、海外でこのブランドがいいと思ってるものがマッチしないみたいなそういうのはありそうですものね。

クリス:そうですね。サーベイでやはり心配してるポイントとして、ここら辺が結構出てきてるっていう、それが増加してるっていうのも一つのトレンドですね。

似田貝:難しいのは難しいのですけれども、それを支援するツールはもちろんありますということですかね。

クリス:そうですね、やはり英語圏とかアメリカの人口とかマーケティングテクノロジーのメッカっていうに考えると、一つ当たり前と言えば当たり前なんですけども、毎年毎年伸びてるなっていう、このデータを見ると新規参入のプラットフォームとインフルエンサーのエージェンシーの数ですね。それが、2019年のサーベイで直近12ヶ月のデータを見ると、+380ということで、すごい参入してきてるっていうところなので、それを言うと、熱い領域なのかなと思います。もし日本人の方がアメリカでっていうと、やはりその現地感覚で運用しないといけないと思います。そういった意味では、検証するパートナーとかツールも増えてきましたよっていうことをですかね。

似田貝:何かテクノロジーだけでは解決できない問題というか、ヒューマンタッチな解決策が必要な部分もあるから、エージェンシーも増えてるってことなんですかね。

クリス:そうですね、B2Bのリードジェネレーションみたいな。むしろ、PRとかそこら辺の似たようなプロセスになるのかなと思っています。

似田貝:そんなインフルエンサーマーケティング、今後どうなっていくかというところで、さっきももう言ってますけど、インフルエンサーのフォロワーですかね、数じゃなくて質を見てますよという話で、これはあれですかね、マイクロインフルエンサーとかをどんどん使う方向に行ってるんだけどっていう話ですかね。

クリス:そういう方向に行ってるんだけども、じゃあ、いっぱいマイクロインフルエンサー・ナノインフルエンサーを使ってるかっていうと、そうではないと。数ではないと。具体的にヒストグラムが左下にありますが、「この1年で一緒に仕事をしたインフルエンサーの数を教えてください」って実際、インフルエンサーマーケティングへ投資しているマーケターにこう聞くと、半分が0から10人っていうことで、28%が10から50。なんか半分ぐらい、要は10人以下のインフルエンサーと仕事してるっていうところですよね。そのミックスとして、マイクロインフルエンサーが増えてきてるっていう事です。だからトレンドとしてはもしかしたら、今までに2ー3人のメガとやったのが、3から10のマイクロに変わったっていうことになります。

いずれにしろ、マーケターもいろんな仕事の量が増えたんじゃないかなと思うんだよね。そのインフルエンサーを評価したり、採用するその基準だったり、いろんなこう考えるとかなり頭悩ませるマーケターのポイントが増えたっていうのは間違いないと思うし、実際そのインフルエンサーをどう評価してるかっていうところで気になるところなんですけども、売り上げかというとそうでもなくて、実はそのエンゲージメントとクリック数とかですね、コンテンツのタイプとカテゴリーで。 何を示してるかっていうと、ただ発信してフォローが多いんではなくて、そこでコメントとかライブとか、多分YouTuberとか発信する日に「ライクボタン押してくださいね」ってか「登録してくださいね」とかが、むしろその一つ一つのエンゲージメント・コメントを残してくれたりとか、ブランドが投資する時に、そこのメトリックスを気にしているマーケターが多いということです。さっきの詐欺じゃないですけど、何だろう、質という意味ではコンテンツタイプ、自分がキャンプグッズを売りたいのに、キャンパーにリーチしたいのに、そのインフルエンサーのフォロアーに刺さっているコンテンツがキャンプ用品じゃなかったりとかすると、「おっと!一旦辞めよう」、みたいなものもあるのではないかと思います。

似田貝:はい。それ関連でTwitterのお話っていうところですけど、そのインフラキャンペーンを行う目的とか、KPIの設計というか、みたいなところが次のスライドですかね。

