Google Analytics4(以下GA4)でサイトへの流入元情報を適切に取得するためにはUTMパラメータの活用が必須です。UTMパラメータは広告やメルマガ、QRコード等の集客施策に付与することが一般的で、付与されていないとダイレクト流入判定となってしまいます。

実際に様々な企業をコンサルティングする中で以下のような事象をしばしば見かけます。

  • 同じ集客施策を指すのに別々のパラメータが付与されているケース
  • UTMパラメータを理解していなく、そもそも付与されていないケース

今回は最低限付与するべきUTMパラメータと、組織で運用するために重要なポイントを3点ご紹介します。

最低限付与するべきUTMパラメータ

前述の通り、UTMパラメータは広告やメルマガ等に掲載されるURLに付与するものであり、サイトへの流入元情報をGA4に渡す役割を持ちます。

とくに重要となるものは以下の3つです。

パラメータの種類 説明
utm_source トラフィックの参照元を指定(例:google, yahoo, facebook )
utm_medium トラフィックのメディアを指定(例:cpc, email, affiliate)
utm_campaign キャンペーン名やプロモーション名を指定(例:summer_sale, black_friday)

上記以外のUTMパラメータの詳細はこちら

この3つのパラメータを付与することで流入元の識別が可能になります。

GA4での確認方法

UTMパラメータに付与した値は、GA4標準レポートの「ユーザー獲得レポート」と「トラフィック獲得レポート」のディメンションの値に反映されます。探索レポートでも同様のディメンションが使用可能です。

▼ユーザ軸のディメンション:ユーザーがサイトに初回接触した際の流入元情報

▼セッション軸のディメンション:セッションごとの流入元情報

組織で運用するためのポイント3選

組織内でUTMパラメータを運用する際には注意すべきポイントがあります。ここでは以下の3点についてご紹介します。

  • 一貫性のある命名規則
  • パラメータのガイドライン作成
  • 定期的なレビュー

①一貫性のある命名規則

それぞれのパラメータへの一貫性のある命名が大切です。大文字、小文字も識別されるので、統一されたルールを決める必要があります。

例)utm_mediumに”CPC”と”cpc”を混在させない など

また、一目で意味を理解できる値を付与することが分析のしやすさにも繋がります。

例)広告のキャンペーン目的をutm_campaign内に明記する(CV目的:CV〇〇、認知目的:CN〇〇)など

後々振り返った際に意味が分かるものを付与するように心がけましょう。

②パラメータのガイドライン作成

社内で決定したUTMパラメータルールのドキュメント化、さらに新規作成時のガイドラインを整理しておくのをおすすめします。そうすることで、社内で統一されたパラメータを運用することができます。

以下はドキュメント化の例です。

③定期的なレビュー

社内のマーケティング戦略等が変更されることもあるかと思います。その際はUTMパラメータのルールも更新していく必要があります。担当者へパラメータの使用状況を定期的にレビューするなど、取り決めたルールを最新のものにしておくことが大切です。

まとめ

GA4データを分析し集客施策への有効な示唆を得るためにも、前提として流入元情報を適切に取得することが重要です。自社で実施している施策それぞれに適したパラメータを付与できているか、今一度UTMパラメータの運用を見直してみてはいかがでしょうか。

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浅野祐太

解析コンサルタント。WEBサイトのデータ解析やGA4の活用最適化に向けた設計を担当。またGA4研修の講師として大手企業などへの支援を行う。

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