タグ管理ツールであるYahoo!タグマネージャー(以下、「YTM」)のサービス終了が発表されました。これまでYTMを利用してきた方は、今後の対応に追われているのではないでしょうか。
この記事では、YTMの終了までのスケジュールとGoogleタグマネージャー(以下、「GTM」)の特長と移行にあたっての注意事項をご紹介いたします。
終了までのスケジュール
2023年7月現在、以下のスケジュールで進行予定です。
2023年9月30日(土)
以下の各機能とサービスを停止します。
- Yahoo! JAPANユニバーサルタグ(以下、ユニバーサルタグと表記)の新規発行
- サイトの新規設定
- 新規ユーザー登録
- 有償サポート
※サービスタグの追加や設定変更は、2024年6月30日まで可能です。
2024年6月30日(日)
Yahoo!タグマネージャーの提供を終了します。2024年7月1日(月)
Yahoo!タグマネージャーの管理ツールにアクセスが不可となります。また、ユニバーサルタグを利用した計測ができなくなります。
約1年の移行期間があります。
サービス終了とほぼ同時にYTMにアクセスできなくなるため、別ツールに移行する場合は運用体制を再検討する期間も踏まえ、遅くとも年明けには準備を始めた方が良いと思います。
GTMの特徴
YTMを利用していた方の移行先として真っ先に挙がるのがGTM。YTMの類似サービスで、利用者が非常に多いです。
GTM:https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/tag-manager/
GTMには、以下の特徴があります。
- Googleアカウントを持っていれば誰でも利用可能
- Web、アプリ、AMP、サーバといった用途に分けたタグ配信が可能
- シンプルなUI/UX
- ワークスペースと呼ばれる作業環境を分割する機能を使うことで、複数のユーザーが同時に作業可能
- Google製品やJavaScriptでよく取得するような項目に関するテンプレートが豊富
- GTMユーザーが作成したテンプレートを利用可能
- 360(Googleの有償サービス)を契約することでより高度な機能を利用可能
- コンテナ(タグをはじめとした設定を入れる容器)の容量に制限がある
GA4やGoogle広告等、Googleに関するタグはテンプレートが揃っているため非常に使いやすいです。また、YTMと比べて公式が提供するテンプレート数は少ないですが、GTM利用者が作成したテンプレートを用いることができます。
テンプレートがない場合はカスタムHTMLタグというタグテンプレートを使ってJavaScriptタグをそのまま配信することも可能ですので、YTMで行っていたことはほぼそのまま再現可能です。
ただし、テンプレートを使わずに設定を行うとそれだけコンテナの読み込みに時間がかかるようになるため注意が必要です。
YTMからGTMへの移行を行うにあたって
YTMを使える方でしたら、GTMでの作業自体は直感的に可能だと思います。ご注意いただきたいのは、タグをどのように移行するか?です。
使えるテンプレートに差があるので、簡単に移行するのであればカスタムHTMLタグを使う等の方法がありますが、多用してしまうとそれだけタグ配信に時間がかかり、例えばGA等のアクセス解析ツールのデータの欠落にも繋がる可能性があります。
そのため、
- 現在利用しているタグと利用していないタグの整理
- GTMのどのテンプレートを使うのか?使わない場合はどのように移行するのか?
を検討した上で、移行作業を行う必要がございます。
まとめ
この記事では、YTMの終了までのスケジュールと、GTMへの移行について簡単にまとめました。
どちらもタグの一元管理ツールであることには変わりはないため、運用方法には差異は出にくいと思います。ただ、移行作業はGTMの機能を理解した上で行わないと、Webサイト側の読み込み速度に影響与える可能性があるため注意が必要です。
プリンシプルではGTMのトレーニングや、運用改善等のサービス提供を行っておりますので、ご興味ありましたらぜひお気軽にお問い合わせください。