株式会社プリンシプルSEOチーム菊池です。先週3/13〜15にサンノゼで開催されたSMX West 2018のDAY1に参加してきましたのでレポートします。
(SMXは2017年から毎年欧米を中心に開催されているSEO・SEMのイベントで、業界の著名人や事業者がスピーカーとして登壇し、最新情報が共有される場として注目されています)
イベント概観
今回はSan Jose McEnery Convention Centerにて
- ・ホールx2(それぞれSEO・SEMのセッションが終日行われる。SEOは250席程度、SEMは100席弱)
- ・大ホールx1(主にスポンサーブース・ランチ会場。2000人くらい入る?)
- ・その他分科会場(ハンズオンセッションなど)
という規模で実施されました。
三日間、毎日9時〜夕方まで、合計約60のセッションがありました。
初日DAY1のサンノゼは雨だったこともあり朝は埋まりきっていない会場もありましたが、参加者はお昼頃から徐々に増えていった印象です。
AI Wants Intent
Keynoteは、MicrosoftによるBing AIに関するセッションと、同社クライアントのHomeAdvisor社によるAIチャットボットでの成功事例共有でした。
Bingは北米では3割以上のシェアがあり現在のSEOでも無視できないですが、「2020年までに音声検索は全検索の50%を占める」として、AIにクエリ経由で検索者の意図を理解させようという開発競争の活発さが窺えました。
音声検索は文字検索よりも長い単語がインプットされる傾向があり(10単語以上になると、検索件数は音声検索の方が多くなる)、音声検索が広く使われることでAIの意図理解能力は飛躍的に高まることが想定されています。
また画像処理では被写体の感情まで理解することも実現されており(シェアされたのは被写体の顔や人数・雰囲気によって「ハッピー度(ニコニコマーク)」をつける、というようなものでしたが)、将来には、例えば「今日の晩御飯何作ろう」と音声検索した時に、状況によって提案してくれるレシピが異なる、という世界観が提供されそうです。
2018のSEOに必要なこと
DAY1では、いくつかのエージェンシーによる「SEOでよく言われる項目と順位の相関性(2018年版)」の自主調査の結果がシェアされました。
各社共通して強調されていたのは、
- ・被リンクは引き続き重要である(もちろん自然なものですが)
- ・表示スピード
です。
また面白いアプローチとして、業種別サイトごとの(よく言われる)ランキング要素の適用度と順位の相関性に関する調査がありました。
以下は、TOP10にある「出会い系vsレシピサイトvs離婚関連サイト」同士で構造化データの導入具合を比較した内容です。
(意訳: TOP10にいる出会い系サイトは構造化データを平均2.1件しか使っていないが、レシピサイトのTOP10は平均15.6件)
全部をここで披瀝することはできませんが、その他多様な組み合わせの調査がシェアされました。
汲み取った結論は、良いコンテンツの最適解はそのビジネスとエンドユーザーの理解に委ねられ、少なくともオンページSEOでは「こうすればどのサイトでも大丈夫」はいよいよ無くなっている、ということです。
AMP AMP AMP
DAY1のもう一つのハイライトは、モバイル対応の成功例とAMPという、モバイル関連です。
AMPだけで5〜6名のスピーカーが登壇し、皆「AMPとは」から時間をとって話し始めるので案外『基礎から』という印象もありましたが、巷間言われていたメディアサイトのでなく、ECやリードジェネレーションサイトでのCVR増加というAMP成功例が共有されたので、日本では未開な分今もなお取り組み甲斐のある項目であると改めて感じました。
(北米のサイトにおいても、直帰率改善という事例が出ています。)
メジャーサイトでの実例としてeBayのSEO担当者による成功事例の共有もあり、そのことを強く考えた次第です。
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まとめ
DAY1の内容だけではありますが、「SEO」のセッションでもテクニックの話はなくなり、より本質となるビジネス理解とエンドユーザー理解、そしてビジネスインパクト(少なくとも、狭義にはCV増加)考慮の重要性を改めて考えた機会になりました。今回の刺激をプリンシプルとしてのSEOサービスにも活かしていきます。
次回はサンノゼ視察の内容をアップする予定です。