本記事で触れているGoogleアナリティクスは、ユニバーサルアナリティクス(UA)を前提としています。
GA4を対象とした記事ではございませんので、ご注意ください。
Google アナリティクスを有効活用するためには、フィルタや目標など事前に設定しておくべき項目があります。Google アナリティクス診断(GA診断)では、Google アナリティクスの現在の設定を確認し、より高度な活用をするための改善点を掘り起こすことが可能です。
弊社でGA診断を診させていただいているお客様のサイトの中でTOP3の設定漏れを紹介したいと思います。
Top1.クロスドメイントラッキングができていない
クロスドメイントラッキングの役割
Googleアナリティクスでは、同一ユーザーを識別するために「clientId(クライアントID)」と呼ばれるIDをブラウザのCookieに保存し利用しています。
このCookieはファーストパーティCookieとして記録されているため、複数のドメインを1つのプロパティIDでまとめて計測している場合、Cookieが共有できず、別ドメインに遷移する際に別ユーザーとして識別されてしまいます。
そこでGoogleアナリティクスでは「クロスドメイントラッキング」という機能が提供されています。この機能は、遷移元のドメインでリンクがクリックされると、遷移先URLにclientId を付与し、遷移先ドメインに対してclientIdを引き継ぐ、というものです。クロスドメイントラッキングを使用すると、複数ドメインでの行動を、同一ユーザーの行動としてGoogleアナリティクスのレポートに記録させることができます。
クロスドメイントラッキングができていない場合
上記のような状況でクロスドメイントラッキングを設定していない場合、ドメインを跨ぐ時にセッションが切れてしまうため、Google アナリティクスにおいて参照元が正しく計測できず、実際にはユーザーがどこから流入してコンバージョンに至ったのか分からなくなってしまいます。「コンバージョンしたセッションの流入元が全てダイレクト流入になってしまっている」という事象を見ることがありますが、それはクロスドメイン・トラッキングができていないことに起因します。またユーザーがそれぞれのドメインで1ずつカウントされてしまうため、ユーザー数およびセッション数の指標が二重に計測されてしまうことになります。
確認方法
- ドメインを跨いだときに、 URL に_gaから始まるパラメーターが含まれているか?
- ドメインを跨いだときに、Googleアナリティクス上で同一ユーザー・同一セッションとして計測されているか?
Top2.マイクロコンバージョンの目標設定をしていない
マイクロコンバージョンの役割
最終コンバージョンに至るまでの各段階に設定する中間コンバージョンをマイクロコンバージョンと言います。最終コンバージョンに至るまでの重要なポイントになります。
マイクロコンバージョンができていない場合
マイクロコンバージョンが設定されている場合はマクロコンバージョン(主要なコンバージョン)に至るまでの各ステップのどこでユーザーの離脱率が高くなっているのか、どのステップを改善する必要があるのかをあぶり出しやすくすることができます。
サイトによっては、コンバージョン数が少ないものも存在します。コンバージョン数が少ない場合、アクセス解析に基づいた意思決定を行うことが難しくなってしまいます。それを回避するためにも、コンバージョン数が少ないサイトでは特に、マイクロコンバージョンを設定することをおすすめします。
確認方法
Googleアナリティクスの管理画面⇒ビュー⇒目標
こちらでマクロコンバージョン以外のマイクロコンバージョンを目標にして設定することで、それぞれの段階でコンバージョンに近いユーザーを集客できている広告や、離脱に繋がるサイトの改善点を明確にすることができます。
Top3.不要なクエリパラメータを除外していない。
不要なクエリパラメータを除外の役割
GoogleアナリティクスはページをURL単位で計測しますので、URLにパラメータが付与されると、同じページでも、Google アナリティクス管理画面上では別のページとして計測されてしまいます。分析に不要なパラメータを削除して集計することとページの集計漏れがないことが大事です。
サイト構造や、実施しているWebマーケティング施策によっては、Googleアナリティクス上の分析には使わないクエリパラメーターが多数計測されてしまうことがあります。
不要なクエリパラメータを除外ができていない場合
- 知らない間に集計漏れが発生してしまいます。
- Googleアナリティクスでは1日1つの分析軸で利用できるデータベースの行数は制限されているため、大規模サイトでは不要なクエリパラメータを除外しないとデータベースからあふれてしまう状況になります。
確認方法
Googleアナリティクスの管理画面⇒ビュー⇒ビューの設定
各サイト毎に異なりますが、今回ご紹介した内容に興味がある方は是非Googleアナリティクス診断を受けてください。