2023年9月現在、Universal Analytics(以下、「UA」)からGA4への移行が大分落ち着いてまいりました。
弊社クライアントの多くは活用フェーズに入っており、「最低限の導入は済んだがどのようにGA4のデータを活用したらいいのか?」とご相談をいただきます。
GA4では、以下のイベントを自動収集します。
click
ユーザーが現在のドメインから移動するリンクをクリックするたび
デフォルトでは、現在のドメインから移動するすべてのリンクに対して離脱クリック イベントが発生します。クロスドメイン測定が設定されたドメインへのリンクで、離脱クリック イベントがトリガーされることはありません。file_download
ユーザーが次のタイプのファイル(通常の拡張子を持つファイル)に移動するリンクをクリックすると記録されます。
ドキュメント
テキスト
実行可能ファイル
プレゼンテーション
圧縮ファイル
動画
音声注: 次の正規表現に一致するファイル拡張子によって、file_download イベントがトリガーされます。
pdf|xlsx?|docx?|txt|rtf|csv|exe|key|pp(s|t|tx)|7z|pkg|rar|gz|zip|avi|mov|mp4|mpe?g|wmv|midi?|mp3|wav|wmafirst_visit
アナリティクスが有効になっているウェブサイトをユーザーが初めて訪問したときform_start
ユーザーがセッションでフォームに初めてアクセスしたときform_submit
ユーザーがフォームを送信したときpage_view
ページが読み込まれるたび、またはアクティブなサイトによって閲覧履歴のステータスが変更されるたびscroll
ユーザーが各ページの最下部まで初めてスクロールしたとき(垂直方向に 90% の深さまで表示されたときなど)session_start
ユーザーがウェブサイトを利用したときuser_engagement
ウェブページにフォーカスがある状態が 1 秒以上続いたとき。video_complete
動画が終了したときvideo_progress
動画が再生時間の 10%、25%、50%、75% 以降まで進んだときvideo_start
動画の再生が開始されたときview_search_results
ユーザーがサイト内検索を行うたびに記録され、URL クエリ パラメータが含まれているかどうかで示される
UAの時よりも自動収集される行動データの種類が増えましたが、データ活用をするには自動収集するイベントでは不十分なケースが多く、目的に沿ってカスタムでイベントの実装を行う必要があります。
GA4では、公式のヘルプドキュメントで推奨イベントというものを紹介しています。
» [GA4] 推奨イベント – アナリティクス ヘルプ
紹介されているイベントの種類が多いので、実装に不慣れな方だと選定から迷われることがよくあります。今回は、汎用的に使えるメジャーなイベントとワンランク上のイベントをご紹介いたします。
まずはここから!メジャーなイベント
scroll
代表的ですね!ページ内をスクロールすることで計測され、どこまで読まれたのかを数値で表すことができます。
GA4はデフォルトで90%スクロールした時のみ計測しますが、コンテンツ重視のWEBサイトであればカスタムでより細かく取得していくのが良いと思います。
また、scrollイベントを実装するとなった時は多くの場合はパーセンテージで取得を行いますが、見出しに反応させて計測することも可能です。弊社チーフテクノロジーマネージャーの山田が執筆した下記記事で実装方法をご紹介しておりますのでよろしければご参考ください。
share
こちらもよく使いますね!SNS等へのシェアボタンの設置をしているWEBサイトは多く、どの媒体へのシェアが多いかをパラメータとして一緒に計測することで自分たちのユーザーが普段どこにいるのかを計測できます。
アーンドメディアの運営をしている場合、こちらはClick_to_〇〇みたいなイベントを実装してどれだけ誘導できているのか計測するのも良いと思います。
最近地味に悩むのは、TwitterをTwitterとするのかXとするのか、ですね……皆さんどちらにしているんでしょう。
generate_lead
問い合わせを計測するイベントです。WEBサイトや会社への全般的な問い合わせを計測する目的で実装します。
問い合わせの目的等をフォームに組み込んでいる場合はパラメータで選択内容を一緒に送っていただくとより詳細に計測することが可能です。
sign_up
会員登録を計測するイベントです。コンバージョン用のイベントとしてメジャーですね!
UAの時はユーザーの識別は基本的にブラウザが発行するCookieの一意の値でしたが、GA4では自社の会員IDをGA4に送ることでユーザーの識別精度を向上させることが可能です。
会員IDはsign_upイベントが発火するタイミングであったり、loginイベント(ログインが行われた時に計測するカスタムイベント)やpage_viewイベント等で計測するよう実装すると◎
難易度アップ!一歩先の活用ができるイベント
purchase
ECサイトで購入を計測するeコマースイベントですね。
通常のカスタムイベントとは違って、eコマースイベントは商品の名称やID、価格等の情報を配列にした上でGA4に送信する必要があります。
手間は大きいですが、その分どの商品が人気で、購入までどのようなサイト回遊を行っているか?を追うことができるようになります。
また、このイベント自体はeコマースイベントとしてのお作法を守ればECサイトでなくても実装可能です!
たとえば複数の求人、複数の資料を同時に申し込めるフォームの送信完了や、コンテンツに紐づくタグ情報等、一度に複数の情報を送ってそれらの傾向分析したい場合に有効です。
通常のカスタムイベントでも計測はできますが、パラメータをたくさん用意しないといけなかったり、1つのパラメータで運用しようと思ったら色んな情報を1つの枠に無理矢理押し込めることになるので後々手動でデータを加工する必要があったり等、使い勝手が悪いです。
また、一定数の購入データがあればGA4では予測指標と呼ばれる特殊なオーディエンスを作成することができ、広告運用に活かすことができます。
予測指標については以下の記事をご覧ください。
UAにはなかった!複合条件でイベント計測
特定のイベントではありませんが、もう1つご紹介したいことが、オーディエンスと呼ばれるユーザーリスト機能です。
オーディエンストリガーと呼ばれる、たとえば「1セッション内でページAにアクセスした後ページBにアクセスしたらイベントを発火させる」等が可能なイベントの計測方法です。
UAの時のカスタムセグメントに一致する場合にイベントを発火させる!といったイメージです。
オーディエンストリガーはイベントベースで条件を設定することができて、特定のページの閲覧以外にも特定のイベントが発火した、さらにはシーケンス条件を追加して特定の順番で発火した等、かなり自由度高く条件設定を組むことができます。
サイト回遊やカスタマージャーニー等を重要視する場合にとくにオススメです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。メジャーなイベントは、UAからの移行時に一緒に設定されることが多いのではないかと思います。
purchaseやオーディエンストリガーを使ったイベントはまだまだ導入している企業が少ないので、より深い分析をしたいというご希望があればぜひチャレンジしてみてください。
今回ご紹介したイベント以外にも、サイトによって導入すべきイベントはございます。プリンシプルではサイトの活用設計をさせていただいた上でイベントのご提案・実装も承っておりますので、ご興味がありましたらぜひお問い合わせください。