デジタル広告で効果を上げるためには、広告運用に加えてサイト改善が重要です。サイト改善は小規模な変更から、大規模なサイト全体のリニューアルまで様々ですが、特に大規模なサイトリニューアルは広告運用効果を大幅に改善できる可能性があります。

一方でサイトリニューアルに潜む広告運用上のリスクもあります。せっかくのチャンスがピンチにならないよう、この記事では広告運用者がサイトリニューアル時に気を付けるべき点を3つに纏めてお伝えします。

気をつけるべき点1.タグ設置の確認

通常、広告の効果計測、リターゲティングのターゲティング用にサイト上には広告タグが設置されています。Google, Yahoo, Facebook、あるいはFreakout, MicroAdなど様々な広告タグが設置されていることと思います。

サイトリニューアル時にこれらのタグが漏れなく設定されているかの確認は、基本的なことではありますが、欠かすことが出来ません。大規模なサイトリニューアルの場合、外部制作会社がタグの移行などもケアしてくれることが多いです。

ただ、広告担当者としてタグの移行がサイトリニューアルの与件にきちんと入っていて、その通りに実行されているかは欠かさず確認すべき項目です。

万一タグ設定漏れががあった場合、以下のようなリスクがあります。

リスク1.リターゲティングタグ設置漏れによる機会損失

サイト訪問者へ向けて広告を配信するリターゲティング広告は、デジタル広告で成果を上げる上で、とてもパワフルで重要な広告です。その肝となるのが、ユーザーがサイトに訪問したかどうかを計測するリターゲティング用のタグです。

このタグの設置が漏れてしまうと、そもそもリターゲティング広告が出稿できなくなってしまうため、運用実績に非常に大きな影響を与えてしまいます。

リスク2.CVタグ設置漏れによる計測漏れ

CVタグの設置が漏れていると、広告経由のユーザーのサイト上でのCV(商品購入や、会員登録など定義したアクション)の計測ができません。CV計測が出来ないと、広告の費用対効果が把握できないため、適切な広告費の配分を行うことが難しくなります。また、GoogleやYahooでは、CV数を最大化するための入札ロジックを用いて運用を行っている場合があります。その場合、入札最適化のためのロジックが崩れてしまう、というリスクが発生します。

さらに、CVユーザーをリターゲティングのリストとして利用したり、あるいは除外したりという場合、CVタグの設置漏れによりそれらのターゲティングが機能しなくなります。結果として、広告が配信できなくなったり、あるいは本来広告を出稿するべきではないユーザーに広告を出し続けてしまったり、といったリスクが発生します。

上記のようなリスクを抑えるためにも、サイトリニューアル時はタグ設置が漏れていないか、の確認は必ず行うようにしましょう。

気をつけるべき点2.タグ設定内容の確認

タグの設置から更に一歩踏み込んでその設定内容の確認も必要です。

リターゲティングタグは通常、サイトの主要なページ全ページに設置されています。その中から特定のカテゴリページへアクセスしたユーザーのみをターゲティングする場合、以下のようにURLを含む形でターゲットを指定しています。

例)プリンシプルサイトのブログで広告記事の閲覧者をターゲティング

https://www.principle-c.com/column/ppc/ を含むユーザーを広告管理画面上で設定

以下Googleのターゲティング設定イメージ

例えば弊社がサイトリニューアルをして、上記URLの仕様を以下のように変更したとします。

例)サイトリニューアルに伴いURLの仕様が変更

https://www.principle-c.com/blog/ads/

上記のようにURLが変わってしまうと、管理画面上での定義と一致しなくなります。結果として、ターゲティング条件への該当ユーザーがいなくなるため、広告が配信されなくなってしまいます。

上記のように比較的シンプルな条件の場合もあれば、以下のように複数の条件を組み合わせたターゲティングの場合、リニューアル後のURL体系を踏まえたものになっているかの確認が必要です。

気をつけるべき点3.広告とLPの整合性

サイトリニューアル時に限らず、広告とLPの整合性は広告運用上、常に気にかける必要のある要素です。広告で訴求した内容と、LPで訴求している内容が一致していて、且つターゲットのニーズ&タイミングとマッチすることで、CVという成果となって広告効果が上がります。

通常業務の中でも基本的にはケアされている内容かと思います。ただサイトリニューアル時に、リニューアル後の内容を広告運用者が十分に把握していいないと、広告とLPのミスマッチが発生してしまう可能性はあります。

リニューアル対象のページがLPとなっている広告のリストを抽出して、広告での訴求内容とLPとの整合性を確認することで、上記のようなミスマッチが行るリスクを回避することができます。

この記事を読まれているのが広告主様のご担当者様で、広告運用を代理店様にお任せの場合、リニューアル内容を代理店様と共有の上、広告とLPのミスマッチが起きないように十分にすり合わせを行うことをお勧めいたします。

まとめ

本記事ではサイトリニューアル時に広告担当者が気を付けるべき主な点をお伝え致しました。本記事の内容を参考にして頂き、大きく広告効果を改善できる可能性のあるサイトリニューアルの効果が最大限に発揮できることを祈念しております。

また、サイトリニューアルのタイミングで、広告のアカウント構成をはじめ運用体制を抜本的に見直す広告主様が多くいらっしゃいます。本記事記載の内容など含めリニューアルに伴うご相談などございましたら、ぜひお気軽にご相談くださいませ。経験豊富なコンサルタントが誠心誠意対応させて頂きます。

デジタルマーケティング戦略、Web解析、SEO、リスティング広告、Facebook広告、Linkedin広告、Tableauでのデータビジュアライズなどなど、何か弊社でお役に立てそうなことがございましたら、こちらよりお気軽にご相談ください。ご相談は無料で承っております。

プリンシプルでは業界最高レベルの専門家として一緒にご活躍いただける方を募集しています。詳しくは採用情報のページをご覧ください。

お気軽にご質問、ご相談ください

関連タグ

早川雅人

デジタルマーケティングコンサルタントとして10年以上の経験。PPC広告において大規模案件運用の実績を持つ。GAIQ、Google広告資格、英検1級保持。

関連ブログ