GA4の推奨イベントに、サイレントで追加された「リードジェネレーション」イベントはご存知でしょうか。
名前から想像できる通り、見込み顧客を区別するためのイベントであり、多くのWEBサイトで活用できる可能性を秘めています。
今回は追加されたイベントの種類と、実装イメージについてご紹介いたします。
リードジェネレーションイベント一覧(全6種類)
リードジェネレーションイベントでは、2024年12月現在6種類のイベントが用意されています。
- generate_lead
- qualify_lead
- disqualify_lead
- working_lead
- close_convert_lead
- close_unconvert_lead
generate_leadイベント以外はリードジェネレーションイベントとして初めて公開されたイベントで、全てを実装するとファネル分析を行うのに役立ちます。
それぞれのイベントについて、次項より解説いたします。
1. generate_lead
「generate_lead」は以前からある推奨イベントで、全てのGA4プロパティ向けに推奨されているイベントでもあります。
問い合わせフォーム送信や電話番号リンクのタップ等、リードジェネレーションの計測において最もキーとなるイベントと考えられます。
GA4当初よりある推奨イベントですが、リードジェネレーションイベントとして活用する場合、以下のパラメータを同時にGA4に送信する必要があります。
イベント計測時のパラメータ
パラメータ名 | 必須 | 概要 | 入力例 |
---|---|---|---|
currency | 〇 | 通貨 | JPY |
value | 〇 | 価格 | 10000 |
lead_source | ✕ | 見込み顧客の獲得方法 | 2024xxxxseminar |
項目は少ないですが、ユニバーサルアナリティクス(UA)の目標の価値のようにその行動に意味付けを行う仕様です。例えばセミナー開催後のアンケートに回答した参加者を捕捉すれば、セミナー毎の効果計測に役立ちます。
2. qualify_lead
「qualify_lead」は、見込み顧客の条件を満たしているとマークされたタイミングで発火させるイベントで、WEBサイトであれば特定のページを閲覧したり、コンテンツの熟読率が高い場合等が計測の候補として考えられます。
イベント計測時のパラメータ
パラメータ名 | 必須 | 概要 | 入力例 |
---|---|---|---|
currency | 〇 | 通貨 | JPY |
value | 〇 | 価格 | 10000 |
パラメータはlead_source以外はgenerate_leadイベントと同様です。currencyとvalueはリードジェネレーションイベントにおいて共通で実装が必要なパラメータなので、常に送るように実装してください。
3. disqualify_lead
「disqualify_lead」は先ほどのqualify_leadの逆で、見込み顧客になりえないと判断した場合に発火させるイベントです。
イベント計測時のパラメータ
パラメータ名 | 必須 | 概要 | 入力例 |
---|---|---|---|
currency | 〇 | 通貨 | JPY |
value | 〇 | 価格 | 10000 |
disqualified_lead_reason | ✕ | 見込み顧客になりえないと判断した理由 | 他社契約済み |
上記に挙げたセミナーを例にすると、アンケート結果で他社からのリプレイスには発展しない等でコンバージョンに繋がる可能性が低い場合等に発火させるケースが考えられます。
こちらのイベントはWEBサイト外での行動を基に発火させるようなイベントだと考えられます。そのため、ケースによってはMeasurement Protocolの利用も検討してください。
4. working_lead
「working_lead」は、見込み顧客と企業の間でコミュニケーションが進んでいる段階で発火させるイベントです。
イベント計測時のパラメータ
パラメータ名 | 必須 | 概要 | 入力例 |
---|---|---|---|
currency | 〇 | 通貨 | JPY |
value | 〇 | 価格 | 10000 |
lead_status | ✕ | 見込み顧客のステータス | 打ち合わせ日程調整中 |
lead_statusの仕様を考えると、WEBサイト上で発火させるのはハードルが高いイベントだと思います。WEBサイトで計測するとしたら、例えばリマーケティング広告から流入したセッションがあった場合に発火させる等が考えられます。
5. close_convert_lead
「close_convert_lead」は、見込み顧客がコンバージョンを達成した段階で発火させるイベントです、
イベント計測時のパラメータ
パラメータ名 | 必須 | 概要 | 入力例 |
---|---|---|---|
currency | 〇 | 通貨 | JPY |
value | 〇 | 価格 | 10000 |
WEBサイト上で計測する場合、特定のコンテンツや流入経路からコンバージョンした場合等が考えられます。
6. close_unconvert_lead
「close_unconvert_lead」は、コンバージョン達成が難しいと判断された見込み顧客にマーク付けするためのイベントです。
イベント計測時のパラメータ
パラメータ名 | 必須 | 概要 | 入力例 |
---|---|---|---|
currency | 〇 | 通貨 | JPY |
value | 〇 | 価格 | 10000 |
unconvert_lead_reason | ✕ | コンバージョンに至らなかった理由 | 音信不通 |
disqualify_leadと同様にWEBサイト外での計測がメインになるのではと思います。
リードジェネレーションイベントの活用に適している業界とは
性質上、リードジェネレーションイベントは、それ自体がコンバージョンに直結するケースは少ないと思われます。
そのため、ECサイトでの活用も可能ではありますが、非ECサイトである自動車や保険商品、BtoBといったオフラインでのコンバージョンが主となる業界の方が、より多くの活用機会があるのではないかと考えています。
また、generation_leadはどの業界でも利用可能であるものの、パラメータも計測しているケースは非常に少ないです。今現在利用している環境や、今後実装する場合はこれらのパラメータも同時に送信すべきと考えられます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
リードジェネレーションイベントは、構成自体はシンプルですが、計測を行うタイミングの設計難易度が高いイベントです。
また、他の多くの推奨イベントとは異なり、必須パラメータが存在します。必須パラメータが存在する推奨イベントの大半はeコマース関連のイベントです。あえて必須パラメータを設けたということは、非ECサイトでもデータ活用が進むような、さらなるアップデートが期待できるかもしれません。
今後どうなっていくか現時点では公式な発表はありませんが、ぜひ積極的な先取りをご検討ください!
今回ご紹介したイベントについて、お持ちのWEBサイトで活用できる余地があるのかや、計測方法等に関する疑問をお持ちの方はお気軽にお問合せください。