個人的な話で恐縮ですが、最近、社内外に対する「教育」的な仕事の割合が増えています。

例えば、テーマが Looker Studioのレポート作成スキル獲得だとすると、その学習コースの中の一つの取り組みとして、

「お手本となるレポートを提示し、そのレポートを再現してもらう」

という課題をお出しすることがあります。そのとき、もちろん、「正解(あるいはお手本)」となるレポートの設定は講師側しか見えないようにしておきます。

この記事では、Looker Studioでお手本レポートを再現してもらう課題のメリットや、正解との差異を見つけるためのチェックリストをご紹介します。

Looker Studioのお手本を再現してもらうメリット

この課題には、出題者側、学ぶ側、双方にメリットがあります。

出題する側としては、身につけてほしいテクニックを使ったレポート群を提示することで、自然と「学習範囲」を提示できます。詳細な指示をする必要はありません。

学ぶ側は、お手本となるレポートを参照して良いので、自分がちゃんと設定を行えば、必ず同じものが再現できるはず。と思えるので、安心して取り組むことができます。

学ぶ側が実際に行うことは、以下のような取り組みです。

  • 与えられたデータに接続する
  • お手本通りとなるようグラフや表を選択する
  • それぞれのグラフについて、「設定タブ」配下でディメンションや指標の選択、フィルタの適用、期間の選択などを行う
  • 元のデータに含まれていない項目は、計算フィールドを利用して作成する
  • 「スタイルタブ」配下で色や軸の設定といった詳細もお手本と合わせるように調整する

上記の取り組みの過程で、講師側が意図した通りのテクニックを身に着けていただく、という設計です。

比較的容易なフィードバック

あるとき、このコースを受講していたNさんから講師に対して、

「どうしてもグラフ上の数値が全く同じにならないんです」

というヘルプ依頼がありました。「Nさんの作成したレポートの設定」と、講師側だけが設定を確認できる「お手本レポートの設定」を比較すれば、どこがうまくいっていないかは、一目瞭然です。

講師側は、Nさんに、数値が同じにならない理由を比較的短時間でフィードバックすることができました。

汎用的チェックリスト

Nさんの作成してくれたLooker Studioのレポートと、お手本のレポートの数値の食い違いの原因探求にあたっては、あらかじめ用意しておいた、以下の「チェックリスト」を利用しました。

本ブログ記事を読んでいただいている読者の方にも参考になるかと思いますので、披露いたします。「お手本」とそのお手本を再現する「作例」がある前提でご覧ください。

  • データソースは同一か?
  • 期間は同一か?
  • ディメンションは同一か?
  • 日付ディメンションが使われている場合、日の粒度は同一か?
  • 指標は同一か?
  • 指標の集計方法(SUMやAVGやMAX)は同一か?
  • フィルタは適用されていないか?
  • クロスフィルタリング(他のグラフをクリックすると適用されるフィルタ)は適用されていないか?
  • ディメンションは計算フィールドで作成されていはいないか、計算フィールドであった場合、内容は同一か?
  • 指標は計算フィールドで作成されていはいないか、計算フィールドであった場合、内容は同一か?
  • 指標に「比較」「関数」は利用されていないか?利用されている場合、設定内容は同一か?

上記チェックリストを利用すると、短時間で網羅的に、2つのLooker Stuidoレポートの差異を見つけることができます。

まとめ

この記事ではLooker Studioでお手本レポートを再現してもらう課題のメリットや、正解との差異を見つけるためのチェックリストをご紹介しました。教育または学習にぜひお役立てください。

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木田和廣

早稲田大学政治経済学部卒。取締役副社長。カスタマーサクセス室室長。チーフ・エバンジェリスト。

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