2023年7月にユニバーサルアナリティクスが新規処理を停止するというアナウンスがありました。これまで様子見であった各企業も、GA4導入に向けて動き出すことになるかと思います。
そこで企業としてGA4を利用するにあたり、データをBigQueryにエクスポートするかどうかを迷うケースがあると思います。当記事では「GA4データをBigQueryにエクスポートするべきかどうかを決定する際、どのような要素を考慮するべきか?」を網羅的に紹介致します。
GA4データをBigQueryにエクスポートするか判断する6つの要素
GA4データをBigQueryにエクスポートするかどうかを判断する際に考慮すべき要素を、この記事では以下の6つにまとめてみました。
- SQLの書き手の有無
- BigQuery費用負担の可否
- 過去データを参照する頻度
- GA4利用ユーザーの練度
- 他データとの結合必要性
- 機械学習利活用機会
要素1. SQLの書き手の有無
データベースのひとつであるBigQueryからデータを取得、整形、分析ためには、SQLと呼ばれるデータベース操作言語が必要となります。
もしマーケティング担当部署にSQLを書ける人がいなければ、BigQuery上のデータを参照する機会が生じるたびに、社内のシステム部門や、場合によっては外部のアウトソーサーを利用しなくてはいけないことになります。すると、分析に時間がかかる、依頼するのが面倒、依頼するたびに費用が発生するなどの理由で、BigQueryのデータを利用した分析やデータ活用は定着しないでしょう。
筆者の肌感覚では、マーケターが必要とするレベルのSQLの知識は、(個人差はあるにしても)30時間程度の学習で身につくと思います。実際に育成する場合には、マーケティングの部署の人数5人に対し、最低1人くらいはSQLを書ける人が必要となるでしょう。
後述の要素を考え、どうしてもBigQuery上のデータを利用したい場合には、まず、SQLの書き手を確保する必要があると思います。
要素2. BigQuery費用負担の可否
GA4からBigQueryへのデータエクスポート自体は無料ですが、BigQueryの利用料金がかかります。
費用体系は明示されており、ヘルプも比較的充実しています。
費用対効果の観点から、自社のマーケティング活動が、高度化、自動化することによるメリットが費用を上回るかどうか?が検討要素に入ってくるでしょう。
要素3. 過去データを参照する頻度
GA4のデータ保持期間は最大14ヶ月です。
それより古いデータはGA4のブラウザUIからはアクセスできません。したがって過去データを参照したい場合、もっとも長い時間さかのぼっても14ヶ月前まで。ということになります。
それ以上古いデータにアクセスする場合には、予め外部のファイルとして保存しておいたデータを参照することとなります。しかしGA4のデータをファイルに保存するのは面倒な作業ですし、参照するデータも、14ヶ月より前のデータは外部ファイルで、それより新しいデータはGA4で。となり、取り扱いが面倒です。
したがって、15ヶ月以遠の過去データを頻繁に参照する必要がある場合には、BigQueryという一つのデータの入れ物にデータが入っていたほうが断然便利です。過去データの参照機会がどの程度あるかが検討の要素にはいってくると思います。
要素4. GA4利用ユーザーの練度
自社のマーケターが、GA4のブラウザUIに慣れており、探索配下のレポートで自在に分析ができる場合は不要です。そうでない場合には、GA4データをもとにGoogleデータポータル(GDP)や、Tableauなどの外部のダッシュボードツールやBIツールで、見やすい形、利用しやすい形に変えてあげて、マーケターはGDPやTableauを参照する。という使い方になるかと思います。
GDPを使用する場合にはGA4のデータに直接アクセスできますので、必ずしもデータがBigQuery上になければいけない訳ではありません。しかし、より柔軟なレポートを作成できるデータソースはBigQuery上のデータだと言えます。
また、Tableauは2022年3月現在、GA4のAPIに対応していないので、TableauでGA4データにアクセスするには、どうしてもBigQuery経由ということになります。
このあたり、GA4の練度によって「自社マーケターにGA4を使ってもらうのか、外部のダッシュボードツール、BIツールを使ってもらうのか?」がBigQuery利用検討の要素に入ってきます。
要素5. 他データとの結合必要性
GA4が記録するウェブの利用データと、それ以外のデータ(例えば、B2Cビジネスにおけるオフライン店舗での購入履歴、コールセンターでの通話履歴や、B2Bビジネスにおける、CRMツール上の顧客情報など)と結合して分析する必要がある場合、GA4のデータはデータベースに存在していた方が実現しやすいです。
自社でマーケティングDXを推進している企業の場合、多くは、複数のデータソースを結合・分析し、新規顧客の獲得効率改善や、既存顧客との関係性を高めることを目指すと思います。そうした状況にあるかないかが、BigQueryへのデータエクスポート検討時の要素に入ってきます。
要素6. 機械学習利活用機会
機械学習を利用して「予測」や「分類」を利用し、その戻り値を利用して業務の改善を図る場合には、「機械学習エンジン」にGA4データを与える必要があります。
機械学習エンジンは、Pythonや、Rのようなプログラム、Exploratoryのようなソフトウェアもありますが、データを加工し、加工したデータをシームレスに流すという点においては、BigQuery MLやAuto ML Tablesは使い勝手が良いです。
したがって、GA4のデータを機械学習にかけて利用するかどうか?が、BigQueryエクスポートを検討する際の要素となります。
参考記事:
まとめ
この記事では、「GA4データをBigQueryにエクスポートするかどうか」を判断する際に考慮すべき要素として以下の6つをまとめました。是非参考にしてみてください。
- SQLの書き手の有無
- BigQuery費用負担の可否
- 過去データを参照する頻度
- GA4利用ユーザーの練度
- 他データとの結合必要性
- 機械学習利活用機会
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