米国ではLinkedInを使ったマーケティングが盛んに行われています。米国のBtoBマーケターの70%以上がLinkedInを利用しており、自社のブランド認知とリード獲得に莫大な予算を投入しています。
では、海外、特に英語圏でBtoBマーケティングを行う日本企業は、どのようにLinkedIn広告のブランドキャンペーン施策を利用すればよいのでしょうか?そのためには現地のBtoBマーケターの戦略を理解する必要があるでしょう。
この記事では日本のBtoB海外マーケター向けに、LinkedIn広告の中でも、ブランド認知に適したオプションに焦点を当て、その運用のポイントを解説します。
記事の内容
- BtoBマーケティングに浸透したLinkedIn広告
- ブランド認知の向上に適したオプション
- LinkedIn広告でブランドキャンペーンを運用するポイント
BtoBマーケティングに浸透したLinkedIn広告
LinkedInはBtoBに関して言えば、質の高いリードを獲得するのに最も成功しているプラットフォームです。世界中でたくさん利用されており、成果も出しています。
- BtoBマーケティング担当者の70%以上が広告にLinkedInを利用している。
- 2019年には、マーケターの42%がLinkedInの広告予算を増やした。
- LinkedInでエンゲージメントを行っている企業は、SNSマーケティング全体のリードのうち80%をLinkedInで生み出している。
- BtoBマーケターの60%が、LinkedIn広告が最も価値のあるものを提供していると示唆している。
参考:
LinkedIn広告には「Sponsored Content」「Sponsored Messaging」「Lead Gen Forms」「Text and Dynamic Ads」の4つの広告タイプがあります。詳細は公式ガイドをご参照ください。
Ads Guide | LinkedIn Marketing Solutions
ブランド認知の向上に適したオプション
ここでは、LinkedIn広告の豊富な広告オプションの中でも、ブランド認知の向上に関連する下記2つをご紹介します。
- Brand awarenessキャンペーン
- スポンサードコンテンツ広告
ブランド認知を上げるBrand awarenessキャンペーン
LinkedIn広告で設定可能なキャンペーン目的には以下の7つがあります。
Awareness(認知)
- Brand awareness(ブランド認知)
Consideration(検討)
- Website visits(ウェブサイト訪問)
- Engagement(エンゲージメント)
- Video views(動画の再生)
Conversions(購買)
- Lead generation(リードジェネレーション)
- Website conversions(ウェブサイトでのコンバージョン)
- Job applicants(採用応募)
1つ目のBrand awareness(ブランド認知)はその名のとおり、ブランド認知向上に適しています。このキャンペーン目標では、選択した広告フォーマットと入札戦略に応じて、最適化目標としてリーチまたはインプレッションが選択されます。※リーチでの最適化はSponsored Contentのフォーマットに限定(後述)
このオプションではROIを測定するのは難しいですが、企業名、業種、などBtoBに最適なターゲティング設定で広告を出稿することができます。
リーチに最適化可能なスポンサードコンテンツ広告
スポンサードコンテンツ広告(Sponsored Content)は前述した4つの広告タイプの一つです。
スポンサーコンテンツ広告の特徴:
- 広告フォーマットには「シングル画像広告」「動画広告」「カルーセル広告」「イベント広告」の4つがある。
- 最適化目標は「リーチ(推奨)」または「インプレッション」が選択可能。
スポンサーコンテンツ広告以外では最適化目標にリーチを選択できません。そのため、ブランド認知を目標としたキャンペーンではスポンサーコンテンツ広告を利用するのがいいでしょう。
スポンサード・コンテンツのベスト・プラクティス:
- Clear CTA = 明確なCTA
- Knowing who your target audience is good = ターゲットオーディエンスが誰であるかを知るべし
- Keep your LinkedIn page up to date = LinkedInページを常に最新の状態に保つ
- Send updates when relevant = 必要に応じてアップデートを行う
- Be visual = 視覚的であること
- Be concise = 簡潔に
- Provide value = 価値を提供する
- Be mindful of the number of updates. Don’t overdo it! = 更新回数に気をつける。やりすぎは禁物です。
- Test = 常にテストする。
LinkedIn広告でブランドキャンペーンを運用するポイント
最後に、LinkedIn広告でブランドキャンペーンを運用する際に気をつけるべきポイントを3つご紹介します。
- ポイント1:広告の内容は意味のある “Thought Leadership Content“ に投資する
- ポイント2:ターゲット層の特定が重要
- ポイント3:成果に結びつくようにCTAを設計する
ポイント1:広告の内容(コンテンツ)は意味のある「Thought Leadership Content」に投資する
マーケターは新しいものを求める傾向にありますが、クライアントは関連性のあるものを求めます。エデルマン社との調査によると、マーケターのアイデアが独創的で新しいかどうかは誰も気にしていないことがわかりました。
つまり、広告を機能させるために必要なことは「新しいものであること」ではありません。意味のある「Thought Leadership Content」を心がけましょう。
「マーケティング担当者は、アイデアが良いものであるためには、独創的で新しいものでなければならないと考えますが、お客様は日常的にそうではありません。バイヤーは、機能する便利なアイデアが好きで、そのアイデアが最新のものであるか、4,000年前のものであるかは気にしません。実際には、他の人間と同様に、バイヤーも慣れ親しんだものを好むのです。」
The Originality Delusion | LinkedIn
ポイント2:ターゲット層の特定が重要
BtoCの広告とは違い、LinkedInを使ったBtoB向けの広告戦略では、特定のターゲット顧客またはICP(Ideal Customer Profile)に広告がリーチできるかが大事です。
そのためには、LinkedIn特有のBtoB企業やプロフェッショナルの属性に合わせたターゲット定義が重要になります。(ターゲティング種類の例:ロケーション、会社、デモグラフィックス、学歴、職歴や経験、趣味・興味、など)
加えて、自社データ・CRMなどを利用し、マーケティングと営業が協力して同じICPを追うことも欠かせないでしょう。
ポイント3:成果に結びつくようにCTAを設計する
ブランド認知が目標といっても、CTAで手を抜くことはできません。
LinkedIn広告のブランドキャンペーンはリーチやインプレッションで広告が最適化されます。つまり閲覧されることが目標です。しかしBtoCのブランド広告と比較すると、認知だけでは不十分でしょう。なので広告のCTAをクリックした先の「コンバージョン」を意識した設計と運用が不可欠です。
以下は海外での広告の例です。
まとめ
- LinkedIn広告はBtoBマーケティングにすっかり浸透した
- LinkedIn広告のキャンペーン目的の一つにBrand awareness(ブランド認知)がある
- スポンサードコンテンツ広告はリーチに最適化可能
- ブランドキャンペーンを運用するポイント:「①広告の内容(コンテンツ)は意味のある “Thought Leadership Content“ に投資する」 「②ターゲット層の特定が重要」「 ③成果に結びつくようにCTAを設計する」
この記事では、LinkedIn広告のうちブランド認知に適したオプションに焦点を当て、その運用のポイントを解説しました。アメリカでのマーケティング活動の一助となれば幸いです。
プリンシプルはアメリカにもオフィスを持っており、より現地のトレンドに沿った、充実したコンサルティングが可能です。米国でのデジタルマーケティングや広告でお困りの方は、ぜひPrincipleにお問い合わせください。
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