これまでバージョンアップを重ねて進化してきたGoogle Analyticsですが、正式にリリースされている最新バージョンはGA4と呼ばれるGoogle Analytics 4になります。
ところが企業のご担当者様もマーケターの皆さんも、未だ前世代のユニバーサル・アナリティクスをメインで使用されているケースが多く見られます。
GA4は従来のユニバーサル・アナリティクスで慣れ親しんだ「セッション」「直帰率」などとは異なる指標で分析するプラットフォームのため、導入に二の足を踏んでしまうかもしれません。
ですがGA4はより多面的にユーザー行動を分析し、自社のコンバージョンの増加に寄与できる高度な機能の宝庫です。そのGA4のメリットや最新情報をまとめて解説します。
記事の内容
- GA4の立ち位置、ユニバーサルアナリティクスとの違い
- GA4との並行運用
- GA4の機能をポイント紹介
- GA4を使いこなすマーケターの未来
GA4の立ち位置、ユニバーサルアナリティクスとの違い
GA4は現在Googleがリリースしている正式な最新バージョンという立ち位置です。まだ発展途上のプラットフォームではありますが、Gmail、Googleマップなどはかつてはそうでした。同様にGA4も機能がアップして、いつのまにか主流になると予測しています。
GA4とユニバーサルアナリティクスとの違いは複数ありますが、マーケターの皆さんが一番とまどうのは「直帰率」という指標や「ランディングページ」というディメンションがなくなることではないでしょうか。
例えば、YAHOO!のウェブサイトでしたらトップページを開いた瞬間にセッションが始まり、ニュース見て天気予報を見て、4ページ見て離脱しました。5分滞在しました。従来はそのように計測される「セッション」がレポーティングの基本単位でしたが、GA4では、セッションの重要性は低下し、「ユーザー」単位での指標が重要度を増しています。
例えば、「ユーザー獲得」というレポートでは、ユーザーの初回訪問を獲得した参照元やメディアがディメンションとして利用でき、指標としては、「エンゲージのあったセッション数(ユーザーあたり)」という、ユーザースコープの指標が利用できます。
賢いマーケターは始めている! GA4との並行運用
もし、運営するサイトに既にユニバーサルアナリティクス(UA)が導入されている場合にGA4を導入し、同一のサイトをUA、GA4を両方導入しても、GA4がUAのデータに影響を与えることはありません。つまり、GA4の導入はリスクが低いです。
さらに、以下の点を考えると、賢いマーケターほど、GA4を早めに入れておくほうが良いと判断し、既に導入済み、もしくは早期の導入を検討中ではないかと思います。
- GA4のインターフェース、ディメンション、指標はUAと大きく異なるため、「慣れ」や「学び」が必要
- (近い)将来的にGA4のデータを参照したくなった場合、早めに導入しておけば利用できるデータの期間が長い
つまり、UAとGA4を並行運用し、日々の業務ではUAに基づくレポーティングを行いながらも、徐々にGA4についての知見を蓄積してゆくという考え方です。
GA4の機能をポイント紹介
従来とはインターフェース、ディメンション、指標などが大きく異なり、戸惑うことの多いGA4ですが、ユニバーサルアナリティクスであろうが、GA4であろうが、Google アナリティクスを利用する目的は「トラフィック改善とサイト改善によりコンバージョンを最大化すること」で変わりはありません。
ただ、考え方として「どのような参照元/メディア/キャンペーンがどのページにランディングした時にコンバージョンしやすいか?」というセッション単位ではなく、高いエンゲージメントをもたらす「ユーザー」の初回訪問を獲得したのはどのメディアか?どのコンテンツに触れた「ユーザー」がコンバージョンしやすいのか?といったユーザーに基づく分析を可能にしたのがGA4です。
以下で紹介する4つの機能は、すべて「ユーザー軸」での分析、アクションを可能にする機能といえます。
機械学習
GA4では機械学習に基づくユーザーセグメントが作成でき、作成したセグメントをGoogle広告に適用すすれば、予測指標に基づいた広告のターゲティングも可能です。例えば「今後7日以内に初めてコンバージョンしそうなユーザー」というターゲティングであれば、これまでに自社でコンバージョンしたユーザーの行動からに類似している、まだ一度もコンバージョンしたことがないユーザーに広告を掲載することが出来ます。
