UAからGoogleアナリティクス4(以降GA4)への移行や活用は進んでいますでしょうか?
GA4への移行自体は比較的簡単ですが、GA4を自社のマーケティング改善の運用に乗せていくのはハードルが高くなかなか進まないというのが多くの現場の実状かと思います。そのハードルを越えるためには活用設計のプロセスが重要になってきます。
弊社ではさまざまな業種業態のお客様に向けてGA4のコンサルティングを提供していますが、その際にどのように活用設計を進めていくかをご紹介します。
GA4活用設計とは?
現場が抱える課題
社内でUAからGA4へ移行したものの、以下のような課題を抱えていませんか?
- GA4でデータは計測できているが、十分に活用しきれていない。
- UAの活用方法からどう変えていけば良いか分からない。
- GA4の特徴をいかに分析に活かすか悩んでいる。
UAには存在しなかった新しい機能や指標を自社に合わせて正しく活用することが重要です。しかし、GA4の高機能化になかなか追いつけていない方も多いかと思います。
GA4活用設計の全体像
活用設計では、自社の現状を整理したうえで、GA4のあるべき活用の方向性を定めていきます。
とくに重要なポイントは、顧客像とジャーニーの可視化です。自社にとっての重要な顧客を定義し、さらにターゲットユーザーとのタッチポイントをカスタマージャーニーで整理します。
そして、今後の課題や施策から逆算してKPIを定義し、それを追いかけるレポーティング項目を整理します。
活用設計事例のご紹介(大手部品メーカー)
以降では、弊社が実際にGA4活用設計を提供した事例をご紹介します。
背景・お客様が抱えていた課題
GA4への移行は完了したものの、お客様は以下の課題を抱えていました。
- 集客施策(SEO、広告など)によりサイトへの流入数は増加しているが、ユーザーが定着しない(リピーターが増えない)。
- 長期的に利益を生むユーザーを可視化したいが、GA4の適切な活用方法が分からない。
- セッションベースのKPIをユーザーベースのKPIにしたい。
GA4への移行に伴って、評価軸をセッション軸からユーザー軸へ切り替えることは業種にかかわらず重要な要素となります。
施策の内容
今回は製品ごとに想定されるユーザー行動が異なっていました。そこで、それぞれの製品に対し、ターゲットユーザーの定義やカスタマージャーニーの作成をし、KPIを整理しました。
さらに、Looker Studioでのダッシュボードを作成しデータの分析基盤を整えました。
施策のポイント
本施策のポイントとなった課題と取り組みは以下の2つです。
課題 | 取り組み |
製品ごとに対象となるユーザー行動が異なる | ・製品ごとにKPIを設定 ・オーディエンストリガーを利用し、各製品のCVを作成 |
CVとして設定した各イベントの重要度が異なる | ・それぞれのイベントに重み付けを行うことで評価 |
そして、これらをLTVの観点から分析することを提案いたしました。これによりユーザーが継続的にサイトを訪問し、アクションを起こしているかが分析できます。
また、GA4で新たに実装されたディメンション「ユーザーの最初の◯◯(メディア、キャンペーン等)」別にLTVを集計することで、集客施策別の成果をセッション単位でなくユーザー単位で評価できます。
さらにこれらのオーディエンストリガーは広告におけるターゲティングにも活用可能です。つまり分析だけでなく具体的なアクションにもデータを活用できます。
成果
メールや広告など、施策ごとに異なる担当者全員で議論しながらカスタマージャーニーを作成したことで、「ユーザー軸でマーケティングを最適化することが重要」という共通認識をお客様側で醸成できました。
また、GA4特有の機能を活かしたKPI設計やLooker Studioでのダッシュボード構築によってレポーティングやアドホック分析ができる体制が整いました。
まとめ
この記事ではGA4活用設計の概要とその事例について紹介しました。
GA4は導入するだけでなく、自社のビジネスに合った正しい活用設計が重要です。従来のセッション軸ではなく、ユーザー軸でデータを分析することで、サイト内におけるユーザー行動の最適化を図りましょう。