3rd. Party Cookie規制の動きが加速する中で、企業データのマーケティング施策への活用がトレンドとなっております。しかし、適切な顧客データをマーケティング施策に活用し、コンバージョンの質や量の改善事例は少ない傾向にございます。
この記事では各媒体毎の1st.PartyDataのマーケティング活用法についてご紹介いたします。
プライバシー規制の変遷
近年、個人情報保護に関する話題が進んでおり、「3rd. party Cookie」廃止の動きは加速しています。直近までのCookie規制の動きを以下にまとめました。
- 2017年~:Appleブラウザの「Safari」でITP(Intelligent Tracking Prevention)を搭載し、ドメインを横断するトラッキングを防止
- 2020年3月:「3rd. Party Cookie」をデフォルト設定でブロック
- 2024年1月4日~:「Chrome」のユーザー1%に対して、「3rd. Party Cookie」の利用を無効にするテストを開始
このように主要ブラウザにおける「脱3rd. Party Cookie」の動きが加速しており、WEB広告のターゲティング精度の低下がマーケティング成果に悪影響を及ぼすとされております。
1st.Party Cookie Dataとは?
1st.Party Cookie Dataと3rd.Party Cookie Dataの違いをまとめたのが下の図です。
1st.Party Cookie Dataは、サイトドメイン側が直接管理するデータであり、オンライン・オフラインデータの両方が含まれております。今後のWEBマーケティングにおいて、1st.Party Cookie
Dataを正しく取得し、活用していくことが重要となります。
顧客データの利用同意について
1st.Party Cookie Dataを正しく取得し活用していくためには、サイト利用者に適切な活用方法を開示し、同意を得ることが必要となります。前述のデータ利用に関するユーザー同意について、主要4媒体では以下のページに記載されています。
各媒体毎にポリシーは異なりますが、以下の2点をプライバシーポリシーやトップ画面から1〜2 回の操作で到達できる場所などに明示し、データ利活用の同意をとることが最低限必要となります。
➀第三者が提供する広告配信サービスを利用するため、第三者がクッキーなどによってユーザーの対象ウェブサイトなどの訪問・行動履歴情報を取得、利用することがある旨の明記。
➁第三者が提供する広告配信サービスのオプトアウト手段により、第三者によって対象ウェブサイトなどで収集されたユーザーの訪問・行動履歴情報の広告配信への利用を停止することができる旨の明記。
※詳細は各媒体リンクをご参照の上、企業様のご責任に基づいてご対応をご検討ください。
LINEを活用した1st.PartyDataの活用方法
1st.Party Cookie Dataの活用例について、顧客との代表的なコミュニケーションツールであるLINEを活用した場合の顧客情報の取得〜Google広告への連携を以下にまとめました。
広告LP内に公式LINEアカウントのお友達追加ボタンを設定し、お友達追加時にGCLIDが発行されるようパラメータ設定します。
LINEのMAツールを用いてLINEID・GCLIDと連携し、来店・面談等のオフラインCVを統合することで、「LINE経由での来店・面談ユーザー」のデータ蓄積が可能となります。
このように取得したオフラインデータをGoogle広告の自動入札最適化に活用することで、来店確度の高い見込み顧客の増加を促進できます。
また、上記LINE経由のオフライン面談データを検索広告のキーワード連携をすることにより、面談CVに繋がりやすいキーワードへの優先配信や除外設定などの戦略への応用が可能となります。
その他のオフラインデータ活用法は過去のセミナーで詳しく解説しております。ご興味のある方はこちらをご確認ください。
各媒体別の1st.PartyData活用手法
さて、今回はLINEを活用した1st.Party.Dataの活用例を紹介致しましたが、その他の広告媒体でもデータ活用が可能です。
- 手法:カスタマーマッチ
- 活用データ例:メールアドレス、電話番号、住所、名前、居住国 等
- 手法:顧客データのインポート
- 活用データ例:・アプリ用広告識別子(IDFAまたはAAID)、メールアドレス
- 手法:カスタムオーディエンス
- 活用データ例:アプリ用広告識別子(IDFAまたはAAID)、電話番号、メールアドレス
- 手法:カスタマーリスト
- 活用データ例:メールアドレス、電話番号、住所 等
- 手法:カスタマーマッチ
- 活用データ例:メールアドレス
基本的な活用方法は各媒体共に同様で、顧客同意が得られた自社所有のユーザーデータと媒体所有データを照合し、広告運用に活用する手法です。活用先は、作成したユーザーリストへの直接配信だけではなく、類似オーディエンスへの活用も可能で、カスタマーマッチリストの活用例としては多岐に渡ります。
<活用例>
- 特定のキャンペーン期間に購入したオーディエンスへの広告配信
- オフラインでの来店・面談ユーザーに類似した新規オーディエンスに広告配信
- オフラインでのクーポン配布オーディエンスに広告配信
なお、2024年3月時点でのGoogle広告における類似オーディエンスへの活用は、デマンドジェネレーションキャンペーンのみとなっており、今後カスタマーマッチの類似セグメント配信にも益々注目が集まっていきそうですね。
まとめ
今回はプライバシー規制に伴う「脱3rd. party Cookie」対策として、「1st.Party Cookie Data」のWEB広告活用手法についてご紹介しました。
今後もプライバシー規制によるターゲティング精度の低下が予測されるため、自社データの活用がマーケティング成果を決定する要素になり得ると想定されます。各企業・業界別のビジネスモデルに即した「1st.Party Cookie Data」の活用を検討してみてはいかがでしょうか?