「アメリカでのBtoBマーケティングを強化したいが、トレンドがわからない。」とお考えではないでしょうか。
2019年、米国のBtoBデジタル広告費は推定60億米ドルを突破しました。この支出増加の傾向は止まらず、デジタルマーケティングに多くの予算が割り当てられています。
注意すべき点は、BtoBマーケティングで使われているマーケティングチャネルや戦略が、日本とアメリカでは大きく異なるということです。そこでこの記事では、米国BtoBマーケティングのトレンドや、特に利用されているSNS「LinkedIn」について紹介します。
記事の内容
- 米国BtoBマーケティング広告費は増加傾向
- 米国BtoBマーケターの状況と戦略
- 米国のマーケターが注目するBtoBマーケティング戦略
- LinkedInを取り巻く状況と活用方法
米国BtoBマーケティング広告費は増加傾向
アメリカのBtoBデジタル広告費は増加傾向にあります。
- BtoBデジタル広告費は、2019年には全米で推定60億米ドルを突破。
- 支出増加の傾向は止まらず、デジタルマーケティングに多くの予算を投入。
またアメリカでは、BtoB企業は収益の約8~9%をマーケティングに投資しているというデータもあります(下図)。
参考
米国BtoBマーケターの状況と注目戦略
コロナ禍でBtoBは、BtoCよりも楽観視
アメリカのCMOサーベイによると、BtoBはBtoCよりも、経済状況や自社ビジネスの現状を楽観的に見ています。B2Cよりもインパクトは比較的少ないと感じているようです。
マーケターはオフラインイベントに支出を継続しています。ビジネス専門家が参加した展示会の数は以下のように推移しており、コロナ禍の2020年でも減少幅は小さくなっています。
参考
BtoBマーケターが実践しているマーケ戦略
米国ではここ数年、オンライン・ECソリューションの採用が明らかに増加しています。
メールやSEOなどのリード獲得戦略と並んで、最も効果的なBtoBオンラインマーケティングツールの1つはコンテンツマーケティングです。マーケターの63%がコンテンツマーケティングを実施しており、BtoBマーケティング戦略のひとつのトレンドとなっています。
マーケティング支出の多い分野は、上からデジタルマーケティング56%、Webサイト開発52%、展示会・イベント36%、コンテンツマーケティング27%となっています(下図)。
コロナウイルスの影響で展示会やイベントがなくなると、予算はやはりデジタルに回ります。またコンテンツマーケティングの強化の一貫として「Webサイト開発」 にへ予算が投入されることも興味深いです。DXを推進するにあたり、顧客とブランドとの接点となるサイトや広告・LPなどから着手する企業も多いのではないでしょうか。
参考:2020 B2B MARKETING MIX REPORT- SAGEFROG MARKETING GROUP
米国のマーケターが注目するBtoBマーケティング戦略
トレンド1:コンテンツマーケティングへ予算シフト
予算はコンテンツマーケティングにシフトしています。
例えばある調査では、予算を9%以上増加させたマーケターは12%おり、1%以上増加させたマーケターを含めると46%にも上ると報告されています(下図)。
トレンド2:SNS
SNS、SEO、検索広告、PPCなどの方法で有料コンテンツを配信し、ブランドの認知度を高め、そして最終的に高い収益/ROIを生み出しています。
世界中のB2Bマーケッターが使用している主要なソーシャルメディアプラットフォームは、Facebook、LinkedIn、Instagram、Twitter、YouTubeなどがあり、使用頻度は下図のようになっています。
最も使用されているSNSはLinkedInの86%です(LinkedInに関しては後述)。
中でもInstagramは最もエンゲージメントが高く、近年様々なBtoB企業もInstagramを利用しています。
Instagramの使用例としては、写真家や建築家が自分の設計・デザイン・仕事を公開し、ハッシュタグも活用しつつDMからの案件獲得狙うなどがあります。
LinkedInを取り巻く状況と活用方法
海外のマーケターの86%が利用しているLinkedInは、一言でいえば、専門家やキャリア志向の人向けのSNSです。2016年にはマイクロソフトが262億ドルで買収するなど、注目が集まっています。
Microsoft Buys LinkedIn for $26.2 Billion, Reasserting Its Muscle – The New York Times
LinkedInの市場シェア
LinkedInは2020年7月時点で、米国の1億7000万人のオーディエンスにリーチしています。
また3000万社以上の企業がLinkedInのプロフィールを持っており、世界の200カ国以上で合計6億6,000万人のLinkedInユーザーがいるとのこと(うち6300万人が意思決定のポジション 2019)。
LinkedInユーザーの最大の市場は米国で、インド、中国がそれに続いています。
LinkedInの利用者
▼LinkedInプレミアムユーザーも
LinkedInを毎日利用している月間アクティブユーザーは1億人。そのうち29%がプレミアム料金を支払っています。また、女性は全LinkedInユーザーの43%を占めており、30歳から49歳までの米国成人の約37%がLinkedInを利用しているとのこと。
▼LinkedIn for Business
マーケティング担当者の70%以上が広告にLinkedInを利用しています。2019年には、マーケターの42%がLinkedInの広告予算を増やしました。BtoBリードの80%はLinkedInからきており、ビジネスには不可欠な存在となっています。
マーケターによるLinkedInの使用目的
まずマーケターユーザーの属性は、インバウンドマーケティング系(ブランド&コンテンツマーケター)が多く、テック、DemandGen、イベントマーケターは意外と低くなっています。
これらのマーケターがLinkedInを利用する多くの時間を、「オーディエンスへのリーチ」と「コンテンツマーケティング」に充てています。
アメリカでのBtoBマーケティングを強化する際にはまず、LinkedInのアカウントを作成するところから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ
- アメリカのBtoB企業は、売上の約8~9%をマーケティングに投資。
- BtoBマーケ戦略ではSNS、コンテンツマーケがキーとなる。
- コンテンツマーケティングは費用対効果が良いとされている。
- LinkedInはBtoBのマーケティングとセールスに広く活用・支持されている(特に英語圏)。
この記事では、米国BtoBマーケティングのトレンドや、特に利用されているSNS LinkedInについてご紹介しました。アメリカでのマーケティング活動の一助となれば幸いです。
コロナ禍でBtoBマーケターは、経済状況や自社ビジネスの現状を楽観視しています。しかし、アフターコロナの動向を考えた上でのLead GenとDemand Gen戦略設計は大事になってきます。
プリンシプルはアメリカにもオフィスを持っており、より現地のトレンドに沿った、充実したコンサルティングが可能です。米国でのデジタルマーケティングや広告でお困りの方は、ぜひPrincipleにお問い合わせください。