GA4のデータ抽出でお困りではありませんか?GA4導入が落ち着き運用フェーズに入っていることもあり、「こういうデータを見るにはどうしたらいい?」「データの計測が上手くいっていないかも」といったお問い合わせをいただくようになりました。

直近数ヶ月で非常に多いのは不具合系のお問い合わせです。WEBサイト起因だったりすることもありますが、GA4の設定方法に問題があるケースも多いです。

そこで今回は、GA4を使う際に運用がしにくくなる等の癖強めな設定と仕様を4つご紹介します。

※GA4をご自身で設定できることが前提のマニアックな設定を知りたい方向けの記事です。

1.リアルタイムユーザー全員のデバッグモード有効化

パラメータ「debug_mode: true」を設定しイベント発火時に一緒に送信されるように設定すると、リアルタイムレポートのデータをデバイス別に [DebugView] で確認できるようになります。

[デバッグに使用するデバイス] では、通常、自分自身のデバイスのみが選択できますが、有効化すると他ユーザーのデバイスを選択して確認することが可能です。検証環境のみでならまだ考えられますが、アクセス数がそれなりにある本番環境で有効化すると今現在デバッグしたいデバイスを見つけるのが非常に手間となってしまいます。

個票はデータ収集後の [ユーザーエクスプローラ] レポートでも見られます。タグを操作してまで閲覧できるようにするのはメリットよりもデメリットが多いため、おすすめしません。

2. デベロッパートラフィックのフィルタリング

社内トラフィックの除外をしているプロパティは多いですが、デベロッパートラフィックを設定しているプロパティはまだまだ少ないです。

[GA4] デベロッパーのトラフィックを除外する
デバッグモードを使用している内部デベロッパーのアクティビティを除外できます。これにより、デベロッパーが DebugView を使って問題のトラブルシューティングをしていても、そのアクティビティはレポートには表示されません。

[GA4] デベロッパーのトラフィックを除外する – アナリティクス ヘルプ より引用

社内トラフィックは顧客となる社員も紛れているため除外するかどうかの判断は要検討だと思いますが、デベロッパートラフィックは検証作業として何度もイベント送信をすることがあるためフィルタ設定を行うことをおすすめします。

設定は [データフィルタ] で1分程度で行える簡単な設定ですが、「除外」にするかは検討が必要です。実データとして蓄積されなくなることでディメンションや指標を組み合わせてのデータ検証が行えなくなるため、ご心配な方は「テスト」にすることをおすすめします。

3. URLの日本語文字列

URLに日本語が含まれているページのデータを収集した際、page_locationにエンコードされていない値が格納されている場合は注意が必要です。

たとえば「www.principle-c.com/?keyword=プリンシプル」のようなクエリとして認識できる文字列はエンコード処理されて格納されますが、「www.principle-c.com/プリンシプル」や「www.principle-c.com/プリンシプルXXX/」のような形式はエンコードされないまま格納されます。

■https://www.principle-c.com/?blogtest=てすと の場合

■https://www.principle-c.com/てすと の場合

GA4になってからBigQueryを使う企業が増加しましたが、無償版プロパティでエクスポート上限に抵触していることも多く、エクスポートされなかった集計期間を部分的にData APIで抽出するケースがあると思います。

上記の状態のままデータを抽出してBigQueryに格納できるようUTF-8形式でCSVファイルを作成すると、文字化けして該当行のデータが正しく表示されないことがあります。

該当行に対して抽出後に別途処理をかける手段もありますが、事前に処理をしておく方が手間が少ないのでGTMの組み込み変数「Page URL」を使って抽出する等、対策を行っておくことをおすすめします。

■GA4が自動的に収集した場合

■組み込み変数「Page URL」を用いて収集した場合

4. イベント名の命名規則

2024年8月時点、イベント名に日本語を含めて設定すると [Debug View] では発火が確認できるものの、レポートとしてデータ集計がされません。

イベント名は、自動収集や推奨イベントと同様にアルファベットとアンダーバー「_」で設定するのが現時点では無難だと考えられます。どうしても日本語表記にしたい場合、Looker StudioのCASE文を使う等で解決することが可能です。

まとめ

この記事では、GA4を使う際に運用がしにくくなる等の癖強めな設定と仕様を4つご紹介しました。

アップデートでまた変更が行われる項目もあるとは思いますが、現時点だとこの辺りがまだ浸透していない設定だと思います。

まだまだマニアックな仕様は隠れていると思いますので、ご自身で調べても解決しない問題がありましたらぜひお問い合わせください。

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Ray

2017年にDMM.comに入社し、Google アナリティクスをはじめとしたGoogle製品の社内統括と設計に従事。元Google アナリティクス公式エキスパート。

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