サプリメントや化粧品などの単品通販サイトの広告や施策の費用対効果を、Googleアナリティクスで分析する方法をご紹介いたします。
通常のECサイトと違い、単品通販サイトでは、「ツーステップマーケティング」で、まずは申込のハードルが低い、無料サンプルや低価格のお試し商品などから見込み客を効率良く集め、お申込みされたお客様を本商品購入や定期申込に引き上げ、固定客にしていく、という販売戦略を取っているサイトが多く見られます。
上記戦略では、サイトの売上や収益性を高めていくにあたって、以下のようなKPIが挙げられるでしょう。
CSF(成功要因) | KPI(重要指標) |
サンプル申込で見込客を効率良く集める | CPA(サンプル申込獲得コスト) |
見込客に本商品を購入する既存客に引き上げる | 引き上げ率(本商品引き上げ率) |
定期申込率を高め、固定客化する | 定期申込率 |
既存客の1回当たりの購入単価を高める | 購入単価 |
既存客の年間の購入回数を増やす | 年間購入回数 |
既存客の年間の購入単価を高める | 年間購入単価(LTV) |
単品通販サイトでは、サンプル申込から固定客化し、複数回購入してもらうことで利益が創出されるモデルのため、見込み客の引き上げやリピート率を見ていくことが重要なポイントとなります。こういった指標は、ECシステム側で取得することもできますが、Googleアナリティクスで計測することで、以下のようなメリットがあります。
1.広告やメール配信などの集客施策との紐づけができ、費用対効果が確認できる
2.ランディングページ改善や申込導線の改善などのサイト内改善施策をKPIで評価できる
以降は、3つのステップに分けて、Googleアナリティクスでの費用対効果の分析についてご紹介いたします。
ステップ1.申込種別ごとの申込数の計測
Eコマーストラッキングは既に設定されている場合が多いかと思いますが、通常のEコマーストラッキングでは、サンプル申込、本商品申込、定期申込とトランザクション数を分けて計測することができません。そのため、Eコマーストラッキングとは別途、申込種別ごとに「目標設定」をしていきます。
*決済プロセスが申込種別ごとに分かれていない場合は、決済プロセスページにECシステムから申込種別情報をGoogleタグマネージャ用のDataLayerのフォーマットで出力し、Googleアナリティクスに仮想ページビューとして、申込種別ごとのURLを計測させる方法が考えられます。
サンプル申込、本商品申込、定期申込を目標として計測することで、以下のようにGoogleアナリティクス上でKPIと施策の紐づけが簡単にできるようになります。
・集客施策別のCPA(サンプル申込の獲得単価)
・フォローメールなどの本商品申込のきっかけ
・定期申込につながったサイト内導線
ステップ2.LP、申込導線の分析
単品通販サイトでは、縦長LPや申込導線のクリエイティブや要素の配置、オファー内容等の改善を行い、サンプル申込率や、本商品から定期申込などのアップセル率を高める取り組みに注力されていることと思います。例えば、サンプル申込の確認ページに、本商品特別オファーのバナーを追加し、アップセル率の改善をはかったりします。こうしたチューニングの効果を確認するには、Googleアナリティクスのイベントトラッキングの設定をおすすめします。
例えば以下のようにイベントを取得します
イベントカテゴリ:バナー種別など(例:サンプルから本商品引き上げバナー)
イベントアクション:イベント発生ページURL
イベントラベル:クリエイティブID
イベントを設定することで、LP上での要素ごとのクリック数やクリック率の変化を分析できるだけではなく、例えばイベントフローレポートで、要素クリックベースでユーザーアクションの流れを追うこともできるようになります。
ステップ3:ユーザーベースの分析
GoogleアナリティクスのクライアントID(Googleアナリティクスが各ユーザーに割り当てているID)をカスタムディメンションに取得することで、サンプル申込から本商品引き上げといったユーザーベースの一連行動を補足できます。
*クライアントIDについてはこちらの記事もあわせてご覧ください
https://www.principle-c.com/wp/engineer/new-user-explorer.html
これによって、ユーザーのサンプル申込から本商品引き上げ、定期申込の流れや施策別の費用対効果をさらに深く分析できるようになります。
・CPO(本商品の獲得単価)
・各施策のアトリビューション効果の把握
単品通販サイトの分析についてみてきましたが、こういったデータをしっかり取得することで、行った施策によるKPI改善率や、費用対効果をGoogleアナリティクスで検証しより精度の高いPDCAを回すことができるようになるでしょう。
弊社は、データ取得、また取得したデータの分析、改善サイクルの伴走なども行っておりますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。