Tableauのコネクタを利用すれば、Googleアナリティクス(以下GA)から簡単にウェブアクセスデータを取得できるため、分析の幅が広がります。

その分析手法および注意点については以下記事をご参考ください。

ただしGAコネクタを使う際は他のデータとはブレンドのみ行えるため、分析内容によっては、データソースの処理が難しくなります。なお、Tableau PrepとOnline(Server)を活用すれば、その制限を突破できるようになりました。

本記事は1つの分析事例を使って、そのやり方について紹介します。

記事の内容

  • 結合処理に必要な前提条件
  • 結合処理が必要となる分析内容
  • 結合処理の手順

結合処理に必要な前提条件

GAデータの結合処理を可能にするには、下記の前提条件があります。

  • Tableau Prepが利用可能
  • Tableau Online/Serverが利用可能
  • Tableau Online/Serverへデータソースのパブリッシュ権限あり

結合処理が必要となる分析内容

例えば下記のような分析は、データのブレンドではうまく処理できないため、結合処理が必要です。

例)ブログ記事へのアクセスをタグごとに分析
対象:弊社HPのブログ記事(各記事に複数の関連タグ設定あり)
分析内容:関連タグ間のページビュー数、月ごとの変化

分析に利用するデータ

上記分析をするために、下記二つのデータソースを利用します。

データソース➀ 記事ごとのページビュー数(月別)

  • データソース:Google アナリティクス
  • ディメンション:ページタイトル、ページ、月(年間)
  • 指標:ページビュー数

データソース② 各記事の関連タグマスター

  • データソース:Googleスプレッドシート
  • ディメンション:ページタイトル、ページ、関連タグ
    (※1つのページに対して、複数関連タグあります)

なぜ結合処理は必要?

データソース➀とデータソース②をブレンドすると、下記のように、関連タグ間ページビュー数の比較は可能です。ただし、月(年間)の値はアスタリスクとなってしまい、月ごとの変化は分析できません。

なぜかというと、関連タグマスター(②)をプライマリーとして、GAデータ(➀)から月(年間)を参照する際、1つのページに対して複数の年月がマッチされるからです。すなわち、粒度が異なるデータソースをまとめて分析したい場合はブレンドではなく、結合処理が必要です。

結合処理の手順

Tableau DesktopではGAデータの結合処理が不可能ですが、Tableau Prepなら可能です。

ただし、Tableau PrepにはまだGAコネクタがないため、Tableau Prepから参照できるように、GAデータをTableau Online/Serverにパブリッシュして、オンラインデータソース化する前処理は必要です。

まとめると、下記三つのステップがあります。

  • 手順1. Tableau DesktopでGAデータを取得する
  • 手順2. Tableau Online/ServerにGAデータをデータソースとしてパブリッシュする
  • 手順3. Tableau Prepから 手順2 のデータソースを引用し、結合処理を行う

手順1. Tableau DesktopでGAデータを取得する

Tableau Desktopを使い、今回の分析で利用したいGAデータをコネクタから取得します。

手順2. Tableau Online/ServerにGAデータをパブリッシュ

Tableau PrepではGAコネクタがないため、GAデータをPrepで参照可能なTableauオンラインデータソースに変換します。(※更新アクセスを許可にして、更新スケジュールを設定すると、自動更新されます)

手順3. Tableau Prepで結合処理

Tableau Prepから 手順2 でパブリッシュしたGAデータ、スプレッドシートにある関連タグのマスターデータを引用し、結合処理を行います。

結合処理の結果

結合処理の結果、GAデータと関連タグマスターは結合され、月(年間)は表示されるようになりました。

また、月ごとの変化を折れ線グラフで分析可能になったため、最近人気急上昇のタグ(例えばITP、GA4など)を把握できるようになりました。

まとめ

本記事ではGAコネクタから取得するウェブアクセスデータと他データソースの結合処理方法について紹介しました。

なお、結合のみならず、同じ考え方でGAデータ間のユニオン処理なども可能となりました。ぜひいろいろ試して活用できればと思います。

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エリス(徐 萱)Eris Xu

早稲田大学商学研究科卒。DXコンサルタント。中・英・日本語対応。データ解析エンジニアとして、データ精緻化を担当後、現在はBIコンサルタントとして企業のDX支援を行う。

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