UAの設定を参照してGA4のプロパティが自動作成される機能が有効化されました。この記事では、どのような場合にGA4プロパティが作成されるのか、既存のGA4プロパティにどのような影響があるのか、解説していきます。

GA4プロパティ自動生成機能の概要

GA4プロパティ自動生成機能の確認方法

冒頭でも述べた通り、UAの設定をもとにGA4プロパティを自動生成する機能が、UAの管理画面に追加されました。本機能はデフォルトで有効状態に設定されており、GA4プロパティを自動作成したくない場合は手動でOFFにする必要があります。

設定の状況はUA管理画面の [管理] > [プロパティ] > [GA4設定アシスタント] から確認できます。

上記画像の「Googleアナリティクス4プロパティ(基本設定)を自動生成する」の項目がONになっており、かつ該当UAにリンクされたGA4プロパティが無い場合、UAと同一のアカウント内にGA4プロパティが新規作成されます。

(すでにリンクされたGA4プロパティが存在する場合は、リンクされた既存GA4に対してUAの基本設定が適応されます。こちらについては以降の項目で詳しく解説します。)

詳細については、併せて公式のヘルプドキュメントもご確認ください。
»[UA→GA4]自動作成されたGoogleアナリティクス4プロパティ

GA4に移行される設定の内容

UAの管理画面を見ると以下の文言があります。

このプロパティには、現在の設定に基づく基本設定が適用され、

今回の機能で、UAの設定に基づいてGA4に適用される基本設定は以下のとおりです。

  • イベントデータの収集
  • Googleシグナルの設定
  • コンバージョン設定
  • オーディエンス定義
  • ユーザー管理
  • Google広告とのリンク
  • Google広告でのGA4コンバージョンの使用
  • Google広告でのGA4オーディエンスの使用

上記の項目はGA4管理画面の [管理] > [プロパティ] > [設定アシスタント] から確認できます。

※「高度な設定内容」に含まれる項目は、現状、UAからの引継ぎのアナウンスはありません。

上記の各項目について、UAの設定が移行される場合にどのような処理が行われるのかについては、公式のヘルプドキュメントをご参照ください。
»[GA4]設定アシスタントを使用してGA4プロパティを設定する

GA4プロパティの自動作成が開始される時期

Googleのアナウンスでは、2023/2/28時点で「Googleアナリティクス4プロパティ(基本設定)を自動生成する」の項目がONになっていたUAにおいて、3月以降、順々に本機能を適用させていくとしています。

この記事を執筆しているのが3月上旬ですので、お読みいただいている皆様の中には、すでに新規のGA4プロパティが自動作成された方もいらっしゃるかもしれません。

3/1以降、かつGA4プロパティが自動作成される前に「Googleアナリティクス4プロパティ(基本設定)を自動生成する」の項目をOFFにしたり、UAとGA4のリンクを解除した場合にどうなるのかは現状不明です。(個人的な予想では、3/1以降の変更は考慮されないのではないかと思います。)

本機能を使いたくないのに、2/28までに設定をOFFにし忘れてしまったという方がいらっしゃいましたら、ご自身が後述のどのパターンに当てはまるかを参考に、GAの設定を見直してみてください。

パターン別:GA4プロパティ自動生成機能による影響

2023/2/28時点で以下4つのどのパターンに当てはまっているかを、是非ご確認ください。

パターン1:GA4のプロパティを作成していない場合

GA4のプロパティを作成していない場合には、UAの設定に基づいて、上述した基本設定が適用された新規GA4プロパティが作成されます。

パターン2:同一アカウント内にGA4プロパティを作成しているが、UAとリンクしていない場合

同一アカウント内にGA4が存在していてもUAとリンクされていない場合には、作成されたGA4プロパティは元となったUAと自動でリンクされます。

この場合、同じ計測範囲のGA4がアカウント内に2つ存在することになってしまいます。新規で作成されたGA4プロパティを使用しない場合は、UA管理画面の [GA4設定アシスタント]からリンクを解除できます。その後該当のGA4プロパティを削除することも可能です。

また、既存のGA4プロパティへの影響はありません。

パターン3:同一アカウント内にUAとリンクしたGA4プロパティをすでに作成している場合

UAとリンクしたGA4プロパティを同一アカウントですでに作成している場合には、GA4プロパティが新規で作成されることはありません。

しかし、GA4の基本設定の項目においてUAの設定を適用するよう、GA4のプロパティ設定が更新されます。GA4において設定が未完了の項目や、意図して既存UAと異なる設定をしている項目の設定内容が、自動的に更新されることとなります。

自動での設定更新を防ぐためには、GA4管理画面の [設定アシスタント] で各項目のステータスを「完了」にする必要があります。「完了」になった設定項目については、設定が自動で更新されることはありません

パターン4:別のアカウントでGA4プロパティを作成している場合

別のアカウントでGA4プロパティを作成している場合には、UAと同一のアカウント内にGA4プロパティが新規で作成されます。また、アカウントが異なるGA4とUAはリンクさせることができません。

ですが、UAおよびGA4のプロパティは、指定のアカウント配下へ移行することが可能です。

異なるアカウントのUAとGA4をリンクさせたい場合、どちらかのプロパティをもう片方のプロパティと同じアカウント配下に移行させることで、リンクを実現できます。

プロパティのアカウントを移行するには、UAまたはGA4の管理画面の [プロパティ設定] を開き、右上の「プロパティを移行」を選択します。

・UA

・GA4

まとめ

この記事では、GA4のプロパティが自動作成される機能について、どのような場合にGA4プロパティが作成されるのか、既存のGA4プロパティにどのような影響があるのかを解説しました。

基本的にGA4プロパティ自動作成機能はOFFにしておくことをお勧めいたします。OFFにしておけば、新規でGA4プロパティが作成されることも無く、既存のGA4の設定に影響を与えることもありません。

本記事が皆様のGA理解の一助になれば幸いです。

お気軽にご質問、ご相談ください

関連タグ

小竹理菜

早稲田大学社会科学部卒。学生インターンを経て新卒でプリンシプルに入社。Googleアナリティクスや運用型広告の設計・実装を担当。GAIQ、Google広告認定資格所持。

関連資料

GA4でUAレポートを再現する新規顧客とリピーターレポート

公開日:2023年02月

GA4でUAレポートを再現する新規顧客とリピーターレポート

  • GA4

関連ブログ