クリス:そうですね、そのインフルエンサーを選別する基準とかっていうのをecommerceサイドで見たんですけども、実際どういうKPI、そもそも目的はなんでしょうかっていうところなんですけども、それをやるインフルエンサーキャンペーンを行う際の目的というのは4割がawareness・認知を上げるということで、2番目に36%Sales・営業の売り上げを上げたりとかっていうことですよね。実際に、どういうふうに成功を計測してますかっていうことで見ると、一番多かった39%が要は売上コンバージョンっていうところですよね。2番目の34%がエンゲージメントクリックなんですよ。なので、そこのすごくギャップ感がちょっと個人的に気になっていて、評価するときにはエンゲージメントクリックはすごくわかりやすいと思います。認知を上げたいけども、コンバージョン精度で測るそれも理にかなっているんですけども、だけど、そもそもインフルエンサーの発信することでattributionとか、クリックが発生しないところで売り上げを計測するっていうのは、結構その難しい手法とか使ったりとかすると思うんですけども、そういうところがチャレンジな中、これを求めるっていうのは、現実、現状どうなってるのかなっていうのが一つのクエスチョンマークですよね。

なので、awarenessだったら、あのブランドBDIとかその認知がどれだけ上がったかっていうそういう指数とかあるんですけども、そこが一番に上がってこないというところがちょっと気になったことですね。

似田貝:確かにその質より量だ、あ、量より質だっていう話で言うと、エンゲージメントとかでKPIを測るのかなと思いきや、いやコンバージョンだ、みたいな人もいれば、目的はawarenessって言ってるけど、多分awarenessの中でも数だけを言ってるんじゃなくて、awareness質を見てるんだみたいな、目的としてるんだみたいな。だから数字だけでは読み解けないところは、そういう文脈で補うしかないかもしれないですね。

クリス:そうですね。インフルエンサーのエージェンシーが伸びている中、こういう何だろう、計測とかアナリティクスのレベルも上がってくることを期待したいと思います。

似田貝:なるほど。そんな感じですかねっていうところでまとめなんですけど、まとめとしては、これはマーケター側ですかね、インフルエンザマーケティングに投資する企業は増えるでしょうと。150億ドルでしたっけ、までは増えるでしょうと2022年まで拡大傾向と言われてますと。

クリス:そうですね、コロナの中でちょっとシフトしたと思うんですけども、ワクチンも流れてる中、きっとみんなが旅行し始めるとGoProとかそういうものを使う機会も増えて、何かとこっちの方にもマーケティングのバジェットが流れてくるというのは目に見えているかなと思います。

似田貝:日本と海外でもちろんSNSとかも違うし、SNSを使いかたもちょっと違ったりするであろうということで現地に合わせなきゃいけないよねという話と、これはアメリカに限らずだと思うんですけど、メガインフルエンサーよりもマイクロインフルエンサーが注目されている方向で、そのマイクロインフルエンサーをどうやって見つけるのかっていうのが課題になってきてますねと。ただそれを補助するツール、エンジェンシーも増えてきてますという話ですけどね。あとは、インフルエンサーマーケティング目的とKPI、これをどうやって設計していくかっていうのは課題でしょう。プリンシプルでは主に量的データを扱って、こういうことを設計していくっていうことを強みにしていて、なので、インフルエンサーマーケティングするときは現地を代理店使うっていうのはあると思いつつも、そのツールの使い方であったり、KPI設計であったりっていうのはある程度自分たちでやらなきゃいけない部分もあるので、全体戦略の中でどういうふうにインフルエンサーマーケティングを取り入れてくるかっていうところから含めて相談したい方は、プリンシプルにご相談いただければという感じですかね。

クリス:はい。ぜひぜひ、ご連絡ください。

似田貝:はい。では、今日はこんなところで終わりたいと思います。クリスさん、ありがとうございました。

クリス:はい、ありがとうございました。

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似田貝亮介

千葉大学工学部卒。データ解析エンジニア。

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