皆さんはリスティング広告と聞いて何を思い浮かべますか?おそらくGoogle検索広告やYahoo!検索広告が第一に頭に浮かぶかと思います。
そんなリスティング広告の中でも、今回はMicrosoft社が提供している「Bing広告」について、Google広告との違いから実際にBing広告を始める手順まで、分かりやすく解説していきます。
検索エンジンBingの特徴とシェア率
Bingは、Microsoft社が提供する検索エンジンです。日本で検索エンジンと聞くとGoogleやyahoo!を思い浮かべるかと思いますが、BingはMicrosoft Egdeにおけるデフォルトの検索エンジンとなっており、国内でも一定の検索シェアがあります。
Bingの特徴
Microsoft Edgeのデフォルト検索エンジン
BingはMicrosoft Edgeにおけるデフォルトの検索エンジンです。デフォルトの検索エンジンはGoogleに変更も可能ですが、そのままBing検索を使用しているユーザーも一定数います。特に、オフィスワーカーが会社備え付けのPCでBingを使用するケースが多い印象です。
様々な機能を有する
検索エンジンBingは下記のような様々な機能を備えています。
- 「Best Match」・・・検索キーワードに1番最適と思われる結果を抽出する
- 「Instant Answer」・・・検索結果ページ内にキーワードに関連した人気の高い情報を表示する
- 「Quick Tag」・・・検索結果をカテゴリーごとに分けて目次で表示する
- 「Quick Preview」・・・検索結果ページ上でアクセス先のサイトをプレビューする
- 「Deep Links」・・・サイト内の個別ぺージのリンクも表示する
Bingのシェア率はどれくらい?
2024年1月時点でのBingのシェア率(すべてのデバイス)は、世界で3.43%、日本では8.11%、アメリカでは7.87%です。
2024年1月の日本国内デスクトップでのBingのシェア率は15.76%となっており、2023年1月時のシェア率15.83とほぼ横ばいで推移しています。2023年の3月にBingのマシンラーニングにChat GPT-4を導入するニュースがあり、一時的に国内デスクトップのBingシェア率は20%まで向上しましたが、これも一時的な現象で、現在は15%台まで減少しています。
(出典:Statcounter https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/japan)
比較:Bing広告 vs Google広告
ここからはGoogle広告と比較しながらBing広告の特徴を説明していきます。
Bing広告とGoogle広告は基本的にどちらとも検索連動型のプラットフォームです。したがって、広告主様のゴールはどちらも「ビジネスの拡大」「ウェブサイトへの流入増加」「売上の増加」等が挙げられます。しかしゴールは一緒でもそれぞれのプラットフォームで異なる点があるのも事実です。
今回は検索エンジン、ターゲティング、キーワードクリック単価、クリック率、コンバージョン率の観点から両者を比較していきます。
検索エンジン
- Google広告・・・Google検索ネットワーク、displayネットワーク
- Bing広告・・・Bing、Yahoo!、AOL
ターゲティング
基本的にはBing広告、Google広告共に似たターゲティングを設定出来ますが(Googleの方が若干ターゲティングの幅は広い)、Bing広告の特徴的なターゲティング方法に、「企業、業界、業種によるターゲティング」があります。
(※Linked inのプロフィールデータをBing広告で利用できる仕組みですが、2024年2月現在、LinkedIn プロファイルのターゲット設定は、米国、CA、英国、AU、FR、DE の各市場を対象とするキャンペーンでのみ使用できます。)
例えばAmazonをターゲットにしたい場合Amazonを検索し、入札価格調整を引き上げるイメージです。業界、業種でも同様です。したがって、検索広告を使用したABMマーケティングも実現可能です。
キーワード
キーワードに関しては両者共に大きな違いはなく【部分一致】【フレーズ一致】【完全一致】の3種類でキーワードのマッチタイプを設定することが出来ます。しかしシェア率の違いから検索ボリュームに大きな違いが生じることがあります。例えばキーワードプランナーで【東京 賃貸】の検索ボリュームを調べるとGoogleでは40,500件に対してBingでは910件という結果でした。
クリック単価
次にBing 広告とGoogle広告のクリック単価の違いについてですが、Bing広告のクリック単価の平均は$1.54、対してGoogle広告では$1-2となっています。※Web FX参照
こちらはあくまでも平均ではありますが、個人的な感想としてはGoogleと比較し競合性が低い分、Bing広告の方がクリック単価が大幅に低いと思っています。例えば弊社例を上げると、同じ期間、同じ広告キャンペーンをBingとGoogleで配信した際は、Googleの平均クリック単価は345円に対してBing広告は40円でした。(あくまでも一例。業界・サービスによって変動します。)
クリック率
広告運用する上でクリック率も重要な指標の一つです。両者の平均クリック率を比較すると、Bing広告のクリック率の平均は2.83%に対してGoogle広告は1.91%%となっています。※Web FX参照
こちらに関してもあくまで平均ですので、業界・サービスによって変動はあるかと思います。
コンバージョン率
両者の平均コンバージョン率を比較すると、Bing広告のコンバージョン率の平均は2.94%に対してGoogle広告は3.75%となっています。※Web FX参照
こちらに関してもクリック単価、クリック率と同様に、あくまで平均ですので業界、サービスによって変動はあるかと思います。
Bing広告の始め方
Bing広告はアカウント開設が非常に簡単で、大きな魅力の一つとなっています。
■Bing広告を始める手順
- Microsoft アカウントでサインイン(またはアカウント作成)
- 既にGoogle広告を利用している場合はMicrosoft 広告の管理画面から、「Google 広告からインポート」を選択
- Google 広告の認証情報を入力し、インポートするキャンペーンを選択
- 配信開始
Googleからキャンペーンを直接インポート出来るので、アカウント開設から広告配信までほとんど手間がかかりません。
※Yahoo!検索でもBingに広告配信をすることが可能です。しかしBingはあくまでもYahoo!検索パートナーのうちの一つなので、Yahoo!の管理画面上でBingだけに絞った広告配信はできず、Bing単体のパフォーマンスをモニタリングすることもできません。
まとめ
この記事では、Bingの特徴からBing広告とGoogle広告の違い、Bing広告の始め方まで説明しました。
「Bing広告 vs Google広告」のパートでは様々な角度から両者を比較してきましたが、結局どちらの方が優れているか断定するのは難しいと思っています。しかしながら検索のシェア率の差を考慮すると、Bing広告だけ配信してGoogle広告やYahoo!広告はやらない!という判断は最適ではないかと思います。
まずはGoogle広告やYahoo!広告からスタートし、ビジネスが成長し広告予算が増えたタイミング等でBing広告への配信を検討し更なるビジネスの拡大を狙うというプロセスが最良の判断かと思います。