本記事で触れているGoogleアナリティクスは、ユニバーサルアナリティクス(UA)を前提としています。
GA4を対象とした記事ではございませんので、ご注意ください。
GAリマーケティングを使うことで、過去にサイト訪問したユーザーを、リマーケティングリスト(以下リマケリスト)として追加できます。
このブログでは、実際にリマケリストが蓄積するのかを検証します。またルックバックでは、リマケリストとして追加できないことも併せて検証します。
ユーザーリストとルックバック
リスティング広告運用者の方であれば、“リマケリストの作成から十分な時間が経っておらず、リマーケティング広告の配信量が少ない”といった悩みをお持ちかと思います。
特に新規アカウント作成時などは、アカウント構築、広告入稿などで忙しいため、“うっかりリマケリストを作成するのを忘れてしまった”なんてことがあります。
そんな時、過去にサイトに訪れたユーザーをリマケリストとして追加し、リマーケティング広告で配信できたらいいですね。
AdWordsでは、Googleアナリティクスでユーザーリストを作成する(通称:GAリマーケティング)だけで、過去10日間にサイト訪問したユーザーを、リマケリストとして追加することができます。
(引用元: Googleアナリティクス ヘルプページ「リマーケティング ユーザーリストを作成、管理する」)
一方で、リスティング運用者の中には、「GAリマーケティングのルックバックを使うことで、過去に訪問したユーザーがリマケリストとして貯まる」という間違った認識を持っている人もいます。ルックバックとは、”ユーザーリストに追加するかどうかを判断するために、ユーザーの行動の評価期間を設定する機能”です。
例えば、”トランザクション数が2回以上のユーザー”のリストを作成するとしましょう。その時に「過去○日間で」、トランザクション数が2回以上あったユーザーかを決める必要があります。このように、ユーザー行動の評価期間を決めることが、ルックバックです。(評価期間=ルックバック日数は、過去7、14、30日間の3つから選択します)
そのため過去に訪問したユーザーをリストとして貯めることができません。
*GAリマーケティングにて広告配信するためには、あらかじめGAとAdWordsのアカウントがリンクされている必要があります。方法については、下記サイトを参照ください。
(引用元:Google アナリティクス ヘルプページ「アナリティクスとAdwordsをリンク(リンクを解除)する」)
実際に検証してみました
今回は、3月18日~3月21日に「メディア:questionnaire」から流入したユーザーを、①GAリマーケティング、②ルックバックをそれぞれ使うことで、リマケリストとして追加できるのかを検証します。
過去に訪問したユーザーを追加したいため、リマケリストの作成日は、3月22日以降となります。
検証①:GAリマーケティングを使う
上でも説明しましたが、GAリマーケティングでは、過去10日間にサイトに訪問したユーザーを、リマケリストとして追加できます。そのため今回は、サイト流入最終日に設定した3月21日が「過去10日間」以内となる3月28日に、「メディア:questionnaire」から流入したユーザーを、GAリマーケティングで作成します。ユーザーリストの名前を、「test_0328」にて保存します。
先ほど作った「test_0328」のユーザーリストが、リマケリストとして使えるのでしょうか。AdWordsの管理画面を確認すると、
リマケリストが蓄積されていますね。GAリマーケティングを使うことで、過去に訪問したユーザーを、リストとして追加できることがわかります。
検証②:ルックバックを使う
上述の通り、GAリマーケティングでは過去10日間に訪問したユーザーはリマケリストに追加されます。ルックバックだけで「過去に訪問したユーザーが、リマケリストとして貯まる」機能がはたらくかどうか確かめるためには、まずサイト流入最終日から10日以上経過させ、GAリマーケティングを働かせないようにする必要があります。その上で、ルックバック日数を30日に設定し、ルックバックで過去の訪問ユーザーリストが作成されるか検証します。
ここでは、サイト流入最終日である3月21日から10日以上経過した4月3日に「メディア:questionnaireから流入したユーザー」のリストを作成します。上記の通りルックバック日数を30日とし、ユーザーリスト名「test_0403」にて保存します。
AdWordsの管理画面で、リマケリストが蓄積されているのかを確認すると、「test_0403」のリストが空欄となっています。
リストが溜まっていないため、ルックバックでは、過去に訪問したユーザーをリストとして追加できないようですね。
まとめ
今回の検証により、
・GAリマーケティングを使うことで、過去に訪問したユーザーがリストとして追加すること
・ルックバックでは、過去に訪問したユーザーをリストとして追加できないこと
が証明されました。
GAリマーケティングでは、GAで取得する指標に応じて、例えば「滞在時間2分以上のユーザー」「非直帰ユーザー」といった、リスティング媒体タグでは困難なリマーケティングを実現することが可能です。
皆さんも過去にサイト訪問したユーザーに対して、AdWordsで広告配信したい時は、
GAリマーケティングを使ってみてください!