去る9月15日に「GA4を活用したECサイトの優良顧客獲得手法とは GA4 × CRM 統合分析によるペルソナ点検のすすめ」というウェビナーを開催し、解析チームマネージャーの村松が登壇しました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました!
この記事では、本ウェビナーの内容をまとめていきます。
- ECサイトでの売上が伸び悩んでいる方
- ECサイトでのGA4の活用方法がわからない方
はぜひご覧ください!
それではウェビナーの内容に沿って、CRMとGA4の統合分析を用いた「LTVの高い優良顧客の行動を把握する方法」を解説していきます。
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Behavior(ウェブ行動)に基づくペルソナとは?
本ウェビナーのテーマは、自社の優良顧客の顧客像やニーズをとらえるにはどうすればいいか?です。まずはその分析の基本的な考え方として、Bペルソナ(=ウェブ行動に基づくペルソナ)についてまとめます。
これまでとこれからのペルソナ
これまでのペルソナは、顧客データを元にデモグラフィック属性を特定し、さらにデプスインタビューなどでサイコグラフィック属性を具体化していくのが一般的なやり方でした。
しかし、これまでのペルソナをAペルソナ(Attribution-属性に基づくペルソナ)と呼ぶとすると、これからはBペルソナ(Behavior-行動 に基づくペルソナ)が必要です。
Bペルソナの見つけ方
Bペルソナを作るには、AペルソナにWebユーザーの行動データをかけ合わせます。これにより、これまで以上に鮮明なペルソナを得ることができます。
以下の図は、ウェブサイトに来訪して商品を購入し、さらにリピート購入して、顧客がロイヤル化していく流れです。
分析する際には、顧客の行動と逆の流れをたどり、以下の流れで分析します。
- ①CRMデータから 優良顧客を特定し抽出する
- ②遡ってウェブ行動データ取得し分析する
- ③優良顧客に共通するふるまいを発見する
このようにCRMで抽出した優良顧客のウェブ行動を遡って分析する(=逆引き分析)ことでBペルソナを見つけることができます。これによりユーザーのニーズや行動特性が具体化され、新規獲得やCRM施策を今までよりも最適化できるのです。
実践!逆引き分析でBペルソナを見つける手段
それでは、実際にはどのような手段で分析していけばよいのでしょうか。
分析方法には以下の2つがあります。
- 方法1. GA4レポート上で分析する方法
- 方法2. GA4とCRMデータを統合して分析する方法
Bペルソナを見つける方法1. GA4レポート上で分析する
まず1つ目は、GA4レポート上で分析する方法です。
ここで紹介する方法は簡易法で、事前のカスタマイズは必要なく、GA4を導入しECサイトの購入のイベントを設定しているアカウントであれば可能です。
まずは探索レポート上で、以下のような顧客のセグメントを作成します。
そしてセグメントを作成後、
- 優良顧客の最初の接点となった初回流入の経路
- 優良顧客が直近で閲覧しているページ
の2つを確認します。
これにより直近の行動特性やニーズが理解できるので、関心に合わせたコンテンツをメールを配信する等の顧客へのアプローチ方法に落とし込むことができます。
実際のGA4の画面上での操作は動画で詳しく解説していますので、是非ご覧ください。
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(動画18:25~ 実際の操作を解説)
Bペルソナを見つける方法2. GA4とCRMデータを統合して分析する
こちらの方法では事前準備として、カスタムディメンションに「CRMシステムとJOIN可能な会員ID」を格納することと、BigQueryのエクスポートが必要です。これらにより、会員IDをキーにCRMデータとGA上の行動データを紐づけた統合基盤を構築でき、より詳しい逆引き分析が可能になります。
そしてBigQueryにエクスポートしたGA4データをBIツールで抽出し、会員IDをキーにCRMデータを紐づけすると、以下のようなデータを得ることができます。
ここから「実際に購入に至ったユーザーが、いつどんなキャンペーンでサイトに来て、どんなページを見ているか」を確認できます。
このようにユーザーごとの個票データを準備することで、優良顧客に絞ってサイトの利用状況を様々な角度から深堀って分析することができるのです。
※講演資料・動画では個票データをどのように分析するのかについても詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
Bペルソナ分析結果の活用事例
Bペルソナへのアクション – 優良顧客に対するクロスセル
ここでは具体的に、あるECサイトでの事例をご説明します。
逆引き分析の結果:
主力商品の高価格帯キッチン家電を単品購入した顧客について 「関連商品が見られていない」という傾向を発見。 さらに高価格帯キッチン家電と親和性が高い商品もあるが、それら商品がほとんど閲覧されていない。これらから 「興味を持ってもらえそうな関連商品はあるが、気が付いていない?」と予想できる。
具体的なアクション:
対象顧客に限定し、メールアプローチ対象商品として「そのキッチン家電を利用した簡単レシピ」と「そのキッチン家電に関連したキッチン商品」を訴求した。
結果:
高いメール反応率でリピート訪問があり、関連商品のクロスセル購入につながった。
このようにCRMで抽出した顧客のウェブ行動に遡ってBペルソナを鮮明にすれば、的確にアクションできるようになります。
まとめ
本日ご紹介したGA4 × CRM の統合分析のポイントは以下の2つです。
- ウェブ上での行動を見ていくことで、 CRMデータ(購入がないとデータが動かない静的データ)だけでは見えてこない「行動の特性」や「お客様の状況」が見え、Bペルソナがより鮮明になる 。
- Bペルソナが鮮明になれば、ターゲット層 (優良顧客、休眠懸念顧客)に対しより的確なアクションが検討できる。
今回ご紹介した分析方法が、ECサイト運用の助けとなれば幸いです。
弊社では今回ご紹介したようなGA4を用いたデータ分析だけでなく、GA4の導入支援も行っております。お困りごとがあればお気軽にお問い合わせください。
さらに、実際のセミナーで使用した講演資料・動画は以下からダウンロード頂けます。より詳しく知りたい方はぜひご覧ください!
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