その場合、「初めてお買い物する方に10%OFFクーポンプレゼント」といった初回広告にインセンティブを与えるようなキャンペーン設計にすることで、効率のよく初回購入ユーザーを獲得することができます。機械学習の精度はまだわかりませんが、コンバージョンする可能性をユーザー別に計算し、上位10パーセンタイルのユーザーをターゲティングする仕組みです。マーケターにはぜひ活用をおすすめします。
Googleシグナル
通常はCookieを使うとバソコンとスマホで別ユーザーとして認識されてしまいますが、Googleシグナルによって、Googleアカウントに基づいてユーザーが紐づくのでデバイスを問わず一ユーザーとして計測できます。
例えば、スマホで広告をクリックしてすぐに購入しなくても、デバイスを変えてパソコンでコンバージョンした場合、「その広告の成果」としてカウントできるので、コンバージョンに有効な広告はどれであったのかを、より精度高く分析することが可能になります。
アプリ連携
これまではウェブ上の行動とアプリの行動は別々で計測する必要がありましたが、GA4では一つのプラットフォームで分析が可能になりました。上記のGoogleシグナルの利用と合わせれば、例えばアプリで商品を見てくれて、ウェブで買ったユーザーをトータルで計測できます。その消費行動から「アプリで認知してもらってウェブでコンバージョンする際の最適化」に向けて改善できます。
ブランディング広の最適化
ブランディング広告はマーケティングファネルの上層である「認知」にあたることから、アクションを計測するのに向いたユニバーサルアナリティクスでは、成果や費用対効果を計りづらかった側面があります。
GA4ではGoogleシグナルでユーザーを紐付けたり、「初回訪問時に利用したキャンペーン」などのディメンションを利用できるので、「このユーザーは数ヶ月前のブランディング広告でコンバージョンに至った」という効果測定が可能。さらにLTVまでを初回訪問を獲得した広告に紐付けることができます。
前者の特徴は、特に住宅、車、旅行などすぐにコンバージョンしないけれど、ライフステージや時期を見据えて検討する商材やサービスに、後者の特徴は、ECサイトのように、何回もコンバージョンしうるため、ユーザーごとのLTVに差がつくビジネスに適した仕様だと言えます。
Googleが推奨するGA4を使いこなすマーケターの未来
インターフェイスや分析の軸(セッションからユーザーへ)は変わりますが、GA4はマーケターが戦略・設計をする上で本当に知りたいことを解析できるプラットフォームです。セッションといった短期のアクションでコンバージョン率の改善をはかるユニバーサルアナリティクスではできなかった、「まだ認知段階にいてすぐにはコンバージョンはしないかもしれないが顧客になってくれそうなユーザーを獲得したキャンペーンの可視化」の獲得状況の可視化、「1回の購入だけでなく、何度も購入してくれるLTVの高いユーザーを獲得したキャンペーンの可視化」など、GA4では自社にフィットしたユーザーを効率よく獲得できているかどうかを可視化する機能を備えています。
また、BigQueryに生データをエクスポートできますので、「探索」機能が提供している定形のレポート以外にもマーケターのイマジネーションの数だけ自由な仮説、証明、分析が可能なプラットフォームがGA4なのだと言えます。
まとめ
新しいテクノロジーは、使いこなせるマーケターには大きな武器となります。GA4はその中でも特に大きな節目となるテクノロジーではないでしょうか。GA4はGoogle正式の最新版なのでいずれ主流となる潮流です。
デバイスをまたいでユーザーを分析できる。機械学習によるターゲティングで広告の精度をあげられる。生データで自由な解析やレポーティングを実現など、GA4にはメリットがたくさんあります。
「よくわからないから」と支障がない程度の最低限で使うよりは、今から学んでフル活用することをおすすめします。
GA4によるマーケティングを活用しているプリンシプルでも導入をご支援いたします。
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