Google社が提供するツールの中でも、いま特に勢いのある「GA4」。
リリース当時はFirebase Analyticsの仕様をほぼそのまま採用した状態でしたが、現在はUniversal Analytics(UA)の仕様に寄せていくアップデートが多々見られます。また、アップデートにはツール自体の機能拡張の他に、GA4とデータポータルを接続した際に使用可能となるフィールドの拡張があります。
本記事では、2021年5月時点で使用可能なフィールドをご紹介しながら、それらを使ってどのようなレポートを構築できるかご紹介いたします。
データポータルで使用可能なフィールド一覧
2021年1月に公開した記事「GA4でレポート作成を行う際のベストプラクティス」から約5ヶ月経過した今、以下のフィールドが提供されています。
ディメンション:合計71種
|
|
指標:合計25種
|
|
前回と比較すると、流入元や広告、ユーザー定義に関するデータを取り扱うことができるようになりました。
ユーザー定義は、カスタムディメンションやカスタム指標、ユーザープロパティで作成した計測項目です。データポータルにGA4データソースを接続すると、該当のフィールドの説明欄でユーザー定義かどうか識別できるようになっています。
GA4リリース当初はユーザー定義に関する情報の可視化が非常に難しかったことを考えると、徐々に利便性が向上していることが分かります。
ですが、現在も日付に関するディメンションは存在していても、時間に関するディメンションは提供されていません。時間帯別のユーザー分布など、まだまだアップデートの余地はあると考えられます。
データポータルで構築したダッシュボードの運用時の注意点
ここまで読んでいただくと、「フィールドは充実しつつあるのでGA4のデータをデータポータルで運用していけるのでは」と思われるかもしれません。
しかしながら、主に以下の2点の理由から、GA4とデータポータルを直接接続して運用する際には注意が必要です。
- 平均値などの一部の指標はSQLを記述しないと表現できない
- データの保持期間は最大14ヶ月で、そのうち年齢や性別等の一部のデータは2ヶ月のみ(保持期間が終了するとデータは自動的に削除される)
直近のデータのみを対象としたり、ページのファネル分析を行う等の用途であれば、現在でも使うことはできると考えられます。
ですが、定点観測や年次でデータを見れるようにする、という用途だとデータの保持期間がネックとなってしまいます。その場合はGA4のデータを一旦BigQueryに蓄積してからSQLでデータポータルと接続する必要があります。
まとめ
GA4のリリースが2020年8月だったため、あと数ヶ月で1年が経過します。UAと比較すると、できることよりできないことがまだまだ多い時期が続くと思われます。
また、昨今はITPをはじめ個人のインターネット上の行動に関する情報収集の規制が厳しいことから、データの保持期間に関しては仕様が変わらない可能性があります。今後、本格的にUAからGA4に移行していく場合、SQLを扱える社員の育成なども検討して良いかと思います。
プリンシプルでは、GA4の導入やその後のSQL開発、ダッシュボード構築まで一気通貫でサポートを行っております。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。